1990年代、R&Bに”ニュークラシックソウル”ムーブメントをもたらしたディアンジェロの名曲、「Brown Sugar」。
この曲をジャズ寄りなアプローチで用いたのが、当時インディに所属していたR&B界屈指の実力派、レデシーによる「Sugar / Brown Sugar」。
そして…そのバージョンのカバーに果敢に挑んだのが、今日紹介するR&B歌手、アンジー・フィッシャー。
かなり歌えますね。聴き終わった自分は思わずガッツポーズしたくらい。
ちなみにアンジー・フィッシャーのカバーは他にも。たとえばルイ・アームストロングの名曲をしっとりと。
そしてジャズのスタンダード、「Summertime」のしなやかさ。
彼女の実力は、デビュー曲「I.R.S.」(2014)がグラミー賞にノミネートされたことからして明らかです。
このアンジー・フィッシャーについて、以前取り上げたことがあります。
彼女のWikipedia(英語版)によると、先述したデビュー曲を含むファーストアルバム『Searching For Angie Fisher』が2016年にリリースされ、そこには先程の「Summertime」も収録される予定…でしたが、どうやらお蔵入りになってしまったようです。しかも、以前のブログでも書きましたが、アルバムのリリース元になるはずだったヒドゥン・ビーチの作品群は日本ではデジタルで手に入れることが出来ないため、シングルすら購入出来ない状況に途方に暮れたものでした。しかし。
Free and Liberated! All Smiles!! My life is changing before my eyes & I'm loving every bit of it!! Embrace every moment! #forward pic.twitter.com/vQBuwOgtjJ
— Angie Fisher (@angiesingss) March 20, 2017
一年半以上前のツイートが現段階で固定されている(トップに登場する)くらい、ヒドゥン・ビーチを離れたことは大きな喜びだったのでしょう。”Unsigned (レコード会社と契約していません)”という添付画像がその思いを強く示しているかのようです。
ヒドゥン・ビーチの作品は今でも手に入れられませんが、フリーになった彼女の作品は手に入るようになりました。アンジー・フィッシャーは今夏、シングル「Tragic」をリリース。
公式YouTubeアカウントも手に入れており、今後本格的に歌手活動を行うものとみられます。しかも今回の「Tragic」は、同じくR&B歌手のマーシャ・アンブロージアスが書き下ろしてくれた作品(→英語版記事)。舞台『Love Jones : The Musical』で共演したことがきっかけとのことで、実力派同士がつながっているのは嬉しいですし、また心機一転のタイミングでの書き下ろし曲提供は、R&Bファンにとって聴き逃し厳禁と言えるでしょう。
ちなみに、レゲエ歌手と思しきNomaD(読み方等不明です)の今年の作品にも客演のひとりとして参加し、力強い歌声を披露しています。
アンジー・フィッシャーが着実にステップを踏み、今度こそアルバムが出ることを心から願うばかりです。