米ビルボードシングルチャートを定点観測。
日本時間の火曜早朝に発表された、8月6日付最新チャート。ドレイク feat. ウィズキッド&カイラ「One Dance」の10週天下から首位の座を奪ったのはシーア feat. ショーン・ポール「Cheap Thrills」でした。最新チャートについての詳細は下記をご参照ください(トップ10カウントダウン動画もあります)。
元々リアーナのために用意していたものの自ら歌うこととなったこの「Cheap Thrills」で、シーアにとっては歌手として初の1位獲得を果たしました(ソングライターとしては、そのリアーナに書いた「Diamonds」(共同名義)で2012年に首位獲得済)。
この「Cheap Thrills」に関する記録あれこれ。
・登場23週目にして1位を獲得。パティ・オースティンが(ジェイムス・イングラムとの)「Baby, Come To Me」(1983)で成し遂げたのと同じ、女性歌手による首位到達までの最長週数記録
・ラジオエアプレイ3位、ストリーミング6位そしてデジタルセールス2位。チャートを構成する主要3指標のどれかひとつでも1位を獲ることなく総合で首位に立ったのはリアーナ feat. ドレイク「Work」以来
・ショーン・ポールにとっては客演を含め4曲目の1位(「Get Busy」、「Temperature」そしてビヨンセとの「Baby Boy」)。今作で「Temperature」以来、10年4ヶ月ぶりの首位獲得
・40代以上の女性歌手での首位獲得は、シェール「Believe」(1999 当時52歳)、マドンナ「Music」(2000 当時42歳)以来。シーアは1975年12月18日生まれで現在40歳
各指標で「Cheap…」を上回った曲を見ると、ラジオエアプレイを制したのは2位に後退した「One Dance」。定額制音楽配信サービス(サブスクリプションサービス)に基づくオンデマンドソングスストリーミングチャートでは14週目の1位を獲得し、マックルモア&ライアン・ルイス feat. ウォンツ「Thrift Shop」の13週を破り同部門の新記録を樹立しました。
ストリーミング全体で見ると、「One Dance」は未だミュージックビデオ未制作ゆえ(YouTube等に公開されていないことから)、ストリーミング部門ではデザイナー「Panda」が首位に。この曲は14週目の同部門1位となり、マイリー・サイラス「Wrecking Ball」およびイギー・アゼリア feat. チャーリー・XCX「Fancy」の13週を破りこちらも新記録を達成しています。
そしてデジタルセールスを制したのはケイティ・ペリー「Rise」。テイラー・スウィフトを上回る11曲目の同部門首位を達成(ちなみにリアーナはその上をいく14曲)。先週弊ブログにて”次週の台風の目”と示唆していたのですが、「Rise」は総合で11位となりトップ10入りを逃しました。また同じく台風の目と書いたブリトニー・スピアーズ feat. G・イージー「Make Me...」は17位に初登場。こちらはデジタルセールス部門で3位を記録しています。
「Rise」も「Make Me...」も、決して悪くはない位置での初登場だとは思うのですが、こちらの期待値が高すぎたのかもしれず、またシーアの勢いが両曲を上回っていたため、若干霞んだ感は否めないかもしれません。
が、ビルボードでは上記2曲紹介記事の最後に(先週の記事で2曲を台風の目と書いたのと似たテイストで)、次週はメジャー・レイザー feat. ジャスティン・ビーバー&MØ「Cold Water」が高位置につけるかも...と書いています。注目してみようと思います。