イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

米ビルボードシングルチャート、トップ5入り曲数でリアーナがあのレジェンドに並ぶ

ビルボードシングルチャートを定点観測。

 

日本時間の火曜早朝に発表された、7月9日付最新チャート。ドレイク feat. ウィズキッド&カイラ「One Dance」が通算7週目、6週連続となる1位を獲得。ラジオエアプレイ部門でもジャスティン・ティンバーレイク「Can't Stop The Feeling!」を破ってトップに立ちました。またトップ10内にはトゥエンティ・ワン・パイロッツ「Ride」が登場(3ランクアップし10位へ)。最新チャートについての詳細は下記をご参照ください(トップ10カウントダウン動画もあります)。

Drake's 'One Dance' No. 1 on Hot 100; Twenty One Pilots 'Ride' to Top 10 | Billboard

 

ドレイクの強さはとどまるところを知らず、アルバム『Views』も8週目の1位を獲得。シングルおよびアルバムがチャートを同時制覇するのは通算6週目。一方、ラジオエアプレイ部門ではドレイクに首位の座を明け渡したジャスティンですが、「Can't Stop The Feeling!」はアダルトコンテンポラリーチャートでソロとして初制覇(イン・シンク時代にリチャード・マークスを迎えた「This I Promise You」で1位を獲得済)。

カルヴィン・ハリス feat. リアーナ「This Is What You Came For」が1ランクアップで5位に浮上しました。ミュージックビデオが解禁されたことでデジタルセールスでは26%、ストリーミングでは62%もの上昇。ラジオエアプレイも1割近く上昇しました。この「This...」のヒットで、リアーナにとっては21曲目となるトップ5入り(客演含む)を果たしたことになり、かのエルヴィス・プレスリーに並びました。

Most Top Five Hot 100 Hits

 

29, The Beatles

28, Madonna

26, Mariah Carey

24, Janet Jackson

21, Elvis Presley

21, Rihanna

20, Michael Jackson

20, Stevie Wonder

・上記ビルボードの記事より

今年に入ってから主演作「Work」が首位を獲得したため、リアーナはこの半年の間でスティーヴィーやマイケルを抜き、エルヴィスと肩を並べることに。年齢や勢い、また客演でもカウント対象となることを踏まえれば、この数年のうちにリアーナがビートルズ抜きを果たす可能性は高いかもしれませんね。

「This...」は中毒性が高く個人的に脳内ループ中。主演作とは異なり張り上げないリアーナの歌声が魅力的です。

 

さて、個人的にチャートアクションで引っかかるのはアデル。「Send My Love (To Your New Lover)」が1ランクアップ上昇し19位に...とビルボードの速報では伝えているのですが、正直言ってまだまだ弱いというのが個人的な感想です。

『25』からは先行シングル「Hello」が1位を記録したものの、続く「When We Were Young」が14位止まり。「Send…」は先月放送されたビルボードミュージック・アワード内でミュージックビデオが解禁というエクスクルーシブな公開方法で注目されたものの未だ19位というのが気掛かりです。前作『21』からは3曲が1位を果たしており(「Rolling In The Deep」「Someone Like You」「Set Fire To The Rain」)、勢いの差が出てきているのでは?と。無論これは、『21』と『25』のリリース時における認知度や期待度の違いに因るものも大きいかもしれませんし、「When...」が結果的にミュージックビデオを制作しなかったことも影響しているのかもしれませんが。

 

その『25』、先週ようやく定額制音楽配信サービスにて”解禁”されました。下記に詳しく掲載されています。

(勝手ながら紹介させていただきました。問題があれば削除させていただきます。)

『発売と配信の時期をずらす「ウィンドウィング」戦略』(記事より。ここでいう配信とは定額制音楽配信サービスの意)を前作に続き行ってきたアデルとレコード会社側ですが、そのずらし期間は『21』が16ヶ月に対し『25』は7ヶ月。これも先述したリリース時の認知度等の違いが影響しているのかもしれませんし、北米コンサートツアー前のタイミングでの解禁と捉えることも出来ますが、穿った見方を承知で書くならば、アルバムに対しシングルがチャート上で成功していないというジレンマが早めの解禁に至らせたのではないかと。解禁の成果は次週以降に反映されるため、「Send...」の動向に注目したいと思います。