イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

米ソングスチャート、DJキャレド等による「I'm The One」がナンバーワンに

ビルボードソングスチャートを定点観測。

現地時間の5月8日月曜(日本時間の火曜早朝)に発表された、5月20日付最新チャート。先週ケンドリック・ラマー「Humble.」から首位の座を奪ったブルーノ・マーズ「That's What I Like」が早くも陥落。代わりに1位に上り詰めたのは、DJキャレド率いるオールスターによる作品、「I'm The One」でした。

記事は下記に。

そしてトップ10はこちら。

 

ブルーノ・マーズ「That's What I Like」は遂にラジオエアプレイでエド・シーラン「Shape Of You」に代わって首位の座を射止めたのですが、総合で2週連続の首位とはなりませんでした。米ビルボードソングスチャート史上28曲目となる初登場1位を果たした、DJキャレド feat. ジャスティン・ビーバー、クエヴォ、チャンス・ザ・ラッパー、リル・ウェイン「I'm The One」の勢いたるや...恥ずかしながら、個人的には完全ノーマークでした。

「I'm The One」の強さはなんといってもデジタルにあり。4月28日に発売等されたこの曲はデジタルダウンロードおよびストリーミングの2指標を制覇。デジタルダウンロードは171000、ストリーミングは5390万回という驚異的な数字を叩き出しています。エアプレイは3500万回で33位という数値ゆえ、デジタル2指標がカバーした形に。とはいえ既にこれだけの数値を出しているのはいい意味で意外です。

 

「I'm The One」の初登場首位獲得によって生まれた記録は様々。主なところを列記すると。

 

・初登場1位:28曲目であり、ヒップホップではエミネム「Not Afraid」(2010年5月22日付)以来。ジャスティン・ビーバーにおいては「What Do You Mean?」(2015年9月19日付)以来2曲目の記録で、複数曲を初登場で1位に送り出したのはマライア・キャリーブリトニー・スピアーズ(「3」「Hold It Against Me」)、に次いで3組目。マライアは唯一、3曲を送り出しています(「Fantasy」「One Sweet Day (with ボーイズIIメン)」「Honey」)。

 

・ビーバー、リル・ウェイン以外は初のNo.1:DJキャレドのこれまでの最高位はドレイクとリック・ロス、そして(今回も客演参加している)リル・ウェインを招いた「I'm The One」(2011)の10位。クエヴォはミーゴスのメンバーとしては「Bad And Boujee」で首位獲得済ですがソロとしてはトラヴィス・スコットと共にドレイクにフィーチャーされた「Portland」(2017)の9位が最高。そしてチャンス・ザ・ラッパーに至ってはこれまで、ジャスティン・ビーバーに招かれた「Confident」(2013)の41位が最高だったわけで、一気に最高位を更新した形に。

 

ジャスティン・ビーバー、アルバム『Purpose』以降の客演仕事で4曲目のトップ5入り:「What Do You Mean?」「Sorry」そして「Love Yourself」という3曲のNo.1ヒットを輩出した『Purpose』(2015)発表以降、客演仕事が飛び込むようになったジャスティン。そして出す曲出す曲大ヒットという流れが生まれています。今回この曲での1位をはじめ、MOと共に参加したメジャー・レイザー「Cold Water」(2位)、DJスネイク「Let Me Love You」(4位)、そしてこちらも現在ものすごく勢いがある、ルイス・フォンシ&ダディー・ヤンキーとの「Despacito」(3位)という4曲が客演仕事でトップ5入りを果たしています。

「Despacito」をみてみると、最新チャートにおいてデジタルダウンロードで10万を売り上げていますが、そのうち7割がジャスティン参加のリミックス版とのことですから、如何にジャスティン人気が高いかが解ります。ストリーミングでも4800万回、ラジオエアプレイでは18位ながら前週比30%もの大幅アップ。次の台風の目と言えるでしょう。

 

・5組参加曲での1位は史上初:4組でクレジットされた曲では2曲が1位を経験済。ピットブル feat. ニーヨ、アフロジャック、ネイヤー「Give Me Everything」(2011)、そしてクリスティーナ・アギレラリル・キム、マイヤ&ピンク「Lady Marmalade」(2001)。後者に関しては最後にほんの少しミッシー・エリオットが登場するので、仮にミッシーをクレジットに入れていれば...とふと。今更ですが。

 

・クエヴォ、グループ・ソロ共に同じ年に1位を獲得:クエヴォはミーゴスのメンバーとして「Bad And Boujee」で2017年1月21日付以降3週に渡って1位を獲得。同じ年にグループとソロ双方で首位を獲得したのはブラック・アイド・ピーズとウィル・アイ・アム。前者は「Imma Be」(2010年3月6日付)、後者はアッシャーに客演参加した「OMG」(2010年5月15日付)で達成。

 

 

…と、主だったところを並べてもとんでもない記録だということが解ります。とりわけジャスティン・ビーバーの人気たるや。無論、他のラッパーの力や人気もさることながら、ジャスティン様様なのかもしれません。

 

さて次週では、5月3日に公開されたエド・シーラン「Galway Girl」や5日に公開されたフューチャー「Mask Off」のミュージックビデオが丸々1週間分、ストリーミング部門に反映されます。少なからずチャートをかき回してくれることでしょう。