イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

星野源、『POP VIRUS』リリース直前のマーケティングの凄さに痺れる

明後日19日、いよいよリリースされる星野源さんのニューアルバム『POP VIRUS』。

このアルバムのリリース直前の1週間の動きが素晴らしいのでメモ。

・12月12日(水) 『FNS歌謡祭 第2夜』(フジテレビ)出演、「Pop Virus」披露

 →同日夜、「Pop Virus」ミュージックビデオ公開

・12月14日(金) NHK大河ドラマ『いだてん ~東京オリムピック噺~』への出演が発表、同日記者会見

・12月17日(月) 出演するNTTdocomoで今日からOAされる新しいテレビCMにて、アルバム収録曲「サピエンス」が使用

・12月19日(水) 『SPARK』(J-WAVE)にてナビゲーターを担当(12/26(水)も)

音楽賞やテレビ(番組内パフォーマンスや長尺CM)で初解禁してからのミュージックビデオ解禁や配信開始という流れは、アメリカで見られる手法であり、「Pop Virus」における『FNS歌謡祭 第2夜』披露からのミュージックビデオ解禁という流れはそれを思わせます。

そして巧いのは、曲名をつぶやけばそれがそのままアルバム名の訴求になるということ(逆もまた然り)。また、ビルボードジャパンソングスチャートにおける「Pop Virus」のTwitter指標上昇にも繋がるわけです。

 

尤も、『いだてん』出演者発表のタイミングは事務所側が意図したところにはなく、偶然にもアルバムリリース直前だったのでしょうが、それすら事務所側が仕掛けたのか思えるくらい絶妙でありそして絶好。それだけ、星野源さん側のマーケティングが素晴らしいということです。

アルバムからの先行曲である「アイデア」が、未CD化作品ながら2週連続でビルボードジャパンソングスチャートを制覇したことで、星野源さん側がマーケティングに自信を持てているように思います。

星野源さんのマーケティングから、他の歌手が学べることはたくさんあるはずです。

 

 

ちなみに。昨日のラジオ番組『わがままWAVE It's Cool!』(FMアップルウェーブ 日曜17時)で今年下半期のヒット曲特集をした際、リスナーの方から今年の星野源さんは不作では?というメッセージをいただきましたが、たとえばビルボードソングスチャートでは「ドラえもん」「アイデア」の2曲が首位を獲得しています。「恋」が特大ヒット過ぎるゆえにそう見られかねないという話に収まりましたが、今の邦楽のオリジナルアルバムリリースタイミングが2~3年に1作品であること、ビルボードジャパンソングスチャートの存在等、周知が足りていないことを痛感。チャート等をチェックしたりしてアンテナを磨き続けましょうと言いたいのと同時に、チャート等を発信したり紹介する側がもっと影響力持たないと…と過去のエントリーも踏まえ再認識させられた次第です。