米ビルボードシングルチャートを定点観測。
日本時間の火曜早朝に発表された5月21日付最新チャート、先週予想した通りドレイクが主演作で初の1位を獲得。そしてチャートも大きく変動しています。最新チャートについての詳細は下記をご参照ください(トップ10カウントダウン動画もあります)。
なによりドレイクの記録ラッシュには驚かされます。先月末にリリースされたアルバム『Views』の初週セールス等が反映した今回のチャート。シングルおよびアルバムチャートで達成された記録は下記の通り。
・シングル「One Dance」で主演作初の1位
(曲単体でのデジタルセールスおよびストリーミングで1位)
・アルバム『Views』は2016年発売作品の中で最も大きい初動セールス
(85万5000枚。ストリーミング等を合わせると約104万ユニットに相当)
・『Views』の楽曲ストリーミング回数が最高記録を受信
(全米だけで1週間でおよそ2億4510万回。これまでの記録はジャスティン・ビーバー『Purpose』の7700万回(全世界では2億500万回))
・最新シングルチャートにドレイク関連曲が20曲ランクインの新記録
(『Views』からの楽曲が18曲、およびリアーナとの「Work」、『Views』未収録の「Summer Sixteen」。これまではジャスティン・ビーバーの17曲)
・主演/客演含め、シングルチャートに合計123曲がランクインし歴代3位
(1位はグリー・キャスト(207曲)、2位はリル・ウェイン(130曲)。3位だったエルヴィス・プレスリーの108曲を抜く)
・上記リンク先、Drake Breaks Hot 100 Record With 20 Simultaneous Hits | Billboardおよびドレイク新作が今年最大の初動セールスを記録して全米チャート1位に | bmr(いずれも5月9日付)より
『Views』の高ポイントが続く限り「One Dance」は長期政権を担えるかもしれませんが、1位から陥落したデザイナー「Panda」も負けておらず、ストリーミングでは40万回の僅差、他の指標でも数値を伸ばしていることから、次週はラッパー対決になるかもしれません。
プリンスの2曲およびビヨンセがトップ10圏外となった今回のチャートで新たにトップ10入りを果たしたのは、ジャスティン・ビーバー「Love Yourself」(前週15位、返り咲き)、ザ・チェインスモーカーズ feat. デイヤ(前週14位)、そしてカルヴィン・ハリス feat. リアーナ(初登場)。
ザ・チェインスモーカーズの「Don't Let Me Down」は「Roses」以来2曲目、ヴォーカルを務めたデイヤにとっては初のトップ10入りに。
実は彼ら、未だアルバムをリリースしていません。「Roses」は5曲入りEP『Bouquet』(2015)に収録されていますが「Don't...」はシングルのみ。日本ではMAXがカバーした「#Selfie」もシングルのみとのことですので、そろそろフルアルバムをリリースしてもよい頃かと思われます。
カルヴィン・ハリス feat. リアーナ「This Is What You Came For」はデジタルセールス3位の勢いを受けて9位に初登場。
カルヴィンとリアーナの組み合わせでいえば「We Found Love」(クレジットは主従逆転)。この曲は10週1位というモンスターヒットとなっており、今作にも期待が高まります。
リアーナにとっては「This Is...」が28曲目のトップ10入りとなり、スティーヴィー・ワンダーと並んで歴代4位となりました。マドンナ、ビートルズ、マイケル・ジャクソンに次ぐ記録で、これまで27曲で並んでいたマライア・キャリー、エルトン・ジョンそしてジャネット・ジャクソンという錚々たる面々を引き離したことに。しかもリアーナは「Needed Me」が最新チャートで9ランクアップの13位にまで上昇しており、この曲がトップ10入りすればマイケルに並ぶという...ドレイクと共に時代の寵児であると言っても過言ではないでしょうね。