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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

米ソングスチャート、ドレイクが逃げ切って9週連続で首位獲得&エミネム2曲初登場でトップ10入り

ビルボードチャートを定点観測。

現地時間の9月10日月曜に発表された、9月15日付最新チャート。ドレイク「In My Feelings」が9週連続の首位を獲得し、1年間における首位獲得週数が最多タイとなる28週となりました。またエミネムがトップ10に2曲送り込んでいます。

記事は下記に。

そしてトップ10はこちら。

首位のドレイク「In My Feelings」について2週前は"からくも"、前週は"かろうじて"逃げ切ったと書きましたが、今週も同様の状況です。

・ドレイク「In My Feelings」(総合1位)

  ストリーミング 4770万 (3位 前週比6%ダウン)

  デジタルダウンロード 28000 (3位 同6%アップ)

  ラジオエアプレイ 8950万 (5位 同4%ダウン)

 →全指標において4%ダウン

マルーン5 feat. カーディ・B「Girls Like You」(総合2位)

  ストリーミング 2890万 (9位 前週比3%ダウン)

  デジタルダウンロード 32000 (1位 同15%アップ)

  ラジオエアプレイ 1億2760万 (1位 同1%アップ)

 →全指標において1%アップ

「Girls Like You」は前週から微増していますが、「In My Feelings」は前週の14%ダウンから4%ダウンへと微減に転じており、これが「In My Feelings」を9週目の首位の座にとどまらせた格好です。

これにより、ドレイクは1月を起点とする1年間における今年の首位獲得週数を28週に伸ばし、2004年のアッシャーの記録に並ぶ最多タイとなりました。また60年間のチャートの歴史において、ドレイクは主演/客演合わせて今週で48週目の首位を獲得。こちらはアッシャーを抜いて歴代5位、男性ソロでは最高記録を更新。歌手全体ではマライア・キャリーが最多の79週で他を圧倒し、リアーナ(60週)、ビートルズ(59週)、ボーイズIIメン(50週)と続いています。ドレイクはボーイズIIメンを射程圏内にとらえたと言えるでしょう。

 

今週トップ10に2曲が初登場したエミネム。アルバム『Kamikaze』が同日付米ビルボードアルバムチャートで首位発進した影響を受け、ジョイナー・ルーカスをフィーチャーした「Lucky You」が6位、「The Ringer」が8位に登場しました。

『Kamikaze』は前作『Revival』(2017)の1.5倍以上の初動ユニット数を記録。アルバム首位獲得については下記bmrの記事に詳しく掲載されていますのでそちらを是非。

エミネムにとってのトップ10入りは、リアーナを迎え4週首位を獲得した「The Monster」(2013)以来。今回が18および19曲目のトップ10入りとなり、ラッパーではドレイク(31曲)、ジェイ・Z(21曲)およびリル・ウェイン(20曲)に次ぐ歴代4位に。また同時に複数曲を初登場させた5組目の歌手となりました(ドレイクが3度達成、他にエド・シーラン、J・コール、トラヴィス・スコット)。

「Lucky You」はエミネムにとって2度目となるストリーミング指標制覇(他方、「The Ringer」は5位)。ストリーミングは4220万であり、同指標3位のドレイク「In My Feelings」に比べ再生回数が550万不足しているのですが、数値を順位が逆転したのは今夏のチャートポリシー改正によるもの。

(そういえばブログエントリーのタイトル、ドレイクも不利に?と書きましたが実際は現在もヒップホップ勢の活躍が著しいわけで、チャートポリシーの変更はさほど大きな影響を示さなかったのかもしれません。)

エミネムの2曲はミュージックビデオがなく、そのほとんどが定額制音楽配信サービスで聴かれています。他方ドレイクはミュージックビデオ人気がストリーミングに貢献していると言えるでしょう(#InMyFeelingsChallenge というムーブメントもあっただけに尚の事)。有料の定額制音楽配信サービスにおける再生とYouTubeでの再生では前者のほうがウェイトが高いわけで、それが「Lucky You」がトップとなった背景にあります。

なおそのエミネム、アルバム収録曲「Fall」のミュージックビデオを先週火曜に公開しており、この動画再生回数も寄与すれば、次週この曲が先述した2曲に取って代わるかもしれません。