イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

『午後のまりやーじゅ』があなどれない

今のNHKは攻めている…というイメージは最早定番化していると思いますが、ラジオでも平日午前の『すっぴん!』がこの春からさらに、あたかも『小島慶子キラ☆キラ』(2009-2012 TBSラジオ)化したラインアップになっていて(4/4初登板の水道橋博士さんの回に吉田豪さんがゲスト出演したり、別コーナーの弁当話では神足裕司さんが小島慶子さんに弁当を作ったエピソードを披露するなど)、面白い方向に向かっています。

そして、もしかしたらその『すっぴん!』の成功を受けてか、平日午後もこの春から大胆にリニューアルしてきました。それが、

NHK R1(ラジオ第1)『午後のまりやーじゅ』(平日 13:05-16:55)

NHKのラジオのメインパーソナリティを山田まりやさんが務め、松村邦洋さんになぎら健壱さん等が曜日パーソナリティで参加。国会中継高校野球等で放送が短縮もしくは1日まるごと無くなる日もある中(月曜60分、火曜休み、水曜90分、そして一日置いて金曜も休み…ある意味R1の宿命かと)、初の"フルバージョン"OAだったのが木曜。パートナーは、女装パフォーマーのブルボンヌさん。

いやあ、濃すぎました。ブルボンヌさんの芸能活動の歴史が語られる際にゲイ雑誌名(バディ)が紹介されたり、親友の中村うさぎさんが電話出演した際には、"ブルボンヌのコラムが面白くて、トイレでう◯こしながら読んでた"とぶっちゃけていて(無論伏字のところもまるまる放送)、進行役の道谷眞平アナウンサーが冷や汗かく瞬間も。あまりの濃さとノリの強さで、特に年配のリスナーから苦情来るのでは?と心配になりつつ、しかしながら15時台の『ブルボンヌ!♂と♀のお悩み相談室』では噛み砕いた表現ながら真摯に分かりやすく答えていて深い聴き応えがあり、このメリハリの強さ深さはクセになるかも、と実感です(NHKハートネットに何度も出演しているブルボンヌさん、さすがです。コラム、読んでみたくなりました)。

ちなみに4/11のゲストは先述した"う◯こ"発言の当事者、中村うさぎさん。どうなることやら…聴くコチラまでもが早くも期待とそれ以上の不安?でいっぱいです。

 

 

さて、今週の『午後のまりやーじゅ』で流れた曲、それも出演者陣に関連した曲がいずれも濃かったので、ここでメモ。

・なぎらけんいち「悲惨な戦い」(4/1放送)

なぎら健壱さん自ら選曲(曲の発表当時の芸名は"なぎらけんいち")。『大相撲の架空の取組で起きたハプニングと、それが引き起こしたパニックをネタにしたコミックソング。(中略) 相撲協会を気遣い自主規制される。放送禁止になったといわれるが、放送禁止という言葉は俗語である』(Wikipedia - なぎら健壱 - 主な曲より) 90年代以降自主規制を解き、メディアで披露する機会が増えた曲ですが、まさかNHKでかかるとは…昨年紅白での美輪明宏ヨイトマケの唄」といいこの曲のOAといい、NHKの攻めの姿勢が如実に表れている、といえるかもしれませんね。

 

・オマリー「オマリーの六甲おろし」(4/3放送)

…失礼を承知で書きますが、いつ聴いても"凄い"。松村邦洋さん選曲。NHK-FMの"三昧"企画で1日に3度もOA(最初のOA時に音が何度か飛んだというのも伝説を伝説たらしめる証明、か)という実績を持つ迷曲。これを初回に持ってくるだけで、番組の奇想天外感が如実に伝わってきます。

 

中村晃子細川俊之「あまい囁き」(4/4放送)

ブルボンヌさんが1曲目に選んだのがピーター「夜と朝のあいだに」というだけでも番組の空気感が如実にわかるものですが、昼間っからこのエロス全開のこの曲をかけるのはなかなかに凄いこと。コサキンソングとしてもお馴染みですが、細川俊之さんの低音は紫でありピンクであり、そして黒でもある…そして媚薬でも毒でもあるわけで。こういう奇妙な魅力の曲を求める方は少なくないはずです。

 

 

というわけで、番組で流れた曲だけをとっても、番組のとんでもなさが如実に解るんじゃないかと。これは期待せずにはいられません。ともすれば苦情が来かねないギリギリのラインかもしれないけれど、『午後のまりやーじゅ』には果敢に攻めてほしいですね。