米ビルボードシングルチャートを定点観測。日本時間の火曜早朝に発表された、12月31日付最新チャート。初登場が2曲ランクインという中、上位5強は凪状態。レイ・シュリマー feat. グッチ・メイン「Black Beatles」に阻まれ、ザ・ウィークエンド feat. ダフト・パンク「Starboy」は今週も2位止まりでした。最新チャートについての詳細は下記をご参照ください(トップ10カウントダウン動画もあります)。
個人的にこの数週のうちに「Starboy」が「Black…」を逆転すると踏んでいたので予想が外れて大変申し訳無い思いなのですが、「Black…」がラジオエアプレイでまだ上昇中なのに対し、「Starboy」は全ての指標(デジタルダウンロード、ストリーミングおよびラジオエアプレイ)で下降に転化、もはや首位奪取は難しいと言えるでしょう。
この「Starboy」、首位を一度も達成出来ないながらも通算8週目の2位を記録することに。実はこれまでの歴史の中で、「Starboy」(さらにはエド・シーラン「Thinking Out Loud」も同様に8週)以上に2位に長期エントリーした楽曲があります。
・通算9週:シャナイア・トゥエイン「You're Still The One」(1998)
・通算9週:ドナ・ルイス「I Love You Always Forever」(1996)
・通算10週:ミッシー・エリオット「Work It」(2003)
・通算10週:フォリナー「Waiting For A Girl Like You」(1981-1982)
1位を逃したという意味ではある種不名誉な記録かもしれません。上位が凪の状態であると考えれば、もしかしたら「Starboy」はこれらを追い抜く可能性もあるでしょうが、果たして。
その記録を達成する上でライバルになるかもしれない?のが今週3位のザ・チェインスモーカーズ feat. ホールジー「Closer」ですが、遂にこちらも勢いに陰りが。ラジオエアプレイの連続1位が11週で途絶えてしまったのです。代わって同部門で首位に到達したのはマルーン5 feat. ケンドリック・ラマー「Don't Wanna Know」(総合10位)。「Closer」もそろそろ息切れかもしれません。
そんな上位5強に来週風穴を開けんとするのが初登場でランクインした2曲。6位のゼイン&テイラー・スウィフト「I Don't Wanna Live Forever (Fifty Shades Darker)」は先週も紹介しましたが映画『Fifty Shades Darker (原題)』サウンドトラックからの先行曲。映画公開、サウンドトラック共に来年2月10日を予定しており、映画公開が近づくにつれさらなる盛り上がりも期待出来る楽曲(実際この曲は定額制音楽配信サービスのうちSpotifyのみ遅れての公開(12月16日より)としており、Spotifyでのカウントは次週付のチャートに反映…チャート上昇のための戦略ならば非常に巧いなと)。
この曲でテイラーは20曲目のトップ10入りを達成し、女性ソロ歌手ではマドンナ(38曲)。リアーナ(29曲)、マライア・キャリー(27曲)、ジャネット・ジャクソン(27曲)、ホイットニー・ヒューストン(23曲)に次ぐ記録を樹立。近い将来、リアーナと共にマドンナの記録を抜くかどうかのデッドヒートを繰り広げるものと予想されます。ちなみにトップ100でみれば70曲目のチャートインとなり、女性歌手ではニッキー・ミナージュと並びました(ちなみにこちらのトップはアレサ・フランクリンの73曲)。
そして7位に、こちらも初登場を果たしたのはJ・コール「Deja Vu」。6位同様こちらもミュージックビデオがないのが残念、ですので定額制音楽配信サービス等でご確認ください。
リリースしたばかりのアルバム『4 Your Eyez Only』が最新のアルバムチャートを制し、しかもその数字(セールスに単曲のダウンロードやストリーミングを足した合計)が492,000ユニットと今年3位の記録を達成。そのため収録された全10曲がシングルチャート100位以内にエントリーを果たし、その最高位が「Deja Vu」となった次第。J・コールのシングルの最高位はこれまで、「Work Out」(2011)の13位が最高であり、自身最高位を更新した形となっています。また、米の定額制音楽配信サービスTIDALにて発表されたドキュメンタリー『Eyez』で使用されながらオリジナルアルバムには未収録だった「Everybody Dies」および「False Prophets」もシングルトップ100にランクインしています。アルバムや『Eyez』については下記bmrに詳しく掲載されていますのでそちらを是非。
次週、ゼイン&テイラー・スウィフト、そしてJ・コールが台風の目になり得るかどうかに注目しましょう。