イマオト - 今の音楽を追うブログ -

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EDM、サム・スミス的な音を纏ったジョイ・エンリケスのゴスペル盤、遂にリリース

R&Bクラシック、「Tell Me How You Feel」で知られるジョイ・エンリケスのゴスペルアルバム、『The Call』が先週リリースされました。昨年10月に彼女について取り上げたのですが(ロドニー・ジャーキンスの妻、ジョイ・エンリケスの新譜がもうすぐ(2015年10月2日付))、アルバムは2ヶ月ほど延期された形に。タワーレコードHMVではなぜか取り扱いがなく、AmazonでCDを買い求めることが出来ます。

 

自分はAmazon Musicで聴取したのですが、これまでのゴスペルにはないフォーキーなEDM(それこそアヴィーチーとアロー・ブラックによる「Wake Me Up」を想起させる)やドリーミーなアップナンバー(「Imagine That」は途中のバッキバキのシンセ使いが完全なEDMだったり)もあってバラエティに富んでいるなと。そして全体的にポジティブなトーンとなっており、聴いた後に自然に笑みが溢れるような作品集になっているように思います。なにより、ジョイの歌声に母性が垣間見られ力強いことから、きちんと黒さを宿しているなと実感です。

 

先の「Wake Me Up」的な「Hallelujah」は、(ソロバージョンを以前ブログで紹介しましたが)新たにゴスペル界の若きレジェンド、カーク・フランクリンと”ユーチューバー”のバイオリニスト、リンジースターリングを客演に迎えたバージョンにて収録(リンジーについてはハレルヤの様々な形(1月1日付)にて取り上げています)。そして「Shelter」は聴いた瞬間に”これはサム・スミス「Stay With Me」のようだ”と。その質感がかなり似ているのです。

・Joy Enriquez「Shelter」

・Sam Smith「Stay With Me」

よくよく考えれば、ジョイの夫である音楽プロデューサー、”ダークチャイルド”こそロドニー・ジャーキンスは、「Stay With Me (Darkchild Version)」を手掛け、またロドニーがプロデュースを務めたメアリー・J・ブライジのアルバム『The London Sessions』(2014)ではサムもソングライトに参加していることから、二人に交流があったのは確実。その交流の中でロドニーが、どこかで「Stay With Me」の質感を活かしたいと思うようになったのかもしれません。そしてそれを妻のジョイに託した…というのは考え過ぎでしょうか。とはいえ、素晴らしいゴスペル曲に仕上がっています。

 

『The Call』はロドニーのレーベル、ライフスタイル・ミュージック・グループから発売。同レーベルはモータウン・ゴスペル等がディストリビューションを行うということで、ジョイはメジャーから再度リリースするという形になりました。これを機に、再注目されて欲しいと思います。