リオデジャネイロオリンピック、サッカー女子のアジア最終予選。初戦はオーストラリア相手に1対3という結果になりました。実はこの最終予選のスケジュールを確認してみて、個人的に強い疑問を抱いてしまいました。このタイミングで書くことに空気を読めなどの声もあがるかもしれないのですが、いやこの熱い(そして予選終了後急激に冷めかねない)タイミングだからこそ書かないとと考え記載します。
その疑問とは、試合日程および会場について日本が”優遇されすぎている”点です。
・日程・結果 │ 女子サッカー アジア最終予選(リオデジャネイロオリンピック2016)|なでしこジャパン|日本代表|JFA|日本サッカー協会
日本が優遇されすぎているのは国内開催(という意味でのホーム)だから、というだけではないんですよね。
<優遇されすぎていると考える点>
・日本の試合はいずれも19時半開始
(他5ヶ国は必ず1試合以上、夕方開始の試合有り。特にベトナムは5試合中3試合も夕方開始)
・日本だけすべて同じキンチョウスタジアムでの開催、且つその競技場は1日1試合のみ
(ゆえに、1日2試合行われるヤンマースタジアムの夜の試合のような、足元の悪化という事態がない)
サッカーに詳しくないので足元の悪化がともすれば有利なのかもしれませんが…とにかく、日本だけが同じ会場で、最良のコンディションでそして同じ時間に開始というのは、いくらなんでも不公平じゃないかと思うのです。これでは日本が勝って当たり前かもしれませんし、優遇されすぎている環境下ではハングリーさなどは生まれにくい気もするのですが如何でしょうか。
実は以前、ワールドカップバレーボールにおいて同様の不公平を見つけ、ここに書きました。
実際の順位よりも数ランクか下げたところが真の実力ではないか、と厳しい物言いですがそう思わざるを得ません。
・スポーツの国際大会における、日本代表を必要以上に贔屓にすることへの疑問(2015年9月5日付)より
日本を有利な環境下に置くことでオリンピック出場の可能性は高まるかもしれませんが、仮に出場切符を手に入れたとして実際のレベルは贔屓された大会での順位ほど高くはないわけです。『そこでの順位が好かったからオリンピックでも好成績が期待できるなどと謳い、いざオリンピックで良い成績が収められなかった際に手のひら返しになる』(2015年9月5日付ブログより)というメディアや市井の姿勢を予想してしまうのは、自分の悪い癖でしょうか。
問題は今回の大会における日本の”優遇されすぎている”点がなぜ生まれたか。このアジア最終予選をNHKが独占放送するためNHKが視聴率などを目的に夜の試合での統一を嘆願するという口利きをしたか、女子サッカーの公式スポンサーがそうしたのか、はたまた日本で開催することを理由に優遇してくれと日本サッカー協会側が仕掛けたか…これらはいずれも邪推ではあるのですがその可能性はゼロではないでしょう。
何より問題なのは、こういう不公平さをよしとしたオリンピック運営側の姿勢なのですが。今回の予選ですらこういう不公平さが許された以上、『このままいけば東京で開催されるオリンピックにおいても、日本代表の試合開始時間を夜に統一してほしい…などという突拍子もない意見が当たり前に』(2015年9月5日付ブログより)なりそうで気味が悪いですね。”優遇されすぎている”問題は日本のスポーツをダメにする予感がします。