イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

米シングルチャート、「Starboy」が遂に首位奪取

ビルボードシングルチャートを定点観測。祝日の関係上一日遅れて日本時間の水曜早朝に発表された、1月7日付最新チャート。レイ・シュリマー feat. グッチ・メイン「Black Beatles」などに阻まれ続けた、ザ・ウィークエンド feat. ダフト・パンク「Starboy」が遂に首位を奪取しました。最新チャートについての詳細は下記をご参照ください(トップ10カウントダウン動画もあります)。

前週の段階で、「Starboy」の主要3指標(デジタルダウンロード、ストリーミングおよびラジオエアプレイ)が全て下降に転じたため、『もはや首位奪取は難しいと言える』と先週書いたのですが…予想は外れに外れまくりで恥ずかしい限りです。とはいえ苦節14週目、8週もの2位を経験した中でようやく浮上出来たのは何より本人たちが安堵したことでしょう。

この「Starboy」を押し上げた要因は、デジタルダウンロードの復調。前週比28,000アップの86,000ダウンロードを記録し同部門で初の1位を獲得しました。これは集計期間(12月16日~22日)の一週間、この曲を69セントという安価で販売するという戦略が功を奏したため。なるほどこういう方法もあるのかと。他指標ではわずかながら数字を落としており、テコ入れ策が見事に的中しています。

ちなみにこの「Starboy」で、ザ・ウィークエンドは「Can't Feel My Face」「The Hills」(共に2015)に次ぐ3曲目の1位に。客演参加のダフト・パンクにとっては初のチャートイン(「Around The World」(1997 最高61位)から19年の時を経て初の1位を獲得したことに。なお、ダフト・パンクは、自身の「Harder, Better, Faster, Stronger」(2001)をサンプリングしたカニエ・ウェスト「Stronger」が首位を獲得したことにより、既にソングライターとして1位を獲得済です。

 

さて、問題はこの「Starboy」が安価ダウンロード販売を終わらせた後もトップを維持出来るか、ということ…この点においては既に次のシングルを待機させ、うまくバトンタッチ出来るように動いているようです。そのシングル、同じくダフト・パンクをフィーチャーした「I Feel It Coming」は前週から8ランク上昇し25位につけています。ストリーミングでは下降しているものの、デジタルダウンロードおよびラジオエアプレイは大きく上昇しており、ラジオエアプレイでは既に23位にランクイン。これは期待できるのではないでしょうか。

 

ちなみに「Starboy」に首位を明け渡した「Black Beatles」ですが、そこまで大きく後退しているというわけではなく、ストリーミング(前週比10%ダウン)、ラジオエアプレイ(同1%ダウン)は下降しているものの、デジタルダウンロードは前週比2%上昇に転じているのです。”マネキンチャレンジ”のブームが落ち着いているものとは思いますが、未だ曲の人気は根強いことが証明されたように思います。

 

トップ10には再浮上が2曲。ドレイク「Fake Love」は2ランク上昇し10位へ。7週ぶりのトップ10復帰を果たしました。特に定額制音楽配信サービス(サブスクリプションサービス)に基づくオンデマンドソングスストリーミングチャートでは前週10位から一気に首位に立ち、現代の音楽の接し方とドレイクとの相性の好さを示しているようです。

そのドレイク、今週41位に自身が客演参加したグッチ・メインの「Both」がランクインしたことにより、トップ100に132曲目のエントリーを果たしたことに。これは同じくラッパーのリル・ウェインにならぶ歴代2位の記録なのです。ちなみに上位はこのように。

●最もトップ100内にランクインした歌手(1958年8月4日付以降)

1位 グリー・キャスト (207曲)

2位 ドレイク、リル・ウェイン (132曲)

4位 エルヴィス・プレスリー (108曲)

5位 ジェームス・ブラウン (91曲)

6位 ジェイ・Z (86曲)

7位 クリス・ブラウン (82曲)

8位 カニエ・ウェスト (80曲)

9位 レイ・チャールズ (75曲)

10位 アレサ・フランクリン (73曲)

11位 ザ・ビートルズ (71曲)

12位 ニッキー・ミナージュ、テイラー・スウィフト (70曲)

Drake Ties Lil Wayne for Most Hot 100 Hits Among Soloists | Billboard(12月27日付)より

ラッパーは客演参加し易いため記録を作りやすいのかもしれませんが、それでもこの記録はすごいの一言。そしてグリー・キャストの総数たるや。このチャートもまた注目ですね。

 

9位に再浮上したのはマシンガン・ケリー feat. カミラ・カベロ「Bad Things」(前週14位)。この再浮上は、フィフス・ハーモニーからカミラが脱退したことが今月19日に発表されたことがきっかけ。

主要3指標が全て前週比10%以上の浮上というのですから、何が(再)浮上のきっかけになるか解らないですね。

 

 

もうすぐトップ10として米ビルボードが紹介しているのは、以前も紹介したアミーネ「Caroline」(16→11位)の他にこちら。

・13位 ミーゴス feat. リル・ウージー・ヴァート「Bad and Boujee」(前週16位)

・19位 ヤング・エムエー「OOOUUU」(前週47位)

・20位 リアーナ「Love On The Brain」(前週27位)

新鋭のラッパーがきちんとチャートに登場するというのは、アメリカの嗅覚の鋭さ、鈍くなさを示しているようで羨ましくなります。

ジョージ・マイケル、クリスマスに旅立つ

毎週火曜日は米ビルボードシングルチャートの速報を掲載する日ですが、現地時間の月曜日が祝日のため速報は明日のブログで掲載します。

 

 

ジョージ・マイケルの訃報はショックでした。まだ53歳…若過ぎる死です。

事件性はなく、死因は心不全と発表されています。

 

正直なところ自分はそこまで深くジョージ・マイケルを知ってはいませんでした。が、訃報が入った直後のラジオ番組を聴いて、そういえばたしかに彼はブラックミュージックに精通していたんだよなあと、昨日の『ジェーン・スー 生活は踊る』(TBSラジオ 月-金曜11時)の冒頭におけるジェーン・スーさんと音楽ジャーナリストの高橋芳朗さんとのやりとりから解りました。書き起こしは下記に。

ワム!のジョージ・マイケルさん死去。彼が本物のソウルシンガーであった証とは?|TBSラジオAM954+FM90.5~聞けば、見えてくる~

 

自分がジョージの訃報を知って真っ先に思い出したのが、カバー曲の「As」。”クイーン・オブ・ヒップホップ・ソウル”の異名を持つメアリー・J・ブライジとの共演でした。

オリジナルはスティーヴィー・ワンダー

スタイリッシュでありながら、確かな”黒さ”があるカバー。黒さがないと”クイーン…”との共演なんて出来るはずもないよなあとあらためて実感した次第です。更には”クイーン・オブ・ソウル”ことアレサ・フランクリンとの共演も果たしており、ラジオで言及されたとおり、ブラックミュージックにおいて認められた存在だったんですよね。

上記動画を確認していたら、次に流れてきたのがホイットニー・ヒューストンとの共演曲。元来はホイットニーのソロだったものですが、デュエット化することで、同曲プロデュースしたロドニー・ジャーキンスの別の大ヒット曲(ブランディ&モニカ「The Boy Is Mine」)を彷彿させるよなあ…と当時悪い意味で思っていた自分にとっては、もう少し早くこの曲を評価していたならば…と悔やまれてなりません。

 

 

今日は彼のベストを聴いて、感慨に浸ろうと思います。ご冥福をお祈りします。来年は彼のいないクリスマスなのですね…。

ゴスペルヒットの決定版『WOW Gospel 2017』トラックリストが公開

アメリカのこの1年間のゴスペルヒットが満載のコンピレーション、『WOW Gospel』シリーズの最新2017年版のCDおよびDVDが来年1月リリースされます。既にトラックリストが発表されていましたので、CDのトラックリストを下記に記載します。 

2017年1月27日発売『WOW Gospel 2017』

CDトラックリスト

※ランキングは米ビルボード、ホットゴスペルソングスチャートの2015年度、および2016年度年間チャートの順位を記載

 

(Disc-1)

01. Hezekiah Walker「Better」(→YouTube 2016年度7位)

02. Israel & New Breed feat. Tye Tribbett「Chasing Me Down」(→YouTube 2016年度35位)

03. Kirk Franklin「Wanna Be Happy?」(→YouTube 2015年度7位 2016年度1位)

04. VaShawn Mitchell「Joy」(→YouTube)

05. Tim Bowman Jr「I'm Good」(→YouTube 2015年度29位 2016年度12位)

06. Jonathan McReynolds「Pressure」(→YouTube 2015年度48位)

07. Smokie Norful「Run Run」

08. Bri (Briana Babineaux)「I'll Be The One」(→YouTube 2016年度32位)

09. Erica Campbell「The Question」

10. Todd Dulaney「The Anthem」(→YouTube 2016年度10位)

11. Tye Tribbett「Overcome」

12. Casey J「I'm Yours」(→YouTube 2015年度43位 2016年度11位)

13. Deon Kipping「Place Called Victory」(→YouTube)

14. Fred Hammond「Father Jesus Spirit (Live)」(→YouTube 2016年度41位)

15. Tamela Mann「One Way」(2016年度31位

 

(Disc-2)

01. William Murphy「Arise (You Are Good)」(→YouTube 2016年度30位)

02. Ricky Dillard & New G「Celebrate The King」

03. Jason Nelson「Way Maker」(→YouTube)

04. Marvin Sapp「Live」(→YouTube 2016年度18位)

05. Travis Greene「Made A Way」(→YouTube 2016年度4位)

06. William McDowell「Send The Rain」(→YouTube 2015年度27位)

07. Jekalyn Carr「You're Bigger」(→YouTube 2016年度8位)

08. Anthony Brown & group therAPy「Worth」(→YouTube 2015年度4位 2016年度3位)

09. Brian Courtney Wilson「I'll Just Say Yes」(→YouTube 2016年度22位)

10. Tasha Cobbs feat. Kierra Sheard「Put A Praise On It」(→YouTube 2016年度2位)

11. Charles Jenkins & Fellowship Chicago feat. Byron Cage「Just To Know Him」(→YouTube 2016年度37位)

12. Donnie McClurkin「Stand (Live)」(→YouTube)

13. Shirley Caesar feat. Anthony Hamilton「It's Alright, It's Ok」(→YouTube 2016年度14位)

14. Richard Smallwood「You Brought Me」

15. Myron Butler & Levi「Best Praise」(→YouTube)

 2016年度年間チャートトップ10からは7曲が収録。外れた3曲はいずれも歌手が重複(Kirk Franklin feat. Pharrell Williams「123 Victory」(ファレル不参加のオリジナル版→YouTube 年間5位)、Travis Greene「Intentional」(→YouTube 年間6位)およびWilliam McDowell feat. Trinity Anderson「Spirit Break Out」(→YouTube 年間9位)していますが、「Intentional」のみ『WOW Gospel 2016』に収録済であるため、残り2曲はおそらく次回収録されるでしょう。個人的には、カーク・フランクリンのファレル参加版リミックスは配信ではなくフィジカルで欲しいと思っているため、次回『WOW Gospel 2018』での収録を激しく期待したいところです。

 

今作で秀逸なのは、チャート上でも評価されているティム・ボウマンJr「I'm Good」が収録されている点でしょうか。彼のアルバムについては音楽評論家の林剛氏も高く評価しています。

(勝手ながら取り上げさせていただきました。問題があれば削除させていただきます。)

リオン・ウェア作某曲というのは、ジャクソン5でおなじみの「I Wanna Be Where You Are」を、ズレーマがカバーしたバージョン(1975)。ソウルクラシックを一捻り加えたカバーを用いるロドニー・ジャーキンスの洒落っ気は見事ですね。このアプローチ、RHYMESTERが「The Choice Is Yours」(2012)において、ジャクソン・シスターズでおなじみの「I Believe In Miracles」のオリジナルであるマーク・カパーニ版を用いた…みたいなものでしょうか(ちょっと違いますが)。

 

というわけで今作は、チャート上位作品をきちんと収録しているという点においても、またR&B好きな人にもお勧め出来る…そんな『WOW Gospel』最新版です。是非手にとってみてください。 

壮大な歌詞にも説得力を帯びさせるSMAPの凄さ

自分がスタッフの一員を担当しているラジオ番組、『わがままWAVE It's Cool!』(FMアップルウェーブ 日曜17時。サイマル放送でも聴くことが出来ます)。年内最後となる今日放送の音楽テーマ(今週のおすすめ)は【SMAP】です。番組では通常、年内最後の音楽特集は番組で月ごとにお送りしているエンディング曲をかけながら一年を振り返るというものでしたが、今年は翌日の『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)でSMAPとしての姿が見納めとなってしまうことを踏まえ、エンディング曲集を前倒ししてこのテーマを用意した次第。

 

さて、先週DJを担当していたあやかさんも番組内で触れていたのですが、あやかさんそして自分が最も好きなSMAPの曲は「Fly」なのです。先週リリースし大ヒットを記録中のベストアルバムには未収録(『Smap Vest』には収録済)のシングルで、この曲についてはこのブログで何度か触れています。

作曲した野戸久嗣さんは、ソロのみならずバンドの一員であるUhVanNoiz(アーバンノイズ)でもこの曲を演奏。特に野戸さんのソウルフルな歌唱はやはりゴスペル仕込みであると唸らされます。

(ソロバージョンは上記エントリー内にて動画を紹介しています。)

以前も書きましたが、自分はこの曲を作った野戸さんがゴスペル畑の方ゆえこの曲の持つゴスペル的壮大なテーマを自然に理解出来るのですが、野戸さんの出自やそもそもゴスペルとは何かがよく解らない方にはもしかしたら「Fly」の歌詞が大袈裟だと思われてもおかしくないのでは?とふと。自分の場合、その感覚を同じくSMAPの大ヒット曲「Dear WOMAN」に抱き続けていました。

しかしこの違和感について、RHYMESTER宇多丸さんが自身のラジオ番組で解説していたのを聴いてめちゃめちゃ腑に落ちたのでした。番組の書き起こしを勝手ながら紹介させていただきます。

"普通にかっこいい"彼らが歌う故、アイドル冬の時代を経て国民的アイドルになったゆえに、大袈裟に捉えられかねない歌詞に説得力が帯び、それでいていやらしさがないというのは、ある種奇跡的なことだと思います。ゴスペル(的な曲)については野戸さんのようなパワフルな歌唱が映えますし、そもそもSMAPの歌唱力は他のアイドルと比べてもどうなのかなと思ってしまうのは正直否めないのですが、それでもすんなり入り込めるのはSMAPのみが持ち合わせている”国民的アイドル”ゆえなんですよね(国民的ヒーローと言い換えてもいいでしょう)。宇多丸さんのコメントを聴いてはじめて、自分の中で「Dear WOMAN」がすんなり入り込めるようになりました。

 

SMAP…あらためて稀有なグループだったように思います。今日の放送、SMAP愛を込めてお送りしようと思います。

"音楽業界の今"を桑田・長渕両氏はどう受け止めたか

昨日放送の『MUSIC STATION SUPER LIVE 2016』(テレビ朝日系)の大トリを飾ったのが桑田佳祐「ヨシ子さん」というのがなんだか妙に痛快でした。

この「ヨシ子さん」については、音楽ジャーナリストの高橋芳朗さんの解説などを踏まえつつ、以前記載したことがあります。

今のトレンドなんて分からん!と歌いつつ実は(リリース当時)最先端だったレゲエテイストを踏襲というのは流石でした。そして昨日はパフォーマンス中に幾度となく"素晴らしいパフォーマンスをありがとう"と、全ての歌手を称え労う言葉も添えていました。この言葉、今年も自身のラジオ番組『桑田佳祐のやさしい夜遊び』(TOKYO FM / JFN系 土曜23時)で"2016年邦楽シングル・ベスト20"を選出した桑田さんだからこそものすごく説得力がありましたね。邦楽を広く愛する桑田さんの思いを実感した次第です。

 

実は、長尺の音楽番組、今の音楽業界そして桑田さん…で思い出したのが、今月7日の『2016FNS歌謡祭 第1夜』に登場した長渕剛さんによる「乾杯」でした。どんな内容だったのかはバナナマンがラジオ番組で取り上げていますのでそちらを読んでいただければお分かりになるかと。

(勝手ながら引用させていただきました。問題があれば削除させていただきます。)

こちらではフジテレビ系の放送局がないためリアルタイムで聴くことが出来なかったのですが、SNSを介してざわつく声が聞こえてきたのを覚えています。

 

この長渕さんのパフォーマンスには、フォークソング全盛の時代にあふれていた怒りという感情が込められていたのは確かですが、テロップとして表記されている段階で既に予定調和ではないかと興ざめしてしまった方が多いとも聞きます。まして、メディア非難(この内容自体は同調すること多いですが)を、メディアど真ん中のテレビで行うのは意義あれどなんだか違和感が残るのです。

そしてなにより、【歌の安売りするのも止めろ】【日本から歌が消えていく】【騙されねぇぜヒットチャートランキング】という言葉にははっきりいって納得出来ない自分がいるのが事実。ひとつの大ヒットから派生曲が生まれたり形式的なJ-Popが生まれている点では同意出来なくないとしても、その中にあって今年も数多くの素晴らしい楽曲が生まれ、人々の心に残り未来に歌い継がれていきます。ヒットチャートにおいてもビルボードジャパンのような複合指標が浸透することで好い曲がより残りやすい(チャートの上位を維持する)形が見える化しています。果たして長渕さんは、これらをちゃんと見ているのか、いやそもそも見ようとしていないのではないか?と思うのです。まさしく”33歳までに音楽的嗜好が固まる”という研究結果から思ったこと(2015年5月20日付)で書いた違和感を長渕さんに強く感じてしまいます。

また、形式的なJ-Pop…それこそ長渕さんの言葉を借りれば"安売りされた歌"が売れていたとして、その売上をもってレコード会社は次の有能な才能育成に回していくわけで、必ずしも"安売りされた歌"が絶対悪ではないはず。なによりその歌を購入した人までも、間接的ながら長渕さんは罵倒したことになるのではないかと考えざるを得ません。売上面での貢献でいえば、長渕さんは今年リリースの作品がライブアルバム1作品のみでシングルはないわけですから、安売りなどと他者を咎めるよりもまずは長渕さん自身が見本となるような曲を作り、実際にリリースして、自身の素晴らしい新曲で説得させて欲しいと思うのです。そしてその曲を売ることで、レコード会社も潤し、次の才能を育成する資金を調達したほうが遥かに有益ではないかと思いますし、長渕さんならきっとそれが出来ると思うのです。それゆえ、ただただ非難に勤しむ姿を知って悲しくなったことを記させていただきます。

 

 

桑田さんと長渕さん…四半世紀前に犬猿の仲と言われた二人が実は同じような"今のポップスの流行"をきっかけに曲を紡ぎ出していた2016年。しかしその辿り着いた先は正反対でしたね。個人的には、桑田さんの姿勢を強く支持します。

 

 

ちなみに。桑田さんも世を憂う歌(特に政治非難的なもの)を送り出していることがあり、そういう"非難ソング"には誰が作った曲であれ辟易するのもまた自分の中にある素直な感情だったりします。特に政治において、政治の体たらくを非難する人が多いのは理解出来ても、最低限の政治行動たる投票を放棄している人が多い以上、政治が市井を舐める(特に投票率の低い若者への政策を軽視する)ことが続くのは自然なことかもしれず、ゆえにそこに"非難ソング"を投下したところでより投票放棄を招き、投票率が低下して何も変わらないどころかより悪くなっていくだけではないかと思わざるを得ません。ならば投票率を上げるために(それが形式的なものであったとしても)市井に呼びかけることことこそまず必要でしょうに、そういう"奮い立たせソング"をほとんど見聴きしたことがないのが非常に残念でなりません。

今自分が思い出せる唯一の"奮い立たせソング"を紹介させていただきますので、桑田さんも長渕さんも、そして多くの歌手のみなさんも"奮い立たせソング"を書いていただきたいと強く思います。

RHYMESTER「The Choice Is Yours」(2012)

昭和あるあるクリスマス

昨日の『ゴゴナビ!!』(FMアップルウェーブ 月-金曜13時)の中で、"昔のクリスマスの定番といえばバタークリームのケーキ"というリスナーからのメッセージが紹介されていたのを聴いて激しく納得してしまったアラフォーの自分です。生クリームと違って新鮮味のないクリーム、硬いスポンジ、そしてチェリーに似せた甘ったるい何か(何なのかは判りかねたまま)…昭和あるあるだよなあと思ってしまいました。

 

さて、そんな昭和のクリスマスにお勧めしたい曲がこちらのCD。その名も、『昭和クリスマス~What A Fantastic Night!~』。文字通り昭和を代表する歌手によるクリスマスナンバーが多数収められた、2009年編纂のコンピレーションです。

Amazonでは一部聴取可能。内容紹介を見ると、昭和28~47年の作品とのことですのでさすがの自分も生まれてはいないんですよね。

個人的にこのCDの白眉を挙げるならば、11曲もの初CD化曲(当時)もあれど、今年メディアに登場する機会が増えた弘田三枝子さんによる2曲でしょうか。特に「ジングル・ベル」での堂々とした歌いっぷり! 歌の巧さ、ダイナミックさは海外歌手に引けを取らないのではないかと唸らされます。この「ジングル・ベル」の発表と同じ昭和40年の『NHK紅白歌合戦』の映像がありましたのでこっそりと引用させていただきます。

今の時代で彼女ほどのパワフルさを持ち合わせた歌手はどのくらいいらっしゃるのでしょう? その意味では、今年の紅白における島津亜矢さんがその位置付けかもしれませんね。

 

 

さて、先述したバタークリームケーキですが、こんな記事がありました。

記事には、写真が掲載されたケーキの販売元であるロリアンのリンクも。もう少し前に知っていたならば取り寄せたかったなあと。味が激的に進化しているそうなので、ぜひ一度食べてみたいと思っています。

そして昨日のラジオで言っていた"チェリーに似せた甘ったるい何か"の正体は、どうやらドレンチェリーとのこと。勉強になりました。

2016年下半期 私的邦楽ベストを選んでみた

個人的な趣味ながら、毎年上半期と下半期、そして年間を通して邦楽のベストソング集を選出しています。というわけで、上半期に続き今回も選んでみました。

<2016年下半期 私的邦楽ベスト (2016年12月21日作成)>

 

◯ 作成時のルール

 ・今年下半期に発売されたシングル、またはアルバムからの先行配信曲で、基本的にミュージックビデオが制作された曲から選出(ただし一部例外有り)

 ・1組の歌手につき1曲、ただし主演と客演は別とする

 ・1枚のCD-R(80分弱)に収まるように編集、歌手名の前の数字はトラックNo.であり順位ではない

YouTubeにミュージックビデオが掲載されている曲はYouTubeより引用、弊ブログで言及している曲にはブログのリンクを掲載

 

01.KIRINJI feat. RHYMESTER「The Great Journey」(→ブログ)

02.三浦大知「(RE)PLAY」

03.サカナクション「多分、風。」

04.中田ヤスタカ feat. 米津玄師「NANIMONO」

05.宇多田ヒカル feat. 椎名林檎「二時間だけのバカンス」

06.Kan Sano feat. 七尾旅人「C'est la vie」(→ブログ)

07.bonobos「Cruisin' Cruisin'」(→ブログ)

08.Especia「Rittenhouse Square」(→ブログ)

09.向井太一「SLOW DOWN」(→ブログ)

10.Negicco「矛盾、はじめました。」

11.Da-iCE「恋ごころ」

12.The Gospellers「Recycle Love」

13.DAOKO「BANG!」(→ブログ)

14.早見優「溶けるようにkiss me」(→ブログ)

15.冨田ラボ feat. 高城晶平「ふたりは空気の底に」

16.星野源「恋」(→ブログ)

17.満島ひかり「ファイト!」

 

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満島ひかりさんのみ、中島みゆきさんのトリビュートライブアルバム『歌縁- 中島みゆき RESPECT LIVE 2015 -』収録の非シングル曲ですが、女優としても歌手としても見事な仕上がりで、ただただ圧倒されるばかり。『トットてれび』(2016 NHK総合)も素晴らしかったことですし、今更ながら彼女を『NHK紅白歌合戦』に出してもよかったのでは?と考えています。

 

満島さん以外は基本的に自分の好きな歌手ばかりで、新規開拓に乏しいなと痛感した一方、好きな方がきちんと結果を残していることに嬉しくなった次第。そんな中でDAOKO「BANG!」のファレル・ウィリアムス「Happy」咀嚼力の高さと彼女の可愛らしさとの融合にはニヤリ。それにしても、「Happy」関連だけでミックスCD出来るくらいの曲はリリースされているはずです。以前書いた関連作品についてはファレル・ウィリアムス「Happy」が影響を与えた曲、ミニプレイリスト(2015年6月8日付)などを参照してください。

 

 

上半期、そして今日選んだ曲の中から年内に年間ベストを選んでみようと思います。