毎週火曜は最新米ビルボードの速報をお伝えします。
現地時間の10月18日月曜に発表された最新10月23日付米ビルボードソングスチャート(Hot 100)。前週2位のリル・ナズ・X & ジャック・ハーロウ「Industry Baby」がザ・キッド・ラロイ with ジャスティン・ビーバー「Stay」を抑え、初の首位を獲得しました。
.@LilNasX and @JackHarlow's "Industry Baby" hits No. 1 on the Billboard #Hot100 💯https://t.co/pwlX0x1VsQ
— billboard (@billboard) 2021年10月18日
米ビルボードソングスチャート63年の歴史の中で1130曲目の首位となったリル・ナズ・X & ジャック・ハーロウ「Industry Baby」は、ストリーミングが前週比1%ダウンの2320万(同指標1位)、ダウンロードが同564%アップの34300(同指標1位)、ラジオが同10%アップの6400万(同指標4位)を獲得しました。
ダウンロードが大きく伸びた理由は「Industry Baby」に2つのバージョンが新たに登場したため。ジャケット違い("alternative digital single cover"と称したバージョン)およびエクステンデッドミックスが集計期間2日目となる10月9日土曜にリリースされ、集計期間中ずっと0.69ドル(69セント)で販売されたため。下記動画はエクステンデッドミックスとなります。
「Industry Baby」はリル・ナズ・Xにとって、ビリー・レイ・サイラスを迎えた「Old Town Road」(2019)、「Montero (Call Me By Your Name)」(2021)に続く3曲目の首位獲得曲に。またジャック・ハーロウにとってはこれまでダベイビー、トリー・レーンズ & リル・ウェインを迎えた「Whats Poppin」(2020)の2位が最高であり「Industry Baby」で悲願の首位獲得となりました。
.@LilNasX's top-charting songs on the #Hot100:
— billboard charts (@billboardcharts) 2021年10月18日
#1, Old Town Road
#1, Montero (Call Me By Your Name)
#1, Industry Baby
#5, Panini
#10, Thats What I Want
#22, Rodeo
#37, Holiday
#42, Scoop
#47, Dolla Sign Slime
#66, Sun Goes Down
#72, Dead Right Now
#86, Tales of Dominica
.@jackharlow's history on the #Hot100:
— billboard charts (@billboardcharts) 2021年10月18日
#1, Industry Baby
#2, Whats Poppin
#34, Tyler Herro
#62, Killer
#67, SUVs (Black On Black)
#74, Way Out
また「Industry Baby」のプロデュースにはカニエ・ウェストも関与。カニエにとってはこの曲がプロデュース作品として5曲目の首位獲得となりました。
All of @kanyewest's No. 1 songs on the #Hot100, as a producer:
— billboard charts (@billboardcharts) 2021年10月18日
"Stand Up" (@Ludacris ft. @shawnnamusic)
"Slow Jamz" (@TWISTAgmg ft. West & @iamjamiefoxx)
"Gold Digger" (West ft. @iamjamiefoxx)
"Stronger" (West)
"Industry Baby" (@LilNasX & @jackharlow)
2021年の米ビルボードソングスチャートにおいては「Industry Baby」が15曲目の首位となります。そのうち10曲が初登場で首位を獲得した一方、8月7日付で2位に初登場した「Industry Baby」は12週目で首位到達。今年首位を獲得した曲ではザ・ウィークエンド & アリアナ・グランデ「Save Your Tears」の21週に次ぐ長期間での首位到達となります。
また、タイトルに"Baby"がついた曲では「Industry Baby」がちょうど20曲目の首位獲得曲に。
Every "baby" song to hit No. 1 on the #Hot100 (1/4):
— billboard charts (@billboardcharts) 2021年10月18日
"Take Good Care of My Baby" Bobby Vee (1961)
"Hey! Baby" Bruce Channel (1962)
"Baby Love" The Supremes (1964)
"Baby Don't Get Hooked on Me" Mac Davis (1972)
"Rock Your Baby" George McCrae (1974)
Every "baby" song to hit No. 1 on the #Hot100 (2/4):
— billboard charts (@billboardcharts) 2021年10月18日
"(You're) Having My Baby" @paulanka (1974)
"Angie Baby" Helen Reddy (1974)
"Baby Come Back" Player (1978)
"Baby, Come to Me" @pattiaustin w/ James Ingram (1983)
"Baby, I Love Your Way/Freebird Medley" Will to Power (1988)
Every "baby" song to hit No. 1 on the #Hot100 (3/4):
— billboard charts (@billboardcharts) 2021年10月18日
"Baby Don't Forget My Number" @MilliVanilli (1989)
"Ice Ice Baby" @vanillaice (1990)
"I'm Your Baby Tonight" Whitney Houston (1990)
"Baby Baby" @amygrant (1991)
"Baby Got Back" @therealmix (1992)
Every "baby" song to hit No. 1 on the #Hot100 (4/4):
— billboard charts (@billboardcharts) 2021年10月18日
"Always Be My Baby" @MariahCarey (1996)
"..Baby One More Time" @britneyspears (1999)
"Come On Over Baby (All I Want Is You)" @xtina (2000)
"Baby Boy" @Beyonce ft. @duttypaul (2003)
"Industry Baby" @LilNasX & @jackharlow (2021)
前週まで通算7週首位を獲得していたザ・キッド・ラロイ with ジャスティン・ビーバー「Stay」は2位に後退。ストリーミングは前週比7%ダウンの2160万(同指標2位。記事未記載ながらこちらのツイートで確認可能)、ダウンロードは同67%アップの12400(順位は記事未記載)、ラジオは同3%アップの8920万(同指標1位)となっています。
「Stay」もダウンロード指標を大きく伸ばしていますが、これは集計期間にiTunes Storeが"69¢ Pop Hits"(69セントでの安価販売)にこの曲を据えたためです。
デュア・リパ「Levitating」が8位をキープ。同曲は通算39週目のトップ10在籍となり、ポスト・マローン「Circles」(在籍期間 2019-2020)と並ぶ歴代2位に。なお歴代最長記録はザ・ウィークエンド「Blinding Lights」の57週(在籍期間 2020-2021)となります。
前週から1ランクアップし、エド・シーラン「Shivers」がトップ10入り。ストリーミングは前週とほぼ変わらず1210万、ダウンロードは同3%ダウンの9100、ラジオは同5%アップの3730万を獲得しています。これによりエドは今週4位につけた「Bad Habits」に続く9曲目のトップ10入りを達成。2曲とも10月29日にリリースされるニューアルバム『=』に収録されています。
最新のトップ10はこちら。
The #Hot100 top 10 (chart dated Oct. 23, 2021)
— billboard charts (@billboardcharts) 2021年10月18日
[今週 (前週) 歌手名・曲名]
1位 (2位) リル・ナズ・X & ジャック・ハーロウ「Industry Baby」
2位 (1位) ザ・キッド・ラロイ with ジャスティン・ビーバー「Stay」
3位 (3位) ウォーカー・ヘイズ「Fancy Like」
4位 (5位) エド・シーラン「Bad Habits」
5位 (4位) ドレイク feat. フューチャー & ヤング・サグ「Way 2 Sexy」
6位 (6位) オリヴィア・ロドリゴ「Good 4 U」
7位 (7位) ドージャ・キャット feat. シザ「Kiss Me More」
8位 (8位) デュア・リパ「Levitating」
9位 (10位) ウィズキッド feat. ジャスティン・ビーバー & テムズ「Essence」
10位 (11位) エド・シーラン「Shivers」
さて、ここまでは米ビルボードの記事を翻訳する形で記載しました。ここからは私見も折り込みます。
次週はアデル「Easy On Me」が首位に到達することはほぼ間違いありません。この曲はイギリスで10月15日0時にリリースされたため、米では14日のリリースとなりました。解禁後5時間分が10月23日付米ビルボードソングスチャートにカウントされ、ダウンロード指標で「Easy On Me」は4位、総合では68位に初登場を果たしました。
.@Adele's "Easy On Me" debuts at No. 68 on this week's #Hot100 after just 5 hours of availability on Thursday (Oct. 14).
— billboard charts (@billboardcharts) 2021年10月18日
"Easy On Me" earned 3.1 million U.S. streams, 3.1 million airplay audience impressions and 14,800 downloads in its first 5 hours of release.
— billboard charts (@billboardcharts) 2021年10月18日
「Easy On Me」の勢いについては別途ブログエントリーにて記しています。
また2週前に米ビルボードソングスチャートを制したコールドプレイ & BTS「My Universe」の、BTSのSUGAによるリミックスが今週登場しています。「My Universe」は前週早くもトップから脱落しましたが、オリジナルバージョンを収録したコールドプレイのアルバム『Music Of The Spheres』が次週の米ビルボードアルバムチャートに初登場するタイミングでのリミックス投入により、同曲の再浮上もあるかもしれません。