音楽が、その発表当時とは違う意味を新たにまとうことは少なくありません。バラエティ番組に使われた過去の名曲を聴くとその映像が浮かんでしまうということなどもありますが、今日紹介するのは今の新型コロナウイルスが蔓延る中にあって人々が救いや希望として聴いている曲、そして歌手がその前向きな思いを伝えたいという意志を持って示す曲。
コロナ禍から人気再燃、外出自粛でよみがえった名曲8選#コロナウイルス #REM #マライア・キャリー #StayHome https://t.co/kUzXvjzuFY
— Rolling Stone Japan (@rollingstonejp) 2020年5月2日
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蘇ったと言いつつもその基準たる売上の伸びはそこまで大きくないのではという印象がありますが、たとえばアンドラ・デイ「Rise Up」はレディー・ガガが開催を表明、WHO等が主催したイベント【One World: Together At Home】の冒頭を飾ったことが影響しているのかもしれません。『闘う人全てへのアンセム』は、多くの方を勇気づけたと言えるでしょう(『』内はヴィンテージな雰囲気をまとい、話題の新人アンドラ・デイがデビュー - TOWER RECORDS ONLINE(2015年7月22日付)より)。
さて、日本でもその位置付けになっている曲があると感じています。それが三浦大知「I'm Here」。
当初はドラマ『病室で念仏を唱えないでください』(TBS)の主題歌として用いられていましたが、この曲の”位置付けが変わった”と感じたのが、同じくTBSで3月6日に放送された『A-Studio』でのパフォーマンス。さらに3月末に同局ではじまった『CDTV ライブ! ライブ!』(月曜22時)でこの曲を披露したことでさらなる高みに達したように思うのです。その点について、Spotifyでの再生回数を軸に以前ブログに記載しました。
そして先週金曜の5月1日、『A-Studio+』(TBS 金曜23時。『A-Studio』がこの春リニューアル)にリモートで出演した三浦大知さんは、斎藤ネコさんのアレンジ、総勢46名による「I'm Here」のリモート収録版を初披露。同日のうちにTBSの公式YouTubeチャンネルにて公開されました。
三浦大知さんが今だからこそ発したい思いはこの曲のパフォーマンスに込められた”希望”に表れていると感じていますし、番組側が視聴者に伝えたい思いもそこにあるのだと思います。
この時代を生きる人々にとって前を向いて生きるためのアンセムに成り得ると言えるだろう「I'm Here」は、3月の番組でのパフォーマンス以降比較的安定した動きを見せていました。3月以降の日本のSpotifyにおける再生回数は下記に。
デイリー200位未満は再生回数不明につき、4月27日は数値が不明。そして『A-Studio+』出演翌日に「I'm Here」が200位未満というのは残念ではありますが、しかし3月1日以前の数値(先述のブログエントリー参照)と比べて明らかに上昇していることを踏まえれば、発表直後よりも今のほうが緩やかなれど着実に盛り上がっている状況は異例と言えるかもしれません。この数値から人々が「I'm Here」を求める動きが見て取れ、新型コロナウイルスが蔓延る状況下、今の日本におけるアンセムになってきていると捉える自分がいます。