3月26日放送の『わがままWAVE It's Cool!』(FMアップルウェーブ 日曜17時)で三浦大知さんを特集した際、最新アルバム『HIT』からも数曲おかけしました。捨て曲一切なしのアルバムの中でもとりわけ気に入っている曲のひとつが、今回おかけしなかったものの「Darkroom」という曲です。放送した楽曲リストは下記に。
曲は下記特別サイトで聴取可能です。
R&Bを軸に様々なジャンルにトライする彼ですが、この曲はエロティックな歌詞の世界観からしてR&Bだと受け止めています(ゆえに夕方の番組で流すことを控えた次第でもあります)。そしてこの曲、番組に投稿&聴取してくださっているリスナーの方から、イギリスのR&B歌手、NAO(ネイオゥ、と読みます)が昨年リリースしたアルバム『For All We Know』の収録曲にギターが彷彿、と教えていただきました。
(※上記動画は一部のユーザーに適さない可能性がある、との警告がYouTubeに登場しています。それを了承された方のみ閲覧していただきたいと思います。)
リスナーの方からは他にも様々な情報をいただいたのですが(この場を借りて感謝申し上げます。ありがとうございます!)、このNAOの楽曲は三浦さんが気に入っていたそうで、しかも昨年のライブツアーではダンスの際にこの曲を用いたようですので、もしかしたら「Darkroom」の源にはNAO「Bad Blood」があったのかもしれません。
さて、この「Darkroom」。音像が歪な立体感を形成して面白いのですが、とりわけキモとなるのはギターソロ。いわゆる"泣きのギター"が曲の盛り上がりに一役買っています。とはいえR&Bではギターが、それもたとえばナイル・ロジャースのようなカッティング奏法ではなくドラマティックな奏法が出て来る曲ってそんなに多くはないのでは…?と、ふと疑問に思っていた自分がいました。
そんな自分に、いやいや実はたくさんあるよと示してくださったのが下記のブログ(勝手ながら紹介、問題があれば削除させていただきます)。いわゆるソウルミュージックを支えてきた大御所の曲におけるギターの泣き率は高いんだなあと実感です。
たとえば、マイケル・ジャクソン「Give It To Me」および アイズレー・ブラザーズ「Summer Madness」は下記に。
ほかにも、ボビー・ウーマック「That's The Way I Feel About You」や。
ボズ・スキャッグス「You Can Have Me Anytime」には終盤にあのサンタナが参加しています。
・もう一度、この一枚を聞け! バックナンバー / Ishibashi Mail Magazine
ボズについてはR&BではなくAORですが、今年初のアルバムをリリースしたR&B歌手のジデーナが、そのアルバム『The Chief』のジャケットにおいてボズのアルバムを強く意識しているので紹介した次第。
ここまで調べてみて、なるほどソウルとギターは合うんだと、自分のチープな認識を改めるに至ることが出来ました。そしてよくよく考えたら90年代以降の楽曲だってそうなんですよね。
・ミント・コンディション「What Kind Of Man Would I Be」
・ディアンジェロ「Untitled (How Does It Feel)」
・TLC「Red Light Special」
ロックテイスト強めとなると、ジャネット・ジャクソン「Black Cat」も。
いずれも負けず劣らずの名曲ばかりです。
今週火曜日の『赤江珠緒 たまむすび』(TBSラジオ 月-金曜13時)において、映画評論家の町山智浩さんがチャック・ベリーを追悼した際、彼の代表曲である「Johnny B. Goode」の作者名義が、楽曲が用いられた『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でもそして実際においても、白人に獲られてしまったことを紹介していました(後者においては後に取り戻したそうです)。ロックのはじまりには諸説ありますが、ギターを前面に出したロックンロールの起源が黒人のチャック・ベリーであるということを踏まえれば、ソウルやR&Bとギターとの親和性は十分納得というか必然なのですよね。書き起こし職人、みやーんさんによる『たまむすび』の書き起こしは下記に。
まだまだ他にも、ソウルやR&Bとギターとが抜群の相性を誇る楽曲はあるはず。というかプリンスに至っては枚挙に暇がないので敢えて紹介しませんでしたが。いずれまた書いてみようかなと思っています。