イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

【音楽数珠つなぎ】アビア~ロバート・グラスパー~グレッチェン・パーラト

音楽数珠つなぎ。

前記事のアビアに続き、ロバート・グラスパー(Robert Glasper)つながりで。

 

音楽ジャーナリストの林剛氏による先日のツイートが気になりました。

レッチェン・パーラト(Gretchen Parlato)は恥ずかしながら存じ上げなかったのですが、3作目となる『The Lost And Found』(2011)のジャケットを観るに、"ジャズ界のクリス智子"と、ラジオ好きな自分は勝手ながら好きなDJの名を拝借して形容した次第。少し和の薫りも漂うような顔立ちをしています。

 

アルバムのリンク先のタワレコの資料によれば、『コ・プロデューサーとしてロバート・グラスパーも参加しM10では、フェンダー・ローズをプレイ』とあります(一方、グレッチェンのWikipediaには『with associate producer, Robert Glasper』(プロデューサーの補佐的役割)と記載)。実際にはアルバムのクレジットを観ないと判断しかねますが、アルバム全体に関わっているという判断はできそうです。

 

肝心の音についてですが…林氏がリンクされていたのがコチラ。

・Gretchen Parlato「Circling」(from 『The Lost And Found』(2011))

レッチェン自身のソングライトであるこの曲。曲そのものも無論素晴らしいですが、R&Bファンにとってはイントロのコード進行からしマイケル・ジャクソン(Michael Jackson)の名曲「I Can't Help It」を(薄くながら)想起させるに十分で、こういうアレンジの妙に思わずニヤリとしてしまいます。このアイデアの源流がロバート・グラスパーならば、その仕事に心から感謝申し上げたいくらい、なのです(大袈裟かもですが、それくらい"「I Can't Help It」使い"は大好物でして)。

 

そしてこちらはMJならぬMJB…メアリー・J・ブライジ(Mary J. Blige)のカヴァー。

・Gretchen Parlato「All That I Can Say」(from 『The Lost And Found』(2011))

オリジナルは当時のメアリーにとっては新機軸といえるローリン・ヒル(Lauryn Hill)作品。ベースラインがやや強調されつつも同時にウワモノのキラキラ感がドリーミーな感覚を抱かせてくれる、不思議ながら幸福感に溢れた曲。ジャズカヴァーではウワモノ感がピアノのみになるわけですがこちらも非常に心地よく、オリジナルに負けていない感じがします。

 

この2曲だけでも、今更ながらですが個人的には"買い!"と実感しています。さらには、『シンプリー・レッドの大名曲「Holding Back The Years」』『ウェイン・ショーターの「Juju」は自身が作詞した歌詞を載せてカヴァー』(いずれもタワレコの資料より)という興味をそそる曲に溢れていて、近々必ず手に入れたい一枚になりました。林氏の紹介に、心から感謝します。

 

 

近いうちに、クリス智子さんの番組(J-WAVE『ATELIER NOVA(アトリエ・ノヴァ)』)にリクエストしてみようかな。こういう曲が本当に似合う、土曜の昼にやさしく寄り添ってくれる聴き心地の好い番組。まるでグレッチェンの歌声のよう、なので。