最近になって、ラジオの聴取率調査に関する問題と改善案に関するエントリーへのアクセスが伸びています。
どのエントリーにアクセスが集まっているのかがリアルタイムで分かるのはデジタルならではの良さですね。なぜ伸びているのか、その理由は判りかねるのですが。
さて、ラジオそしてデジタルといえば真っ先に浮かぶもののひとつがradiko。そのradikoに関してちょっと驚いたことがあります。先日の東京都議会議員選挙に関しての発表。
特別番組「まとめて!都議選」radiko聴取者数が同時間帯トップに!タイムフリーで1週間後まで聴けます。 https://t.co/KbZZ6uJqS6#hasumi954 #TBSラジオきいてみて
— TBSラジオ AM954&FM90.5 (@TBSR_PR) 2017年7月2日
放送終了から1時間43分後に作成されたリンク先ページによれば、『1都6県のラジオ局の中で、ストリームでの番組平均シェア「19.792%」をマーク』とあります。今回の記載内容から言えることは、【radikoへのアクセスに関する情報を、放送局が(ほぼ)リアルタイムで把握出来ている】ということではないかと。
これで思ったのは、現行の、アナログ方式(どうやら"(物質的な意味での)黒革の手帖"に書いてもらう方法)で調査し、結果公表までに1ヶ月かかってしまう聴取率調査の補完資料として、radikoのリアルタイムでの番組平均シェアを公表してもいいのでは?ということ。特にTwitterでは、たとえばTBSラジオの各番組等、様々なラジオ番組のハッシュタグがトレンド入りしていることを踏まえれば、ネット(SNS)とラジオとの親和性は明らか。radikoの番組平均シェアを公表することでネット上で人気の(親和性の高い)番組や局が判ることは勿論のこと、ラジオ業界自体が情報開示に積極的であり"開かれた業界"だということを訴求出来る、いい機会だと思うのです。さらには現行調査方法における全体聴取率の低下傾向をみて”ラジオは斜陽(産業)だ”と捉える人の意識も変えることが出来るでしょう。
昨今、ラジオ全体の聴取率は元気がない。2017年2月の聴取率は、5.6%と過去最低記録にほぼ等しい寂しい数字となった。ただし、数字だけで語るのはいささか気が早い。現代ではその“聴き方“が大きく変化しているのだ。
星野も受賞スピーチで話していた「ラジコ(radiko)」は、インターネットを介してラジオが聴けるサービス。ラジオの機材がなくても、パソコンやスマホがあれば簡単に視聴できる。特筆すべきは、ラジコの「タイムフリー」機能。過去1週間内に放送された番組を無料で聴くことができるため、聞き逃した番組もキャッチアップできる。
同じくインターネット経由の配信サービス「ポッドキャスト」でも、お気に入りの番組をダウンロードして好きな時間に繰り返し視聴することができる。
これらのラジオを取り巻く新しいサービスの始まりが、聴取率だけではラジオの影響を語れない理由だ。
・ラジオ聴取率過去最低水準も聴き方変化で「自由に聴く時代」 - BLOGOS(6月19日付)より
radikoの番組平均シェアの公表により、引用した記事の内容に説得力を帯びさせることが可能となるはずです。
無論ラジオの聴き方は様々ですし、特に年配リスナーの場合はラジオを(通信ではなく)放送で聴くことが考えられますので、radikoの番組平均シェア公表案は聴取率調査の代替ではなくあくまで補完資料的な意味合いとしてのものです。ただしタイムシフト機能を用いて聴いた人の数を含めた"総合聴取率"については、テレビ業界に先を越されていることもあり早急に実施してほしいと思います。
ちなみにこの提案を思いついたきっかけは他にも。
NHKさんがラジコで配信(実験)を行うようです。
— J-WAVE 81.3FM (@jwave813fm) 2017年5月31日
実現できると、ネット・サイマル・ラジオはワンストップ・サービスが可能に!なりますね。
総務省の会議資料 → https://t.co/QnEUaiLYFr#jwave #radiko #nhk #nhk_radio pic.twitter.com/5u3GzrXTBd
以前、国会中継対策をメインとする、”NHKラジオ第三”設立の勧め(6月23日付)でも引用したこちらのツイートにあるように、NHKもradikoに実験的ながら参加するとのこと。実験開始となれば、首都圏に関してはコミュニティFMを除くFM・AM全局が参加するということになるため、radikoの番組平均シェア公表案はこのタイミングで始めてほしいというのが個人的な願いです。