イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

(追記あり) 米シングルチャート、「Closer」の勢いが止まらない

https://www.youtube.com/watch?v=SMs0GnYze34

ビルボードシングルチャートを定点観測。日本時間の火曜早朝に発表された、10月1日付最新チャート。ザ・チェインスモーカーズ feat. ホールジー「Closer」は5週連続の首位をキープ、またジャスティン・ビーバーを客演に迎えたDJスネイク「Let Me Love You」が新たにトップ10入りを果たしました。最新チャートについての詳細は下記をご参照ください(トップ10カウントダウン動画もあります)。

 

「Closer」は他の追随を許さない独走状態に入っています。チャートを構成する各指標を、2位のトゥエンティ・ワン・パイロッツ「Heathens」と比べてみると。

・デジタルダウンロード

 「Closer」170,000(1位) - 「Heathens」91,000(3位)

・ストリーミング

 「Closer」39,500,000(1位) - 「Heathens」21,700,000(2位)

・ラジオエアプレイ

 「Closer」113,000,000(4位) - 「Heathens」82,000,000(11位)

いずれも「Closer」が大きく上回っており、ラジオエアプレイに至っては、「Heathens」も前週比21%上昇しているものの、対する「Closer」は24%も上昇というのですから驚きです。もしかしたら10週以上連続1位というのもあり得るのではないでしょうか。

 

6位にはDJスネイク feat. ジャスティン・ビーバー「Let Me Love You」が6ランク上昇してトップ10入り。

こちらも上昇の原動力は、前週比27%上昇したラジオエアプレイ。DJスネイクにとっては3曲目のトップ10入りですが、客演のジャスティン・ビーバーは11曲目、それも今年に限って言えば(「What Do You Mean?」「Sorry」「Love Yourself」、メジャー・レイザーとの「Cold Water」に次ぐ)5曲目で、ドレイクを引き離し単独トップに躍り出ました。今年は【ジャスティン・ビーバー×トロピカルハウスorレゲエテイスト】がヒットの法則なのかもしれません。

 

さて、以前取り上げたレディー・ガガの新曲「Perfect Illusion」は今週15位に初登場を果たしました。

デジタルダウンロードの100,000という数値は同部門2位、ストリーミングは830万再生で同部門25位にそれぞれ初登場。ラジオエアプレイも2200万回と悪くはないですね。とはいえ彼女の場合、ここ2作のアルバムからの先行曲が力強い動きをしていたため、今回はなんだか物足りない気がするのも事実。前作『Artpop』(2013)からの先行曲「Applause」は初登場6位、そして前前作『Born This Way』(2011)からの先行曲であるタイトルトラックは初登場1位でした。デジタルダウンロードに絞って見ても、「Applause」が「Born This Way」の半分以下、そして「Perfect Illusion」が「Applause」の半分以下...と倍々ゲームの真逆を行っており、レディー・ガガの勢いに陰り?とみられてもおかしくないかもしれません。

とはいえこの位置での初登場はやはり立派。次週のチャートアクションが曲同様に力強いものになるか、気になります。

 

次週のチャートで他に気になる曲を挙げるならば、今週24位に大きく上昇したシーア feat. ケンドリック・ラマー「The Greatest」、そして今週3位の「Cold Water」は今月15日に"公式ダンスビデオ"を公開したことでストリーミング部門がどこまで伸びるか、注目しましょう。

 

 

※追記 (7:27)

今夏、アルバム『Ology』をリリースしたばかりのR&B歌手、ガラントが英BBCで「Closer」をカバーした映像が公開されました。後半になるにつれ力強さ、そしてファルセットの美しさが際立っていく、非常に良い作品です。よろしければ是非。