イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

米ソングスチャート、「In My Feelings」で10週連続首位のドレイクが数々の記録達成

ビルボードチャートを定点観測。

現地時間の9月17日月曜に発表された、9月22日付最新チャート。ドレイク「In My Feelings」が遂に10週連続となる首位を獲得し、1年間での最多首位獲得週数を単独最多の29週とするなど数々の記録を達成しました。

記事は下記に。

そしてトップ10はこちら。

今週、首位のドレイクと2位のマルーン5 feat. カーディ・Bはさらなる接戦に。 

・ドレイク「In My Feelings」(総合1位)

  ストリーミング 3970万 (3位 前週比17%ダウン)

  デジタルダウンロード 21000 (5位 同23%アップ)

  ラジオエアプレイ 8400万 (5位 同3%ダウン)

 →全指標において14%ダウン

マルーン5 feat. カーディ・B「Girls Like You」(総合2位)

  ストリーミング 2830万 (7位 前週比2%ダウン)

  デジタルダウンロード 22000 (3位 同33%ダウン)

  ラジオエアプレイ 1億2350万 (1位 同1%ダウン)

 →全指標において7%ダウン

デジタルダウンロードはほぼ同じ。ラジオエアプレイとストリーミングの重要度の差を実感します。

ドレイクは今週も記録ずくめ。アルバム『Scorpion』(2018)からのシングル、「God's Plan」(11週1位)、「Nice For What」(8週1位)に加えて今回「In My Feelings」が10週1位を獲得したことで、ドレイクは1月を起点とする1年間における今年の首位獲得週数を29週に伸ばし、2004年にアッシャーが記録した28週を抜いて単独最多記録を樹立。それだけではなく、10年の間に10週以上首位を獲得した曲が3曲となり(「God's Plan」、「In My Feelings」および、ウィズキッド&カイラをフィーチャーした「One Dance」(2016))、ソロでは初の快挙を達成、全歌手ではボーイズIIメンに次ぐ2組目となります(ボーイズIIメンは「End Of The Road」(1992 13週1位)、「I'll Make Love To You」(1994 14週1位)、およびマライア・キャリーとのデュエット「One Sweet Day」(1995-1996 16週1位))。

しかも10週連続首位を同年のうちに複数輩出したのもソロでは初で、全歌手ではブラック・アイド・ピーズに次ぐ2組目(2009年に「Boom Boom Pow」(12週)、「I Gotta Feeling」(14週)首位を獲得)。アルバムから10週以上もの首位獲得曲を2曲輩出したのはブラック・アイド・ピーズサンタナに次ぐ3組目となります(ブラック・アイド・ピーズは『The E.N.D.』(2009)より先述した2曲を輩出。サンタナは『Supernatural』(1999)より、ロブ・トーマスをフィーチャーした「Smooth」(1999-2000 12週1位)、ザ・プロダクト・G&Bを迎えた「Maria Maria」(2000 10週1位)をトップに送り込んでいます)。

ドレイクは主演/客演含めこれで49週首位を記録。47週首位のアッシャーを引き離し、歴代4位のボーイズIIメンまであと1週と迫りました。全体ではマライア・キャリーが79週でトップ、次いでリアーナ(60週)、ビートルズ(59週)となっています。

 

6位に初登場を果たしたのは、カニエ・ウェストとリル・パンプの「I Love It」。

今年2年ぶりのオリジナルアルバム『Ye』をリリースしたばかりのカニエ・ウェストが、アルバム未収録のシングルをドロップ。「Gucci Gang」が昨年最高3位を獲得したリル・パンプを客演に迎え、リル・パンプにとっては2曲目、カニエにとっては17曲目となるトップ10入りを果たしました。デジタルダウンロードは16000(同指標9位)、そしてストリーミングではトップを獲得し、4660万を記録。YouTubeではあのチャイルディッシュ・ガンビーノ「This Is America」を抜き、登場1週目の再生回数記録を更新しています。

(ちなみに記事における1週間および10日間での記録は全世界トータル。米ビルボードソングスチャートにおけるYouTube再生回数はアメリカでの視聴数を対象としています。)

しかもコミカルな格好ゆえ、"「I Love It」Challenge"というチャレンジモノも登場。

2分ちょっとという尺の短さも相俟って、バイラルヒットとなるかもしれません。ただ、この曲には問題が。

FNMNLの記事では、サンプリング元とされるデヴィッド・モラレスの『ベースラインをサンプリングしLil Pumpに歌わせるKanyeのセンスはやはり流石だ』(上記記事より)と締めていますが、楽しんだもの勝ちだとしてもモラル的にはどうなるのでしょう。このわだかまりが解けないままだと曲やチャレンジを心から楽しめないと思うのは自分だけでしょうか。「I Love It」がさらにチャートを駆け上がれば、訴訟問題等に発展する気もします。