米ビルボードシングルチャートを定点観測。 日本時間の火曜早朝に発表された、1月21日付最新チャート。前週首位に返り咲いたレイ・シュリマー feat. グッチ・メイン「Black Beatles」がわずか1週でその座を奪われることに。新たにトップに立ったのはミーゴス feat. リル・ウージー・ヴァート「Bad and Boujee」でした。
記事は下記に。
そしてトップ10はこちら。
先週曖昧なまま紹介してしまったのですが、「Bad and Boujee」についてはブログ記事アップ後まもなく、bmrがヒットの理由等について詳しく報じていましたので勝手ながら紹介させていただきます。
この“Bad and Boujee”ではサビの頭に登場する「Rain drops, drop top (drop top)…」(雨が滴る コンバーチブルに)という部分。12月頭になって、この部分を引用しつつ、続きを独自のリリックにしたツイートが面白いと話題になったことで注目を集め、「Rain drops, drop top」に続く面白いリリックをそれぞれ発表するという大喜利的な展開を見せたことでSNSを中心に流行し始めた。
日本でもたとえば匿名掲示板的な物言いのハッシュタグが爆発的に流行することがありますが、それに近いものかもとふと。そしてその流れで先週紹介したグリンチとのマッシュアップ等も生まれたのかもしれません。「Bad and Boujee」はストリーミングで前週比9%上昇し同部門を2週連続で制したほか、デジタルダウンロードも2位に上昇しています。
今週はマルーン5 feat. ケンドリック・ラマー「Don't Wanna Know」が最高位を更新(7位)、マシン・ガン・ケリーと元フィフス・ハーモニーのカミラ・カベロによる「Bad Things」がみたびトップ10に返り咲いたりという動きを見せ、また『Know-it-all』(2015)の来月の国内盤リリースが遂に決定したアレッシア・カーラ「Scars To Your Beautiful」が3ランクアップの12位に、初登場で6位を記録しながらも直後にトップ10圏外になってしまったゼインとテイラー・スウィフトによる「I Don't Wanna Live Forever (Fifty Shades Darker)」が映画の新たなトレーラー公開の影響で8ランク上昇して14位につけるなど、トップ20内の動きが慌ただしくなっています。
が、次週はさらなる嵐到来の予感が。それはエド・シーランの”帰還”。先週木曜にアナウンスした通り、翌金曜に「Shape Of You」そして「Castle On The Hill」の2曲を同時公開しており、その2曲が次週のチャートに高位置で登場すると見られているのです。
予定されている3作目のアルバム『÷ (Divide)』からの先行シングル。アルバムリリースは未定ですが、公開初日の米Spotifyでの再生数が新記録を樹立しました。
「Shape…」は6,868,642回、「Castle…」は6,168,395回という再生回数は、これまでのタイトルホルダーだったワン・ダイレクション「Drag Me Down」の持つ4,759,698回を大きく上回ることに。またデジタルダウンロードやストリーミングと集計期間が異なるラジオエアプレイでは「Shape」が公開後わずか3日間で2900万ものエアプレイを獲得し同部門41位につけました。ゆえに次週付での2曲同時トップ10入りも夢ではない気がします。
一方今週はじめて首位に立った「Bad and Boujee」にも追い風が。日本時間の昨日行われたゴールデングローブ賞にて、チャイルディッシュ・ガンビーノ名義で音楽活動を行う俳優のドナルド・グローヴァーが手掛け主演も務める作品『Atlanta』が作品賞ならびに主演男優賞を受賞。その際のドナルドのスピーチにおいて、『Atlanta』にゲスト出演したミーゴスへの賛辞が述べられたのです。詳細はこちらもbmrに掲載されています。
となると、逃げるミーゴス、追うエド・シーランという構図が次週のチャートのテーマかもしれませんね。