イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

ジョージ・マイケルのチャート躍進と「Fastlove」

一昨日速報を掲載したビルボードシングルチャート(1月14日付)にて、昨年末亡くなったジョージ・マイケル関連曲(ワム!時代の作品を含む)が3曲ランクインしました。

同日付アルバムチャート、200位以内には関連作品4作がランクインを果たしており、彼の死をきっかけに再度注目が集まったことが解ります。

 

シングルチャートでの最上位はワム!時代の「Careless Whisper」(”ワム! feat. ジョージ・マイケル”名義)ですが、完全なソロ(名義)曲のランクインとなると、47位にランクインした1987年リリースの「Faith」(同名アルバムより。アルバムも18位にランクイン)が最高位に。オリジナルアルバムおよびそこからのシングルがここまで高い位置につけるというのは、このアルバムの凄まじさゆえ。

アルバムは1000万枚を超えグラミー賞では最優秀アルバム賞を受賞。シングルではこの曲を含む4曲が1位を獲得という輝かしい記録を達成しました。そしてこのアルバムが白人ではじめてR&Bチャートを制したという点に注目(記録等はフェイス (ジョージ・マイケルのアルバム) - Wikipediaより)。彼のブラックミュージックへの精通についてはジョージ・マイケル、クリスマスに旅立つ(2016年12月27日付)にて触れましたが、この作品の高評価が、数多くのR&B/ソウル歌手と共演するきっかけになったことでしょう。

 

それらを考えれば、自分がはじめてきちんとジョージ・マイケルに触れたこの曲も、今聴くとおもいっきりR&Bしてるんですよね。

ジョージ・マイケル「Fast Love」(1996 全米8位 全英1位)

アルバム『Older』(1996)からのシングルであるこの曲は、パトリース・ラッシェン「Forget Me Nots」(1982 最高23位)をサンプリングし、サビのフレーズも引用しています。

「Fastlove」にはじめて触れたときにはサンプリング元について知らなかったのですが、ソウルミュージックでクラシック化しているこの「Forget Me Nots」はサンプリング使用頻度が高いいわゆる”大ネタ”(サンプリング等のデータベース、【WhoSampled】では使用曲が30も登場)。とりわけ有名なのは映画『メン・イン・ブラック』の主題歌、ウィル・スミス「Men In Black」(全米1位)でしょうか。この曲は「Fastlove」が発表された次の年にリリースされており、もしかしたらウィル側は「Fastlove」をアイデアの根源にしていたのかもしれませんね。

 

 

さて、来週1月8日放送の『わがままWAVE It's Cool!』(FMアップルウェーブ 日曜17時)の音楽特集は【1996年のヒット曲】です。今年の成人式の参加対象(新成人)の多くは1996年生まれということで毎年恒例となったこの特集。日本のCDセールス(当時はCDセールスと認知度が強く比例していました)、米ビルボードチャートに加え、日本のラジオチャートも参考にして曲を選ぶことにしていますが、今回紹介した「Fastlove」は1996年度J-WAVE TOKIO HOT 100チャートで9位にランクインしたことから、もしかしたらこの曲も流れるかもしれません。FMアップルウェーブのホームページ経由でメッセージ(当日発表)やリクエストが送れるほか、サイマル放送も聴くことが出来ますので、よかったら是非チェックしてください。