最新5月25日付の米ビルボードゴスペルソングスチャートもカーク・フランクリン「Love Theory」が登場16週目にして16週連続の首位を獲得。来週アルバムがリリースされることもあり、アルバムのチャート登場後にソングスチャートでも勢いがさらに増し、「Love Theory」の長期政権となるのはほぼ間違いないでしょう。
さて、このチャートで以前から気になっていたのが、フレッド・ジャーキンス feat. ラスト・コール「Victory」。3位をピークに順位を落とすものの最新チャートでは5位にランクインしています。このフレッド・ジャーキンス(フレッド・ジャーキンス三世、とも表記しますがここでは三世表記を略して記載)、弟のロドニー共々R&Bプロデューサーとして活躍している方ですが、昨年初のリーダー作『A Project Of Healing』をリリース。「Victory」はそこからのナンバーとなるのです。
こちらは「Victory」に客演(ボーカルを担当)したラスト・コールのYouTubeアカウントにて投稿された動画ですが、フレッド・ジャーキンスは不在の模様。そしてラスト・コール自身についてはこの曲ではじめて知ったのですが、Twitterも昨年1月から開始しており、フレッドはもしかしたらラスト・コールをフックアップしたかったのかもしれません(し、それが見事に叶ったように思います)。
フレッド・ジャーキンスはプロデューサーとしてマイケル・ジャクソンやメアリー・J・ブライジ、デスティニーズ・チャイルド等にプロデューサー/ソングライターとして(ロドニー・ジャーキンスとの共同作業も含め)R&B主体に関わっている傍ら、ドーキンス&ドーキンスやゴスペル界の名門ワイナンズ一家の作品に20年以上前から携わっており、ゴスペルと縁が深いわけです。とりわけ日本で、(半ばゴスペルの出自であることを公にしないプロモーションには個人的に疑問はありつつ)”キキ”の名で大ヒットしたキエラ・シアード(もしくはシェアード)の「You Don't Know」(ソングライト。プロデュースは弟のロドニー等)、「This Is Me」(プロデュース)を手掛けていた…と聞くと親近感を抱く方もいらっしゃることでしょう。
個人的にはブランディ「Almost Doesn't Count」の哀愁感も大好きなのですが。
そのフレッド・ジャーキンスは2006年に自身のレーベル、ダークチャイルド・ゴスペルを立ち上げ女性グループのヴァーチューを招聘したり新鋭のジャーメイン・ドリーをデビューさせ、遂に20年以上のキャリアを経て初のリーダー作『A Project Of Healing』をリリースしたわけです。アルバムにはトリニティ5:7やダミータ、ダーウィン・ホブスやジョナサン・ネルソンといったゴスペルの若手~中堅実力派がこぞって参加。音的にはR&B的要素(いわゆるコンテンポラリーゴスペル)も一部あれど結構ゴスペル寄りな音になっているゆえ、R&Bっぽさを求める向きには合わないかもしれませんが、ベテランプロデューサーがどっぷりゴスペルと向き合った作品はチェックして損はないでしょう。ちなみにアルバムはフィジカル未発売の模様、またデジタルは日本のAmazonでは扱っていないようなので購入時は注意が必要です。
ちなみに。
そういえば昨秋リリースされた、フレッド・ジャーキンスのゴスペルアルバムについて、日本語のレビューってないのかなあ…
— Kei / BreastKonaka (@Kei_radio) January 30, 2019
bmrで取り上げられることを期待していたでのすが、”フレッド・ジャーキンス”でTwitter検索すると自分より前にツイートしているのは5年以上遡ることに。そのbmrは3月29日頃を最後に更新されていないようで、もはや調査時の参考に出来ないのかもしれません。