今日はいつも以上に"私見"だと前置きして書きます。
昨日の段階で1万以上のリツイートが集まることについて、そしてそれ以上にニュース番組の"質"が変わってしまったという点において、非常に残念です。
あくまで私見と前置きして書くならば、恐れていたことが起きたという感じです。硬派ストレートニュースのRABニュースレーダーが一気に軟派に、ワイドショー的になってしまったという懸念の現実化 https://t.co/QmkQKGeblv
— Kei / BreastKonaka (@Kei_radio) May 22, 2018
私見ですが、【ニュースに私見を混ぜ過ぎない】【原稿を噛まない】【インフォマーシャル的なものを報道のていで挿し込まない】【タイムテーブルを複雑にして視聴者を混乱させない】【重要なニュースをトップに据える】というのがニュース番組に求める要素なのですが、どんどん減ってますね…
— Kei / BreastKonaka (@Kei_radio) May 22, 2018
私見と前置きしたのは、今のニュース番組のほとんどが【】内と逆の方向に進んでいるため。つまりは自分の感覚がマイノリティなのは承知です。でも、今の番組がより多くの事項を紹介する形ではなくなったために“メディアが報じない”現象が生まれているのだとしたら、今のままでいいのかなと思いますね https://t.co/75f0O0HQen
— Kei / BreastKonaka (@Kei_radio) May 22, 2018
『RABニュースレーダー』(青森放送 月-金曜18時15分)はこの春から、メインキャスターを務めていた秋山博子元アナウンサー(部署異動により"元"となります)に替わり、最も若い猪股南アナウンサーがサブに、そして秋山元アナウンサーのパートナーだった菅原厚アナウンサーがメインキャスターに就くことになりました。そのタイミングでセットもより白が際立つようになり、またかなりの割合で立ったままニュースを伝えており、もしかしたら局側はリニューアルを機により一層のフレッシュさを求めたのかもしれません。しかし、番組冒頭でネタになりやすい(言い換えればそこまで速攻で伝える必要があるわけでない)事項を冒頭で伝えることは(そしてそれにより重要な報道を後回しにすることも含め)、”フレッシュ”とはまったくもって違う、と断言します。
最も視聴率の高い『RABニュースレーダー』は、2006年10月から秋山博子・菅原厚両アナウンサーによる体制を維持しています。キャスティング面では最古参となるわけですが、その抜群の安定感と軟派ではない作りゆえにトップを独走し続けていると言えます。他局と違って天気予報を気象予報士が担当しているわけではないのですが、アナウンサーの基礎である技術面がしっかりしていることが視聴習慣につながっているものだと考えます。この視聴習慣は、イコール信頼性と呼んでも差し支えないものでしょう。
・NHK青森放送局は夕方のニュース番組を育てる”つもりはない"(2015年4月7日付)より
元来『RABニュースレーダー』が長く愛されてきたのは、他局と比較してアナウンス技術と硬派な作りに長けていたゆえ。これは自分が以前同局の番組モニターを務めた際、局員の方が仰っていたことです。それが、局員の声を伺った数年後に大きくリニューアルし、"軟派"になるのは時代の変化かもしれませんが、あまりにも寂しいと思わずにはいられません。
しかも、秋山元アナウンサーに替わって登壇したのが最年少の猪股南アナウンサーであることについて、先輩を抜き飛び級で採用される理由が浮かばないのです。特に滑舌において未だ不明瞭な点は少なくありませんし、逆に明瞭にしようとすればするほど言葉が尖って強く聞こえ、ほっこりするニュースでもハートフルになりにくいというデメリットがあります。そして秋山元アナウンサーはラジオディレクター専任になったとも聞き、その人事異動(配置)ははっきり言って理解に苦しむのです。
尤も、猪股アナウンサーの喋り、また『RABニュースレーダー』の作りはまだ青森県の他の放送局に比べて、それでも比較的優れているといえます。が、その双方においてこの春から池間昌人アナウンサー&成田りえキャスター体制となった『あっぷるワイド』(NHK青森放送局 月-金曜18時10分)のほうがアナウンスレベルが上回っている気がします。成田キャスターにはアクセント狂いが若干あるもののここ数年では田中知子元キャスターに劣らない高いレベルですし、とりわけ池間アナウンサーによる、技巧の素晴らしさのみならずほっこりした話題を伝えるときの声のトーンも秋山博子元アナウンサーを彷彿とさせる上手さであり、青森県のみならず全国のNHK若手アナウンサーの中でも高いレベルといえます。『あっぷるワイド』がワイドショーやバラエティ番組的コーナーが少なくないゆえまだ『RABニュースレーダー』のほうが硬派とは言えますが、もしかしたら両者の視聴率は以前に比べて差が縮まっているのではと考えます。
(ちなみに昨日『RABニュースレーダー』を拝見したときのツイートを載せます。
前に『RABニュースレーダー』の4月改編以降の”軟派”な変化について書いたのだけど、今見たら県立美術館からの中継でスタジオ側のキャスター陣が結構な割合でワイプ抜かれていて、硬派でストレートニュースが支持されていた番組の変化に正直悲しみを覚えた次第です
— Kei / BreastKonaka (@Kei_radio) June 8, 2018
『ZIP!FRIDAY』(青森放送 金曜15時50分)同様、同所から吉崎ちひろアナウンサーが『RABニュースレーダー』に向けてリポートしていたのですが、ならば二度に分けず『ZIP!FRIDAY』一本に伝達内容を集約出来なかったのかと思いますし、『RABニュースレーダー』を情報バラエティ化させる必要はないと思うのです。)
青森放送ではこの春、アナウンサーが2名他部署に異動し、1名が退職。代わりに1名が復帰し新人1名が入局しました。もしかしたら上野由加里元アナウンサーの退職が青森放送にとって予期していなかったことから、それによる調整が不可解な(と個人的に考えている)交代劇等の原因になっているのではと推測します。
(ちなみに上野由加里アナウンサーはもしかしたら”退職”ではないかもしれません。詳しくは上野由加里元アナウンサーが青森放送所属として今週末イベントに登場…?(6月6日付)をご参照ください。)
特にラテ兼営局におけるラジオ生ワイド番組の、"帯番組なのに人がコロコロ入れ替わる感"はその人材不足等を察するに余りあります。その点は後日述べるとして、しかし『RABニュースレーダー』を観る習慣をつけていた視聴者にとっては、予想を遥かに上回る変化に未だついていけないという声もきっとあることでしょう。
ちなみにこれは知人から聞いた話ですが、以前とある中年男性が”女性キャスターは若いほうがいい”と言っていたそうで、自分はそれを聞いて呆れ、お会いしたことないもののその人を強く見損なったものです。アナウンス技術は加齢による衰えもあるでしょうがそれは早くて50代以降であり、鍛えれば鍛えるほど脂が乗り、信頼感も増すもの。その人は単に女性アナウンサーをいわば”女子アナ”と形容するときと同様の価値観しか求めていないのではないかと思いますし、ならばその方が逆に”中年男性はいないほうがいい”と言われたらどう思うかと聞いてみたくなります。そういうハラスメント的物の見方が、優秀有能なアナウンサーを追いやることになるわけで、”女子アナ”ブランドな視点は本当に無くなってほしいものです。
…と、ここまで書きましたが『RABニュースレーダー』はすでに走り出して3ヶ月目になるわけで、今からリニューアルかけることは厳しいでしょう。ならば少しずつでも軟派な演出を硬派に切り替え、そして秋山博子元アナウンサーに少しずつでもキャスター2名が近づけるよう、常日頃から人一倍の研鑽を続けてほしいと強く願います。