SNSのフォロワーの方が紹介していた、SHINeeが地元韓国でリリースした新譜からの曲に驚かされました。
SHINee「View」(from『Odd』(2015) → iTunes Store)
ディスクロージャー以降のUKガラージを咀嚼し、よりポップに進化させたような曲。UKガラージほど音はドープではない分、より多くの方に親しまれそうな爽やかさがありますし、彼らの声にも合っている気がします。サビの繰り返しも心地良いですね。
UKガラージについては、下記リンク先に掲載された年表が非常に分かりやすいです。
・UKガラージの歴史【1995年~2014年】 | 洋楽とかMMAとか
現在の主流は”ディープハウス”。たしかにパイオニアたるディスクロージャーの存在は大きいですね。彼にいち早く取り上げられたサム・スミスは今年グラミー賞4冠を獲得するなど躍進しており先見の明に長けている印象が。また今やソウルの新女王の感すらあるメアリー・J・ブライジをリミックスで起用し、R&B歌手との相性の良さも見せてくれました。
そのディスクロージャー、今年新作を予定しているそうですが、そこからの先行曲で客演に招いたのは、なんとジャズ界の若き実力者、グレゴリー・ポーター。ジャズ歌手との相性はさすがにどうかなと思い再生してみると、イントロ聴いた瞬間にひれ伏してしまいました。格好良いの一言に尽きます。
グレゴリー・ポーターはメジャー第一弾(通算3枚目)となるアルバム『Liquid Spirit』(2013)で、2014年のグラミー賞ベストジャズボーカルアルバム賞を獲得した若手実力派。新作に期待が高まる中、ディスクロージャーとコラボするというのは良い意味で意外でした。
現在ではUKガラージのフォロワーがどんどん出現しておりその世界は深化を遂げつつありますが、パイオニアであるディスクロージャーはUKガラージ以外のジャンルから様々な歌い手を起用することで、UKガラージの裾野を広げようとしているのではないかと。ディープハウスはジャズ界にも知られていき、より市場を拡大していくでしょう。
またSHINeeの新譜は、韓国市場にUKガラージを伝える伝道師的役割を持ち合わせている...と考えるのは大袈裟でしょうか(とはいえソロ活動においてもUKガラージな曲をやっているそうです。先述したSNSのフォロワーの方より情報いただいています)。ちなみに「View」を手掛けたソングライターのロンドン・ノイズは過去にクリス・ブラウンのシングル「Turn Up The Music」にも参加した模様(プロデューサーチーム:London Noise(LDN Noise) - bounce(5月12日付)より)。中心的な役割なのかサポートなのかは定かではないものの、最新のトレンドをポップスに還流する動きは好いですね。
さて、あくまで自分が知らないだけかもしれませんが、日本の歌手でディープハウスを咀嚼してポップスとしてリリースしている方はどのくらいいるのでしょう。世界規模で流行している(しつつある)EDM以外の音もどんどん世に放ち、日本のヒットチャートに賑わせてほしいものです。