先週、三浦大知さんの『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)出演という発表があってから、期待と不安とが入り混じった一週間を過ごしていました。そして昨日のパフォーマンス...あまりに圧巻過ぎて、不安や心配はただの杞憂だったと実感。最高という他ありません。
昨日披露したのは、3月末にリリースしたシングル「Cry & Fight」。この曲は、たとえばスクリレックスを最も早く邦楽で咀嚼した「Black Hole」(アルバム『D.M.』収録)や、R&Bの流行であるアンビエント感をいち早くダンスサウンドに織り交ぜた「Can You See Our Flag Wavin' In The Sky?」(アルバム『The Entertainer』収録)のような、"これまで非シングル曲だからこそ出来た"タイプの楽曲であり、つまりはめちゃめちゃ攻めているのです。
昨日披露した曲の内容は、歌詞の1番のCメロ(Crying~)から2番のBメロ(~何処へでも)が割愛される代わりに、通常の曲のイントロにサビを、それもアカペラ+ダンスの形で挿入。そして2番終わりから最後のAメロ(裸足のまま~)までのダンスで魅せる間奏もきちんと残されていたため、4分近い原曲に対しパフォーマンス時間はおよそ2分50秒用意されていました。その、30秒ほどのアカペラ+ダンスにより、"ダンスが巧い"、"声がブレない"そして"歌が上手い"という印象を与えることが出来、観た人の多くに、たった3分弱の尺で三浦大知の名を強烈に刻みつけることが出来たと思います。Twitterで【三浦大知】がトレンド入りしたことも頷け、今回の出演はまさに名刺代わりの一発だったと思います。
三浦大知さんの『Mステ』出演を以前から懇願していた自分にとっては、大袈裟かもですが夢が叶った瞬間でした。懇願の理由は以前のエントリーに記載しています。
三浦さんは昨年の『水曜歌謡祭』(フジテレビ系)放送12回のうち5回に出演、いずれの回でもNEWSの増田貴久さんと共に出演(そして共演)していたことから、三浦大知さんとジャニーズ事務所所属歌手との間の壁はなくなっていたように思います。また、2012年以降のほとんどのシングルがオリコンチャートでトップ10入りを果たし、『Mステ』側もいよいよこの実力者を無視出来なくなってきたのでしょう。それら、『Mステ』に出演出来なかった理由、いわば枷(かせ)がいよいよなくなり、昨日の出演に至ったわけです。
それどころか、昨日『Mステ』側が用意していたステージは、三浦大知さんの凄さをより際立たせ、そして"魅せる"構成になっていました。アカペラの挿入もそうですが、ステージセットを極力排することで視聴者がパフォーマンスへより集中出来るように仕向けたのみならず、初登場歌手なら"1番から一気に最後のサビへ"という2分前後の短尺に終わらせるところ(実はこれが自分にとって唯一の不安材料でした)をそうさせなかったこともまた、三浦大知さんへの敬意だったのかなと思うのです。敬意と、そしてこれまで"枷"により出演させなかったことへの『Mステ』側の謝罪の意味合いも、その演出に込められていたのかもしれません。
今後はシングルおよびアルバム発表の度に三浦大知さんが『Mステ』でパフォーマンス出来ることを願うばかりですし、個人的にはこの流れを加速させ、SKY-HIやw-inds.といったアイドルの枠を超えた実力者にも登場して欲しいと思うのです。セールス面で実績がありそして実力のある方をきちんと出演させることが、邦楽の良さを広める『Mステ』の責務であり使命だと思います。