米ビルボードチャートを定点観測。
現地時間の10月15日月曜に発表された、10月20日付最新チャート。マルーン5 feat. カーディ・B「Girls Like You」が4週連続で首位をキープ、3曲が新たにトップ10入りを果たしました。
記事は下記に。
.@maroon5 & @iamcardib's "Girls Like You" tops #Hot100 for fourth week as @ladygaga & Bradley Cooper hit top 10 [via @billboardcharts] https://t.co/jYr8uycTWH pic.twitter.com/8P669t0Rat
— billboard (@billboard) October 15, 2018
そしてトップ10はこちら。
首位は「Girls Like You」。ラジオエアプレイにおいては12週目の首位となり、ザ・チェインスモーカーズ feat. ホールジー「Closer」(2016)を破り、デュオやグループでの今世紀最長首位獲得週数記録を更新しました。そのラジオエアプレイは前週比1%ダウンの1億2540万、ストリーミングは2290万で同2%ダウン、デジタルダウンロードは同22%アップの22000を獲得。他方2位をキープしたジュース・ワールド「Lucid Dreams」はラジオエアプレイが7100万、ストリーミングが3580万で共に前週比変わらず、デジタルダウンロードは11000で前週比7%ダウンとなりました。この結果、3指標合計では「Girls Like You」が1%アップしたのに対し「Lucid Dreams」が1%弱のダウンとなり、1位と2位ではほんの少し差が開いた形に。ちなみに双方ともデジタルダウンロードが大きく動いているものの3指標トータルにはあまり影響していないようにみえ、デジタルダウンロードは他指標に対しそのウェイトが低いことが解ります。
この「Girls Like You」の4週目の首位獲得により、カーディ・Bが女性ラッパーでは史上最多となる首位獲得週数保持者に。これまではイギー・アゼリアの7週でしたが、それを4年ぶりに抜いた形。イギーはチャーリー・XCXを客演に迎えた「Fancy」が7週首位を獲得、この1曲だけでそれまでの記録を持っていたのですが、今回新記録を立てたカーディはデビューヒットとなる「Bodak Yellow (Money Moves)」が3週、バッド・バニー&J・バルヴィンとの「I Like It」が1週、そして「Girls Like You」で4週の合計8週となり、記録達成です。
新たなトップ10入り紹介の前に。ポスト・マローン「Better Now」を紹介。1ランクアップしふたたび3位に立ちました。
ストリーミングが前週比7%、デジタルダウンロードが前週比44%共にアップしたのは、現地時間の10月5日にミュージックビデオが公開、また同9日にはアメリカン・ミュージック・アワードで同曲と、タイ・ダラー・サインとの「Psycho」を披露した効果と言えます。とはいえ、それらの効果があったとしてもストリーミングの伸びが2桁に達しないのは同曲のピークが過ぎつつあるといえるかもしれません。ラジオエアプレイは前週比1%ダウンしており、次週どこまで踏ん張れるかが気になります。
トップ10初登場組。まずは4位に急伸したリル・ベイビー&ガナ「Drip Too Hard」。
最新の米ビルボードアルバムチャートで2組のコラボ作となる『Drip Harder』が4位に初登場を果たした、その勢いでソングスチャートでも前週から21ランクものジャンプアップを果たしました。特にストリーミングが伸び、前週比69%アップの4130万を獲得して同指標トップに。ガナにとっては初の、リル・ベイビーにとってはドレイクとの「Yes Indeed」(2018 6位)に次ぐトップ10ヒットとなりました。
続く5位にはレディー・ガガとブラッドリー・クーパーによる「Shallow」が登場。
10月5日に全米で公開された映画「アリー/スター誕生 (原題:A Star Is Born)」は公開週の米興行収入ランキングで2位に初登場。
米およびカナダでは公開から10日間での興行収入が9420万ドルに達したというこの映画、その勢いもあってかサウンドトラックは最新米ビルボードアルバムチャートを制し、ソングスチャートにも波及した形。前週28位に登場した際はデジタルダウンロードが強かったのですが今週は他指標も伸びています。デジタルダウンロードでは前週比21%アップの71000で同指標を連覇、ストリーミングは同61%アップの1340万、そしてラジオエアプレイは同176%アップの510万を獲得。これによりブラッドリー・クーパーが初のトップ10入りを果たすと共に、レディー・ガガにとっては「Millon Reasons」が昨年2月に4位を記録して以来のトップ10入りに。レディー・ガガは最初のヒットである「Just Dance」が2008年12月にトップ10入りして以来、この10年で15曲をトップ10に送り込んだ形となります。またサウンドトラックから「Shallow」以外にも4曲が100位以内にランクインを果たしています。
Five songs from the @starisbornmovie soundtrack hit this week's #Hot100:
— Billboard Charts (@billboardcharts) October 15, 2018
No. 5 "Shallow" Lady Gaga, Bradley Cooper
No. 36 "I'll Never Love Again" Lady Gaga
No. 41 "Always Remember Us This Way" Lady Gaga
No. 63 "Is That Alright?" Lady Gaga
No. 93 "Maybe It's Time" Bradley Cooper
8位にはマシュメロ feat. バスティル「Happier」が登場。
ストリーミングは前週比7%アップの2130万、デジタルダウンロードは同10%ダウンの24000、そしてラジオエアプレイは同19%アップの5340万。特にラジオエアプレイの伸びが堅調で、同指標で16→12位に。客演参加のバスティルにとっては4年前の春に「Pompeii」で5位を記録して以来2曲目となるトップ10入り、そしてマシュメロにとっては、アン・マリーを招いた「Friends」が今年11位止まりだったゆえ、初のトップ10ヒットとなりました。
トップ10内にはシックスナインとニッキー・ミナージュとの「Fefe」が2ランクアップで10位に返り咲き。再浮上を含む4曲のトップ10入りと対照的に、前週米アルバムチャートを制したリル・ウェインの、アルバム収録の4曲が全てトップ10圏外に。前週のチャートは弊ブログをご参照ください。
最新米アルバムチャートでは『Tha Carter V』が3位にダウンし、そのユニット数は前週比72%もの大幅ダウンゆえソングスチャートにもその余波が。ドレイクの今年のナンバーワンヒットやトラヴィス・スコット「Sicko Mode」(今週6位)が初登場後も失速せず残っていることを踏まえるに、初登場で高位置につけてもその後のチャートアクションを維持出来るかが、真のヒットかを見極める判断材料と言えます。尤も、次週以降(デジタル2指標より動きがゆったりな)ラジオエアプレイが盛り上がり、再浮上する可能性もあるゆえ長期的な視野で判断しないといけません。
そのドレイク、10週もの首位を記録した「In My Feelings」が今週2ランクダウンで11位となり、「God's Plan」が2月3日付で首位にて初登場を果たして以来の連続トップ10入り記録が37週で潰えてしまいました。無論素晴らしい記録ではあるのですが、ケイティ・ペリーが2010年から翌年にかけて69週連続トップ10入りを果たしており、ケイティの記録が如何に凄まじいかをあらためて実感します。とはいえドレイク、先述した「Sicko Mode」で客演名義はないもののゲスト参加しているため、クレジットされていたならばトップ10入り記録は続いていたということに…ドレイクの心中、穏やかじゃなかったりするかもしれません。
トラヴィス・スコットの公式YouTubeアカウントには、ドレイクと共に披露した「Sicko Mode」のライブ映像が掲載されています。ドレイク、客演とクレジットされてもおかしくない気がします。