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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

米ソングスチャート、カーディ・B首位陥落、新たな1位はヒップホップの”ロックスター”

ビルボードソングスチャートを定点観測。

現地時間の10月16日月曜に発表された、10月28日付最新チャート。3週首位を続けていたカーディ・B「Bodak Yellow (Money Moves)」を蹴落とし、ポスト・マローン feat. 21サヴェージ「Rockstar」が初の頂点に立ちました。ヒップホップの楽曲でトップを獲得したのは今年5曲目で、2006年以来となる最多タイとなります(2003年および2004年も5曲)。

記事は下記に。

そしてトップ10はこちら。

 

「Rockstar」はポスト・マローンにとっても、客演した21サヴェージにとっても初のNo.1作品に。

ストリーミングでは3週目の首位を獲得、それも前週比3%アップというのですから驚きです。デジタルダウンロードは同11%、そしてラジオエアプレイでは同36%ものジャンプアップを果たしています。ヒップホップはラジオエアプレイに弱いのですが今週同指標で38位に登場しており、まだまだ伸びそうな気がします。

ちなみに「Rockstar」は3週2位にとどまってからの首位獲得。3週以上2位で足踏みしてからの首位獲得は3例目で、過去にはマライア・キャリー「Always Be My Baby」(1996 4週2位)、エミネム feat. リアーナ「Love The Way You Lie」(2010 3週2位)というものも。いろんな記録があるものです。

 

「Rockstar」に首位の座を明け渡した「Bodak Yellow (Money Moves)」はストリーミングが前週比3%、デジタルダウンロードが同13%ダウンした一方でラジオエアプレイは4%上昇。そろそろラジオエアプレイもピークを迎えた感じがします。総合3位のロジック feat. アレッシア・カーラ&カリード「1-800-273-8255」はラジオエアプレイで「Bodak...」を上回りましたが(前週比11%アップ)、ストリーミングで1.5倍近くの差を付けられ更には前週比ダウンしていることから、次週2位と3位が逆転するかは微妙な情勢です。

 

今週ラジオエアプレイで遂にトップが入れ替わりました。チャーリー・プース「Attention」から奪取したのはポルトガル・ザ・マン「Feel It Still」(総合5位)。ロックソングスチャートでランクインした曲の中でラジオエアプレイ指標を制したのはロード「Royals」以来4年ぶり。一方ロックはストリーミングに弱く、同指標で前週比3%上昇したとはいえ未だ33位というのですから、ヒップホップとロックでどの指標に強い/弱いかがよくわかります。

 

J・バルヴィン&ウィリー・ウィリアム feat. ビヨンセ「Mi Gente」は前週ビヨンセ参加版リミックスが加算されたことの反動によりデジタルダウンロードが前週比67%もの大幅ダウン。他指標が補えきれず総合で6位に後退しましたが、それでもラジオエアプレイは同20%もの大幅アップを果たしています。そして7位に”帰還”したのはサム・スミス「Too Good At Goodbyes」。これは10月7日の『サタデー・ナイト・ライブ』(NBC)でサムが同曲を披露した影響が大きいですね。

来月リリースとなるセカンドアルバム『The Thrill Of It All』からの先行曲で、9月30日付で5位に初登場。こちらもデジタルダウンロード等の発売後の失速をラジオエアプレイ等が補えず一度トップ10圏外となるのですが、巧みなプロモーションが功を奏した形といえるでしょう。デジタルダウンロードで前週比30%ものアップを果たし、ストリーミングで同7%、ラジオエアプレイでも同5%のアップとなっています。

 

 

次週は、今の勢いを踏まえれば「Rockstar」が首位を守ることは確実でしょう。なにより現段階においてこの曲にはミュージックビデオがないわけで、その状態でストリーミング指標首位というのは恐ろしくすら思うのです。