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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

3週連続で首位交代、新たな首位曲も"仕掛け"が効いた9月7日付米ソングスチャートをチェック

ビルボードソングスチャート速報。現地時間の9月2日月曜が祝日のため翌3日に発表された、9月7日付最新ソングスチャート。ビリー・アイリッシュ「Bad Guy」から首位の座を奪ったショーン・メンデス&カミラ・カベロ「Señorita」が1週で陥落。新たな1位はリゾ「Truth Hurts」が獲得しました。

 

今週のアルバムチャートではテイラー・スウィフト『Lover』が今年最高となる867000ユニットを獲得し首位に。

またテイラーのみならずショーン・メンデス&カミラ・カベロやリゾも先週月曜(日本時間火曜)に開催されたMTVビデオ・ミュージック・アワードでパフォーマンスを披露。これらがどう影響するかが見どころとなっていました。

前週首位を獲得したショーン・メンデス&カミラ・カベロ「Señorita」は"いつキスするの?"と焦らすかのようなパフォーマンスで魅了。

この影響で、前週より総合で2%上昇していますが2位に後退。

またテイラー・スウィフトは今年のMTVビデオ・ミュージック・アワードでオープニングアクトとして「You Need To Calm Down」および最新シングル「Lover」を披露。

「You Need To Calm Down」は10ランクアップの4位でトップ10再エントリー、「Lover」が9ランクアップの10位に入り2曲同時トップ10入り。ストリーミングは「You Need To Calm Down」が前週比49%アップの2460万(同9位)、「Lover」が同81%アップの2910万(同指標7位)となり、またラジオエアプレイは「You Need To Calm Down」が前週比2%ダウンしながらも5270万を獲得(同指標12位)。集計期間の前日に「Lover」のミュージックビデオが公開されたことで同曲のストリーミングが伸びた影響もありますが、しかしながら突出した指標がなかったと言えるかもしれません。

とはいえテイラー・スウィフトは「Lover」が通算25曲目となるトップ10入りとなり、エルヴィス・プレスリーの記録に並びました(ただし米ビルボードのチャートが1958年にスタートして以来のカウントとなり、エルヴィスはそれ以前からも活動)。通算トップ10入り数で歴代10位となっています。

 

それらを抑え、新たな首位に立ったのはリゾ「Truth Hurts」。自身初の首位獲得です。

「Good As Hell」共々披露したMTVビデオ・ミュージック・アワードの影響は勿論のこと、リゾもまた仕掛けていました。デジタル集計期間開始日となる8月23日にはNBCのテレビ番組『トゥデイ』に出演。

Truth Hurts」を含む4曲をパフォーマンスしています。そして。

同じく8月23日には、今年「Suge」が7位まで上昇したダベイビーの参加版、およびプロデューサー/DJのCIDによるリミックスの2バージョンが追加リリース。これが功を奏し、ダウンロードは前週の2倍以上となる53000を獲得し同指標首位を獲得。ストリーミングは前週比21%アップの3440万(同指標4位)、ラジオエアプレイは同1%ダウンの9840万(同指標4位)となり、トータルで23%アップしたことで「Señorita」を追い抜いた形です。2バージョンの新規投入等が有効に働いており、仕掛けの重要さがよく解ります。

リゾ「Truth Hurts」は元来2017年9月にリリースされていましたが、今年4月19日にNetflixで公開された映画『サムワン・グレート 〜輝く人に〜 (原題:Someone Great)』に用いられ、メジャーデビューアルバム『Cuz I Love You』(2019)のデラックスエディションに収められていることもあり、今年5月18日付で50位に初登場。今回遂に首位の座を射止めた形です。

リゾはラッパーでもあり、女性ラッパーが客演参加なしで首位を獲得したのはカーディ・B「Bodak Yellow (Money Moves)」以来およそ2年ぶり。女性が主演の楽曲では今年7曲目の首位となり2014年の記録に並びました。また3週連続で、それもいずれも初の首位を獲得した(ビリー・アイリッシュ、ショーン・メンデスおよびリゾ。なおカミラ・カベロは2度目)のは2000年7月後半のヴァーティカル・ホライズン「Everything You Want」→マッチボックス・トゥエンティ「Bent」→イン・シンク「It's Gonna Be Me」以来19年ぶりとなります。

ラジオエアプレイはカリード「Talk」からエド・シーラン&ジャスティン・ビーバー「I Don't Care」(総合9位)に交代。ですが「I Don't Care」のラジオエアプレイは前週と変わらず1億1100万となり、楽曲のピークは過ぎつつあるように思われます。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (3位) リゾ「Truth Hurts

2位 (1位) ショーン・メンデス & カミラ・カベロ「Señorita」

3位 (2位) ビリー・アイリッシュ「Bad Guy」

4位 (14位) テイラー・スウィフト「You Need To Calm Down」

5位 (4位) リル・ナズ・X feat. ビリー・レイ・サイラス「Old Town Road」

6位 (5位) リル・テッカ「Ran$om」

7位 (7位) クリス・ブラウン feat. ドレイク「No Guidance」

8位 (6位) カリード「Talk

9位 (8位) エド・シーラン & ジャスティン・ビーバー「I Don't Care」 

10位 (19位) テイラー・スウィフト「Lover」

なおテイラー・スウィフトは、アルバム『Lover』から全18曲を100位以内に送り込んでいます。

 

この中から次にどの曲をシングル化するかも注目です。