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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

『紅白』『レコ大』の影響が如実に表れた、1月7日・14日付ビルボードジャパンソングスチャート

年末年始の影響で、昨年12月24~30日を集計期間とする1月7日付チャートが一昨日火曜に、昨年大晦日~1月6日を集計期間とする1月14日付チャートが昨日発表となったビルボードジャパン。そのソングスチャートではいずれも、米津玄師「Lemon」がトップに立ちました。

1月7日付はこちら。

1月14日付はこちらで。

前者においては集計期間の最終日に発表された『輝く!日本レコード大賞』(TBSテレビ 以下『レコ大』)効果が、後者においては『レコ大』に加え『NHK紅白歌合戦』(NHK総合等 以下『紅白』)効果が如実に表れるチャートとなりました。その効果は尋常ではなく、米津玄師「Lemon」は1月7日付の総合ポイントが前週比192.8%、翌1月14日付では同209.2%ものジャンプアップとなっており、後者の総合ポイントはシングルCDセールス指標がはじめて加算された昨年3月26日付に次ぐ高い数値となっています。この傾向は『レコ大』『紅白』で連続歌唱となったMISIA feat. HIDE(GReeeeN)「アイノカタチ」も同様で、1月14日付の4位/7146ポイントは共に最高位、最高得点となっています。

米津玄師「Lemon」が特徴的なのは、1月7日付でTwitter指標が既に首位に返り咲いている点。実は同指標での首位獲得が今回初となるのです。この原動力は『紅白』出場アナウンスが12月26日にあったゆえと推測。

さらに翌1月14日付でもTwitter指標で首位を射止められたのは、『紅白』でのパフォーマンスもさることながら、その『紅白』放送日からの3日間、「Lemon」が主題歌となった『アンナチュラル』(TBSテレビ)が地域は限定されつつも再放送されたことが大きいでしょう。ドラマの画は『紅白』でも用いられており、「Lemon」の余韻が世間に強く残ったわけです。

 

他方、「Lemon」の前に苦汁をなめたのがDA PUMP「U.S.A.」。

未だ首位獲得に至れていません。

『レコ大』でDA PUMPが大賞を逃したことに対する怒りの声がTwitterに溢れ、その感情の負への変換(受賞者への非難、憤りの言葉の撒き散らし等)に強い疑問が。ならばポジティブな力に変えてTwitter指標等で伸ばしていったほうがいいと書きました(そしてその思いは大晦日のエントリー、日本版グラミー賞の主要部門ノミネーションをシュミレートしてみる(2018年度版) & レコード大賞へのストレスをポジティブな力に変えよという願いでも掲載)。Twitter指標では1月14日付で2位まで上昇しているのですが、『レコ大』放送日までが集計期間となる1月7日付では7位という結果に。

『レコ大』前後の時間におけるTwitterの解析をされている方のツイートによると、乃木坂46の大賞受賞曲「シンクロニシティ」に次いで、DA PUMP「U.S.A.」が2位。しかしながらこのデータでは歌手名"もしくは"曲名が計測大賞となっていることから、ひとつのツイートで両方を書く方が、DA PUMPにおいては少なかったのではないかと感じています。他方、1月7日付ソングスチャートにおいて、乃木坂46シンクロニシティ」はTwitter指標で首位を獲得しており、両曲の差が如実に出た形となってしまったわけで、「U.S.A.」の同指標での伸び不足は実に勿体無いと思った次第。

しかしながら、DA PUMP「U.S.A.」は2019年度(2018年12月10日付以降)に入りすべての週で、総合ポイントにて前週比100%超えを達成。カラオケ指標の導入効果もあるでしょうが(同指標ではいずれも2位。ちなみに首位は米津玄師「Lemon」)、テレビ出演等が功を奏した結果といえます。総合ポイントでは3週目となる1万ポイントを突破し、2018年8月13日付に次ぐ2位の記録となりました。そして面白いことに、1月14日付ではシングルCDセールス指標が8位となり、同指標初加算週(2018年6月18日付)以来となる2度目のトップ10入りにして、最高位を更新しています。今回の『紅白』効果をみるに、売上(所有)の3指標(シングルCDセールス、デジタルダウンロードおよびストリーミング。ただしストリーミングには無料分も含まれます)の伸びで最も低いのはシングルCDセールス指標だと感じていますし、DA PUMPにおいては歌い直しのベストアルバムにCD購入者が流れたとも言えますが、アルバムの存在を知らず、もしくはアルバムに関係なくシングルを買った方が一定数いらしたことがここから見て取れ、シングルCDセールス指標も未だ『紅白』の影響を少なからず受けていることを感じます。

 

1月14日付チャートでは新曲群が苦戦。シングルCDセールス指標でトップに立った桑田佳祐 & The Pin Boys「レッツゴーボウリング」は総合で6位にとどまりました。

ラジオ指標でも2週連続首位を獲得しながら(それも、多数の局で連携してボウリングキャンペーンを打っていながら)セールスが3万5千枚というのは決して高い数値ではないのでは?と危惧していますが、加えてルックアップが13位と、売上に対して大きく乖離しています。売上が突出していなかったこともあるでしょうが、特に『紅白』後の他の曲のレンタル需要に抑えられたと言えるでしょう。また、『紅白』で復帰後初のパフォーマンスを魅せてくれたいきものがかりが元日に配信リリースした「WE DO」は19位発信とこちらも高くはありません。

これまで元日リリースといえば数日前からの店頭販売、お年玉での購入…という流れゆえに成り立っていたと思うのですが、複合チャートにおいては『紅白』効果に埋もれるものと考えると、元日リリースはあまり好ましいとは言えないのかもしれません。

新作においては、むしろ今週リリースしたほうが目立ったのかもしれませんね。

 

さて次週のチャートがどうなるか、楽しみです。

特にクイーンにおいては、日本時間の今週月曜に映画『ボヘミアン・ラプソディ』がゴールデングローブ賞で2部門を受賞した効果が作用するものと期待。DA PUMPは、米津玄師さんの動向もさることながら、自身がどこまで数値を落とさず踏ん張れるかが勝負の鍵と言えるでしょう。新曲ではAAA「笑顔のループ」がシングルCDセールス指標で上位進出が堅く、上位3強は米津玄師さん、DA PUMP、AAAではないかと考えます。

また、先に桑田佳祐さんのユニットやいきものがかりについて書きましたが、昨年末リリースの新曲においては三浦大知「Blizzard」が最新1月14日付でも10位にランクインし、『紅白』の中にあって堅調と言えます。

次週の動向如何ではロングヒットの可能性もあるので、こちらもチェックしていきます。