毎週木曜は、前日発表されたビルボードジャパン各種チャートの注目点をソングスチャート中心に紹介します。
3月9~3月15日を集計期間とする3月23日付ビルボードジャパンソングスチャート。前週首位のJO1「無限大」は6位へ後退。Official髭男dism「I LOVE...」が4週ぶり、通算3週目の首位を獲得しました。
【ビルボード】Official髭男dism「I LOVE...」が週間ストリーミング数で自己ベストを更新、通算3度目の総合首位獲得 https://t.co/ipIDOt5gR3 pic.twitter.com/yPho6Ae3jz
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2020年3月18日
主題歌に起用されたドラマ『恋はつづくよどこまでも』(TBS)が好調に推移し、ドラマとリンクして勢いづく「I LOVE...」。前週にはシングルCDセールス加算初週のポイントを超えたことから、そのタイミングで曲とドラマの勢いについて取り上げました。
そして今週、さらにポイントを積み重ねています。
「I LOVE...」は、サブスク再生回数を基とするストリーミングや動画再生といった接触指標群が伸びたのは勿論のこと、シングルCDセールスやダウンロードという所有指標群も上昇。数は多くないものの、シングルCDセールスの伸びからはドラマを機に手に取る人が少なくないことが見て取れます。さらにはCDをパソコン等に取り込んだ際のインターネットデータベースへのアクセス数を示すルックアップも首位を獲得し、レンタルする方も多いことが伺えます。
最新チャートの集計期間中に放送された『恋はつづくよどこまでも』第9話のリアルタイム視聴率は14.7%(ビデオリサーチ調べ・関東地区の結果。以下同じ)を獲得。また前回の総合視聴率(リアルタイム視聴率とタイムシフト視聴率(1週間以内の視聴)を足し、重複分を差し引いたもの)は21.5%と過去最高を記録しています。そして一昨日放送の最終回は、リアルタイム視聴率がわずかながら伸びて過去最高を記録し、総合視聴率も右肩上がりとなることが予想されます。
となると次週発表の3月30日付ビルボードジャパンソングスチャートにおいて、「I LOVE...」がさらに伸びるのは確実。最終回のサブタイトルには「I LOVE...」の歌詞が充てられており視聴者を曲に誘導する効果が生まれているのみならず、ドラマの余韻を持続させる新たな動きも登場します。
お知らせーーっつ!
— 上白石萌音とマネージャー (@mone_tohoent) 2020年3月18日
大変恐縮ながら…この度Youtubeチャンネルを開設された、佐藤健さんの記念すべき「たけてれ」第1回生配信に出演させて頂きます🙇♀️
3/20(金)20:30〜生配信開始です!
とてもとても恐縮です…MGです…。
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Satoh Takeru https://t.co/sq6CdXHIsU @YouTubeより
ドラマのコアなファンをさらに掴んで離さない施策がOfficial髭男dism人気に波及するだろうことは、トップ20入りしたすべての曲が前週に続き今週もポイント前週比100%超えを達成していることから確実(「Pretender」(2位 前週比105.4%)、「宿命」(7位 同105.5%)、「イエスタデイ」(8位 同102.0%)、「115万キロのフィルム」(11位 同100.1%)、「ノーダウト」(17位 同102.1%))。接触指標群の上昇によるライト層の拡充のみならず、所有指標群も伸びていることから【ライト層からコアなファンへ昇華】する動きも登場しているように思われます。今年、Official髭男dismの人気がさらに高まるのは間違いないでしょう。
最後に、このOfficial髭男dism人気に際し、ビルボードジャパンソングスチャートのチャートポリシー変更を願う一部の声が見られたことに対する私見を転載します。
ビルボードジャパンソングスチャートでここまでOfficial髭男dismが強いと、その硬直性を踏まえチャートポリシー変更を…と希望する声を耳にします。米のような”何週目以降に何位以下ならば消える”というルールを設ける必要もあるかもしれませんが、現状ではストリーミング指標は下げるべきではないかと
— Kei / ブレストコナカ (@Kei_radio) 2020年3月18日
ライト層が増えることで曲が広く認知され、所有に長けた曲以上に広く日本で親しまれる曲と言えるでしょうし、そういう曲を多く持つ歌手こそ国民的歌手と言えるはず。ならば”Official髭男dismが強すぎるからチャートポリシー変更を”というより、他の歌手がヒゲダンのチャートアクションを目指すべきかと
— Kei / ブレストコナカ (@Kei_radio) 2020年3月18日
ただ、米ビルボードソングスチャートのようなチャートポリシーは検討して好いと思いますので、ビルボードジャパン @Billboard_JAPAN には議題に上げてほしいと思っています。定期的な見直しの会議があれば自分も参加してみたい…という無茶な希望も書き添えておきます
— Kei / ブレストコナカ (@Kei_radio) 2020年3月18日
最初のツイートは後に訂正しています。
訂正。
— Kei / ブレストコナカ (@Kei_radio) 2020年3月18日
ストリーミング指標は下げるべきではないかと
→下げるべきではないと思う https://t.co/pwZNh1Vd1X
チャートポリシー変更について、8指標の見直しを希望する旨は以前記載しています。
後にストリーミングについてはSpotify導入、有償サービスと無償とで1再生あたりのウェイトを変えるという措置が採られることになりました。
また、米ビルボードソングスチャートにおけるリカレントルールについては下記をご参照ください。
そして、ロングヒットは接触指標群の充実にあると以前示しています。
これらを踏まえた上で、昨夜のツイートとなりました。元々自分がつぶやくきっかけとなった声に、一部歌手の寡占に”飽きた”という表現があり、その極めて私的な、且つネガティブな感情を隠さず発信することに強い違和感等を抱いた次第です。ただ、その疑念が多くの方で共有されるとチャートへの不信につながりかねない可能性もあることから、ビルボードジャパンは定期的に見直しを議論してほしいと思います。