コラボアルバム。最近ではドレイク&フューチャーや、ベイビーフェイス&トニ・ブラクストンなどありましたが、今度登場するのが『キャリア50年のサンタナと同60年のアイズレー・ブラザーズというロックとR&Bの巨頭ががっぷり四つに組んだ』(下記サイトより)というものすごいアルバム。双方のキャリアを合わせればなんと110年というのですから驚きです(なにも足す必要はないのですけどね)。
この度、8月4日に発売(国内盤は8月23日)される『Power Of Peace』から、2曲の先行トラックが先日公開されました。共に平和にちなんだカバー曲です。
・The Isley Brothers & Santana「Total Destruction To Your Mind」
オリジナルはスワンプ・ドッグによる、1970年にリリースされたファーストアルバムの巻頭を飾るナンバー。
そして。
・The Isley Brothers & Santana「What The World Needs Now Is Love Sweet Love」
1966年にディオンヌ・ワーウィックが放ったことで有名な、バート・バカラックがソングライトした(ことが一聴して分かる)楽曲。邦題は「世界は愛を求めている」。
ディオンヌはこの曲のレコーディングを一度拒んだとのことでジャッキー・デシャノンがオリジナル版を1965年にリリース。そのあたりについては下記サイトに掲載されています。
これはWikipedia情報です、と前置きして取り上げるのですが。
1968年6月5日、ロバート・ケネディがロサンゼルスのアンバサダーホテルで撃たれた折、彼が翌日に死ぬまでの間、同市のラジオ局は夜を徹して繰り返し本作品をかけた。死亡後も数日間その行為は続けられた。
ジャッキー・デシャノンのバージョンは、民主主義の危機の際に祈りとして用いられ、それが叶わなくなってしまった後も希望(を捨てない思い)として流れ続けたということなのですね。時代が変わり、当時撃たれた立場に位置する人間がことごとく横暴になり、その影響でどんどん不寛容になりつつある今の社会にこそ、処方箋として必要な楽曲なのかもしれません。
この曲は最近、野宮真貴さんが取り上げています。スウィング・アウト・シスターのコリーン・ドリューリーを招いたバージョンは下記Apple Musicより聴取可能。また日本語バージョンも用意されており、その和訳を努めたのはピチカート・ファイヴ時代の相方、小西康陽さん。シンプルな訳ながらそのメッセージをひしひし感じられるはずです。こちらも是非。