5月13~19日を集計期間とする、5月27日付のビルボードジャパン各チャートが昨日発表され、総合ソングスチャートは亀梨和也「Rain」が首位を獲得しました。
【ビルボード】亀梨和也「Rain」が14.2万枚を売り上げて3冠、総合首位も獲得 菅田将暉「まちがいさがし」は11.4万ダウンロードで初登場2位に https://t.co/ot4otqrhOp pic.twitter.com/twTSd5TyHO
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) May 22, 2019
首位となった亀梨和也「Rain」が14381ポイント、2位の菅田将暉「まちがいさがし」が10524ポイント。3位には前週から5ランクアップし自己最高位を更新したOfficial髭男dism「Pretender」が入り、7986ポイントを獲得。1位とは倍近い差がついてしまいましたが、「Pretender」の躍進、チャートを構成する各指標がまんべんなく獲得されていることは実に見事だと思うのです。
#ビルボードジャパン最新チャート速報
— Kei / BreastKonaka (@Kei_radio) May 22, 2019
自己最高位を更新した #Official髭男dism「#Pretender」(総合3位)のチャート構成比をみると理想的な気が https://t.co/BrMaD9nzpq シングルCD発売による加算もさることながら、シングルCD発売と映画公開がダウンロード&ストリーミングを牽引、両指標2位に躍進
デジタルダウンロードは前週13位から、ストリーミングは同8位から共に2位へ上昇。ラジオエアプレイは遂に首位の座を射止めました。「Pretender」が主題歌に起用された映画『コンフィデンスマンJP -ロマンス編-』の公開タイミングで既存の指標が伸びている状況です。これに加え先週リリースされたシングルCDとルックアップでチャート構成比のおよそ15%を稼いでいます。面白いのはシングルCDセールス指標が9位だったのに対しルックアップは6位。CDレンタルの多さが想起出来ることから、映画のヒットに伴いしばらく上位にとどまる可能性もありそうです。
さて、この上位3曲については先週予想した通りになりました。
しかし、次週はこの3曲のチャートアクションが大きく異なる気がします。先述した「Pretender」はシングルCDセールスの勢いが低下しても他指標がカバーし大きく下がることは考えにくいだろう一方。
まず、首位を獲得した亀梨和也「Rain」については、所属事務所がジャニーズ事務所である関係上デジタル未解禁のため(レコチョクにはあるものの曲を分割して配信しており、未解禁といっても過言ではないでしょう)、チャート構成比の8割以上を占めたシングルCDセールス指標の収束と共にランクダウンすることは必至。ジャニーズ事務所所属歌手の楽曲の、シングルCDセールス指標加算2週目の総合チャートにおけるポイント前週比はどんなに高くても2割台ということを踏まえれば、次週は維持しても3000ポイント程度と見込まれます。
そして、米津玄師さんが提供した菅田将暉「まちがいさがし」については。
デジタルダウンロードでは初週11万超え、2位の「Pretender」の5倍強と他を圧倒しましたが、ミュージックビデオ未公開且つストリーミング未解禁。これにより、亀梨和也「Rain」のシングルCDセールス収束に伴うランクダウン同様、デジタルダウンロードの減少に伴い「まちがいさがし」がランクを下げることが想像が出来ます。
それにしても、そのチャートアクションが想起出来ながら、なぜストリーミングを解禁しなかったのでしょう。菅田将暉さんの前のシングルでCD化された「ロングホープ・フィリア」(2018)および、こちらもシングルCD化され昨年の年間ソングスチャートで9位にランクインした「さよならエレジー」(2018)はいずれも、デジタルダウンロードが先行されながらもシングルCDリリースと同週にストリーミングが解禁されています。
(上記2曲のビルボードジャパンCHART insightにおいてはわかりやすくするため、総合チャートおよびシングルCDセールス、デジタルダウンロード、ストリーミングの各指標のみを抜粋しています。)
ただし、今作はシングルCD化の予定がない模様。7月10日にリリースされるアルバム『LOVE』に収録され、アルバム発売と同時にストリーミング解禁されるかもしれません。
…と思ったのですが、前のアルバムを踏まえると疑問が。
上記は菅田将暉さんのファーストアルバム『PLAY』(2018)の配信限定バージョンですが、CDと内容が異なります。『PLAY』のCD版では11曲目に”米津玄師+菅田将暉”名義の「灰色と青」が入っていた(その前年にリリースされた米津玄師『BOOTLEG』にも収録されていた)のですが、配信版では割愛。本編最後の「茜色の夕日」の後、「さよならエレジー」のアコースティックバージョン含む3曲が追加収録されています。配信版が豪華仕様になることはまれに見られますが、本編を一部削ることを疑問に思いますし、ましてその削られた曲が米津玄師さん関連となると、最新チャートで2位に登場した「まちがいさがし」もストリーミング解禁されないのでは(それこそ米津玄師「Lemon」が未だにそうであるように)…と思うのは自分だけでしょうか。
亀梨和也「Rain」がデジタル解禁されず、また菅田将暉「まちがいさがし」がストリーミング解禁されない状況…前者の場合はCDレンタルという手段で”接触”は果たせても後者にその選択肢は皆無。”所有(売上)”と”接触”が共に配置されていることは音楽ファンへの選択肢が増えるという意味でユーザーフレンドリーであり、また”接触”がきちんと設定されているとポイント前週比も安定する傾向があるゆえ、Official髭男dism「Pretender」は次週この2曲を逆転する可能性が高いと思われます。