もういくつ寝ると、クリスマス。
クリスマスソングを集めているうちに、王様がジョン・レノンのあの有名曲をカヴァーしているのを知りました。
・John &Yoko The Plastic Ono Band with the Harlem Community Choir「Happy Xmas (War Is Over)」
それが、王様のヴァージョンを聴いて、あまりにも腑に落ちた気がしました。
ボーカルは王様とゲストの泉谷しげるが交互にとっていますが、どちらも技量のある歌い手とは言えないものの、一行一行をしっかりと、目の前にいる聴き手に届くように歌っていて、聴いていて歌ってる人達の温かい人柄が伝わってくるのが良いです。原曲を聴いた時に感じた「なんでクリスマスソングなのに戦争のことを歌ってるんだろう?」という疑問も、このバージョンだとなんとなく理解できます。
・真空キューブ - 王様の直訳ロックの名作「幸せなクリスマス(戦争は終わった)」より引用
リンク先に記載されている歌詞と共に、是非聴いてみてください。
王様の持ち味は有名曲の”直訳”にあります。直訳自体格好良くないと思う節はありましたが(一方でその”ダサかっこよさ”こそが王様の登場時にウケた要因ですが)、実は洋楽の歌詞は思った以上に実直でシンプルな言葉なのかもしれず、ゆえに歌詞を過度に恥ずかしがっているのは聴き手(自分)の”格好つけようとする心”にあるのかもしれませんね。
シンプルな言葉からは、なぜ”戦争は終わった”なのか、戦争を終わって欲しいと願うのかがよく解ります。その言葉が、王様と泉谷しげる両氏の愚直な歌声によって、より深く刺さるかのようです。
・王様「幸せなクリスマス(戦争は終わった)」(ベストアルバム『王様伝説~祝!即位10周年記念大全集』(2003)より
歌詞にある、『世界はまだ間違ってる』という言葉を、オリジナル版のリリースから41年経った今でも言わなければいけない状況にあるのか…そう考えると、深い悲しみを覚えます。一歩ずつでも未来が明るくなっていくことを、願わずにはいられません。