イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

弘前市のレンタル店、メディアイン2店舗が今月末で閉店という事態に

青森県に本日、セブンイレブンが初上陸しました。あまりにも遅い上陸ではありますが(セブンイレブンの戦略の問題、また青森県セブンイレブンにとって魅力的ではない場所だった可能性も)、来たからにはきちんと腰を据えてやっていただきたいと切に願います。

 

一方で昨日、弘前市にあるTSUTAYA3店舗のうちのふたつ、"メディアイン"と冠した2店舗(城東店・樹木店)が共に、今月末日をもって閉店することが発表されました。

https://instagram.com/p/3zVMW3vkOT/

昨日訪れた樹木店の入口の写真。この段階ではてっきり、より規模の大きい城東店に集約するのだろうと思っていたのですが、どうやら同日付で城東店でも同様の掲載があった模様(Twitterでも写真が)。個人的に大学時代から足繁く通った老舗レンタル店が、集約ではなく"消滅"という事態に驚きました。城東店の前の県道が拡張工事を行っており、それに併せてリニューアルオープンする可能性はないかと考えつつ、しかしながら再オープン予定とは謳っていないことから、完全閉店と考えるのが正しいかもしれません。

 

 

振り返ってみれば、閉店には"兆候"があったのかもしれません。

昨年はセルCDを終了し(TSUTAYA弘前店のリニューアルと、弘前市における新品CD購入環境の変貌(2015年2月現在)(2月9日付)より)、最近注目されているとメディアで謳われることの多い文具売場を設けていました。が、樹木店の近くに住む友人曰く、"売場に人がほとんどいない"と。たしかに、伺う度にその一角だけ、特に閑散としていました。文具でも、たとえば『マツコの知らない世界』(TBS 毎週火曜21時)で最近取り上げられたボールペンのような数千円~一万円台の高級タイプやいわゆるおもしろ雑貨としての文具人気ということかもしれず、そう考えると、たとえばホームセンターが競合となるような一般的な文具をほぼ定価にて置くことは果たしてどうだったのかなと。今更ではありますが、形骸化しつつも再販制度が保たれているCDを、面積を半分にしてでも展開し続けて好かったのでと思うのです。

 

他にも、ここに至るまでに下記の動きがありました。

・定期的に行われる福引について。抽選に参加するには、500円毎に発行される補助券2枚が必要でしたが、ここ最近は4枚に。

・昨年の私的ベストにも入れた(2014 JP Songs Best(2014年12月31日付)より)槇原敬之「Fall」や、tofubeats『STAKEHOLDER』、剛力彩芽剛力彩芽』などの作品が、レンタル解禁日に入荷されていなかった件。人気ドラマの主題歌、将来有望視されているトラックメイカー、振付等が特徴的な曲を多数収録したアルバム...という、(実売数以上に)話題性の高い作品を置かなかったことについて、それがバイヤーの情報不足か予算面の問題かは不明ではあります。がしかし、商品がないという理由で顧客離れを招いた可能性も。

 

加えて、今年はじめに別のTSUTAYAフランチャイジーであるTSUTAYA弘前店が改装のため20日以上閉めていた期間があり、その時期はメディアイン各店に顧客が流れてきたのだと思うのですが、その際の売上がメディアイン側の予想を下回ったのではないかと考えます。その結果、レンタルは採算が合わないと将来性を危惧してしまったゆえに閉店...という決断だったのではないかとも。

 

 

実は弘前市に限らずその周辺地域でもレンタル店は減る傾向にあります。五所川原市では国道バイパス沿いにあるTSUTAYAと競合するGEOがCDレンタルを取りやめていますし、他の市でも同様の流れが見られます。弘前市ではレンタル店が少なくとも5店舗(TSUTAYA3店舗、GEO2店舗。GEOのひとつはCDレンタル未実施)ありますが、他の市の動向を見るに、ひとつの市にレンタル店は一、二店舗あれば十分だという流れになってきているのかもしれません。

 

 

CDレンタルの点を主体に書いてしまいましたが、音楽ソフトのセールスが減ったとしても(それと比例するようにレンタルも減ったとしても)、音楽そのものが失くなるということはあり得ません。音楽をCDで聴く代替としてYouTubeでの再生、配信での購入、また今後はじまるであろうストリーミングサービスの加入が考えられますが、それらが日本においてはCDセールスに匹敵しているとは未だ考えにくく、ゆえにレンタルの需要もまだ多くあると思うのですが...上記リンク先にあるようにセルCD店舗も減っていることから、弘前(およびその周辺)における音楽環境は悪化していくものと強く危惧します。

 

 

裏方中心ながらラジオに関わる身としては、もっと多くの方にいい音楽に触れていただけるようにし、たとえばリスナーが刺激されて取り寄せする(問い合わせする)ようになることで、店舗が品揃えを強化するというような、音楽を今以上に循環出来る形を作ることでセルやレンタル店に還元したいという思いが殊更強くなりました。微力ながら頑張らないといけないと思っています。