およそ1年9ヶ月ぶりとなる宇多田ヒカルさんのオリジナルアルバム『初恋』が今週リリースされました。冒頭を飾る「Play A Love Song」で、後半のゴスペルクワイアの登場に驚いた方も少なくないはず。自分は以前から邦楽とゴスペルとのつながりについて幾度となく書いてきましたが(【Diggin'】18. 広がっていく”J-Pop × ゴスペル”(2013年2月15日付)等)、ゴスペル的な作品のさらなる登場に、しかもオリジナルアルバムが最も売れる、言い換えれば最も影響力の高い方がゴスペルを取り入れたことに喜びを感じています。
さて、本場というかアメリカのゴスペル界でも新鋭が登場していますので今日はそちらを紹介。最新6月30日付の米ビルボードゴスペルソングスチャートで25位に登場したのがルディ・カレンス「Testimony」。こちらでは冒頭から、ゴスペルクワイアの重厚なコーラスが聴こえてきます。
尤もこのゴスペルクワイアはサンプリングされたものではあるのですが(ウォルター・ホーキンスのアルバム『Love Album II』(1978)より)、力強いボーカルと巧みなラップ、三連を取り入れ現行の流行も取り入れているとなると、ゴスペルファンにみならずR&Bやヒップホップ好きにもたまらない方ではないでしょうか。
これだけのスキルを持つルディ・カレンスは、すでにキャリア15年以上のベテラン。しかも2011年にはシングルでメジャーデビューを果たしています。bmrには彼のプロフィールが紹介されているのでそちらを是非。
アメリカではシングルがヒットしないままアルバムがお蔵入りになることも少なくなく、また上層部ともめて…ということも時折聞くため、ルディも同じ道となってしまった可能性はありますが、一方で彼の実力はクインシー・ジョーンズのアルバムにリュダクリス、ナチュラリー7と共に起用されることからして折り紙付き。
実はこれを書いている段階で「Testimony」はiTunes Store未登録(一方でメジャー進出前の作品はチェック可能)。そしてこの曲のリリースはなんと1年以上も前というのですから驚かされます。
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— RUDY CURRENCE (@RUDY_CURRENCE) June 19, 2017
ゆっくり、そして徐々に人気を集め、遂にはゴスペルソングスチャートにランクイン。これを機に彼のアルバムが(iTunes Storeも含め)リリースされ、一度は叶わなかったメジャー進出も出来たならば本当に素晴らしいことだなと思うのです。さらにこの曲がR&Bやヒップホップのチャートに入るクロスオーバーヒットとなれば、これほど痛快なことはありません。