昨夜のTwitterでの『FNS歌謡祭』(フジテレビ系)の盛り上がり、話題の共有度の高さには驚かされました。(産業としての)音楽業界そのものや音楽番組の衰退が言われる中でこれだけ盛り上がるのは凄いことですよね。ネットとの親和性が高いということも示しているでしょうが、音楽コンテンツは強力であるということを証明したのでは…と思うのは大袈裟でしょうか。ちなみに自分が住む青森県南津軽ではフジテレビ系が観られないため、"FNS歌謡祭"を味わったのは同日の『笑っていいとも!』のプチ歌謡祭だけでしたが(それも、『いいとも!』自体の放送が16時台という)。
あくまでフォロワーの方の反応のみですが、あまり芳しくなかったらしいのが浜崎あゆみ。それも"喉"。しかしこれは数年前から言われているらしく(彼女の大ファンである複数の方から聞いてます)、無論喉も大事ですが彼女の場合はテレビで"どう魅せたか"が気になります。その部分の評価が知りたいところ。
自分の中で浜崎あゆみといえば、この曲。そしてこの曲こそ実は、"ゴスペル"をもっとも上手く咀嚼して生まれた邦楽といえるのでは、とも。
彼女のファンでも一般的な音楽ファンからも、この曲は"異質"と考えられていると聞きます。つまりは、彼女のアップナンバーのみならず邦楽のそれにおいても珍しいタイプの曲。しかしながら、アレンジの【コーラスのクワイア的厚さ且つ熱さ】そして彼女自身による歌詞の【至極前向きな歌詞】、これら2点において、ゴスペルの風格に溢れる曲だなと実感しています。
自分は一時期ゴスペルクワイアに所属していて、ライヴも観たり経験して、ゴスペルを肌で触れた経験があるのですが、そこでゴスペルとは歌唱の力強さ、神様を賛美する曲であると同時に、バックボーンに神様の存在があることで前向きに進むことができるという心の拠り所や支えでもあると(あくまで個人的ながらそう)最終的に解釈しています。この曲には"God"や"Lord"は出てこないですし、また彼女の声は本場ゴスペルのそれとは異なりますが、何かをはじめよう!という心の起爆剤に成りうる、そして心を直接動かすグルーヴに溢れている曲なんじゃないかな、と。
彼女の最初期ほどの声の力はないかもですが(それこそおそらくは昨日のTwitterで指摘されているものと同じ声では?)、またアレンジはオリジナルとは異なりますが、魅せる、そして楽しませてくれるという点では昨年のライヴ映像が実に格好良いです。
・浜崎あゆみ「Bold & Delicious (from "Power Of Music 2011")」
ちなみに、ゴスペル的(歌唱やアレンジ等)な音楽を"ゴスペリック"と呼ぶのを、たまにですが見かけます。しかしながらネットで辞書検索しても、"ゴスペリック(もしくはgospelic/gospellic)"は出てこないんですよね…どなたか用法ご存知の方がいらっしゃいましたら、教えていただけたなら嬉しいです。