イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

米シングルチャート、”チャレンジ系”が圧倒的な強さを誇る

ビルボードシングルチャートを定点観測。日本時間の火曜早朝に発表された、12月10日付最新チャート。 "マネキン・チャレンジ"ムーブメントの勢いは衰えず、レイ・シュリマー feat. グッチ・メイン「Black Beatles」が3週目の首位をキープしています。最新チャートについての詳細は下記をご参照ください(トップ10カウントダウン動画もあります)。

先週のチャート紹介時に、アメリカン・ミュージック・アワード(以下AMA)効果で次週は波乱かも?と記したのですが(米シングルチャート、来週は荒れる予感(11月22日付)より)...実際はそこまでではありませんでした。とはいえ、AMA最高賞を受賞したアリアナ・グランデの「Side To Side」(feat. ニッキー・ミナージュ)はデジタルダウンロード、ストリーミングおよびラジオエアプレイの主要3指標全てで前週比1割以上上昇、またAMAのオープニングを飾り、また同週アルバムチャートで初登場2位につけたブルーノ・マーズ「24K Magic」はそのアルバム効果でデジタルダウンロードおよびストリーミングが共に前週比のおよそ4割増だったのですが...「24K...」は2ランクアップの4位、そして「Side...」に至ってはなんと2ランクダウンの6位という結果に。それだけ上位3強プラスαが強すぎるということなんですよね。

 

3週目の首位をひた走るレイ・シュリマー feat. グッチ・メイン「Black Beatles」はラジオエアプレイ以外の指標を制覇。特にストリーミングは5590万回再生を誇り、2週連続で再生回数が5千万を超えました。これはバウアー「Harlem Shake」が2013年に3週連続で達成して以来となる記録で、デジタルダウンロード共々如何にネットで強いか(無論そこにはこれまで述べてきたマネキン・チャレンジの影響が大きいこと)がわかろうというもの。ラジオエアプレイも前週比4割以上伸びて同部門14位まで一気に上昇していることから、ムーブメントが落ち着いてきた頃、ストリーミング等の落ち込みをラジオエアプレイの伸びがカバー出来たならば、ロングヒットは十分ありえるでしょう。

12週連続の1位獲得の後、「Black...」に蹴落とされる形で3週連続2位となっているザ・チェインスモーカーズ feat. ホールジー「Closer」は、これまたAMA効果からかデジタルダウンロードは前週比25%の上昇、その他の指標もほぼ横ばいに。ラジオエアプレイでは9週目の1位となっています。

同じくAMAでパフォーマンスされたザ・ウィークエンド feat. ダフト・パンク「Staeboy」もストリーミングは前週比14%上昇。この曲名をタイトルに冠したアルバムが先週金曜にリリースされ、次週のアルバムチャートに初登場することから、今週のブルーノ・マーズのような各指標アップが期待出来るでしょう。

そして5位にはゼイ・ヒルフィガー&ゼイオン・マッコール「Juju On That Beat (TZ Anthem)」が3ランクアップでトップ5入り。最高位を更新しました。ストリーミングがなんと前週比46%上昇して同部門2位に達したのが大きく、以前紹介したこの曲を使ったムーブメント、”  #TZAnthemChallenge ”がアメリカの感謝祭(11月24日の祝日)にまた盛り上がったこと、NBANFLでパフォーマンスしたことなどが要因の模様。ここにもネットを介してムーブメントに至るという流れがみえますね。

 

 

1位と5位がチャレンジ系という流れは、これからのヒットの方程式と捉えていいのかもしれません。その勢いに押されず、次週ザ・ウィークエンドがどこまで数値を伸ばすかが個人的な注目点ですね。