イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

日本(人)”らしさ”

オリンピックに関する諸問題において、昨夜目に飛び込んできたあるツイート。「やった!ネット民の勝利w」という言葉に辟易しました。当事者じゃない人間がこぞって糾弾にだけ勤しみ、自分勝手な正義感を指標とし、集団で追い詰め、そして相手を引きずり下ろしたことを勝利と捉え嘲笑うという感覚。”w”、いわゆる草生えるという表現に、それをつぶやく者の汚さを痛感してしまいました。

無論、当事者、関係者についてはきちんと反省し、立て直さねばなりません。しかし、当事者以外の人間、および面白おかしく取り上げるメディアのやり方は、その当事者の人間性にこそ問題があるといわんばかりに執拗なまで深く入り込み、そして完膚なきまでに叩き潰さんとしており、それは反省を促すのではなく、永遠に後悔させることをよしとしていることと同義だと思うのです。こういう件は過去にも多々あり、その中で問題を起こした当事者が自死を遂げることが(あってはいけないことですが)幾度と無くありました。そうなってしまった際、追い詰めた一因である第三者側が自身の責任には目をつむり「どうしてこうなってしまったんでしょうか」というあまりに軽々しい言葉を放つ傾向がありましたが、そのうち「逃げやがった」と言い出しそうな気がしてしまい、非常に怖いのです。

 

 

諸問題において、外国からすれば、”日本は何をやっているんだ”と思われてもおかしくないでしょう。敢えて厳しい物言いをするならば、世界中に対して悪い意味での”日本(人)らしさ”を露呈させてしまったのではないかと考えます。問題そのもの(内容、決定経緯等)だけではなく、いやそれ以上に、第三者による陰湿な糾弾という点において。”おもてなし”とは真逆の”日本(人)らしさ”に、この歪んだ精神を持ち合わせる状態で、本当にオリンピックやパラリンピックを行ってよいのかと強い疑問を覚えるのです。

(個人的には、エンブレムはこっちのほうがいいと軽い気持ちでアップしたり、それを支持する人々についても、問題に漬け込むもしくはネタにする点において激しい違和感を覚えますし、だったらなぜ最初から応募しなかったのかと。責任がないからいくらでも言えるのかもしれず、その無責任な放言こそ問題でしょう。)

 

 

”らしさ”で思い出した、RHYMESTERのこの曲を貼らせていただきます。

RHYMESTERガラパゴス

ヒップホップの当事者ではない第三者による”日本にヒップホップは合わない”という発言から誕生したRHYMESTERからの回答。その第三者の根拠である”らしさ”こそ疑え、と言っています。四半世紀以上ヒップホップを牽引してきたRHYMESTERだからこそ言える言葉なのかもしれませんが、オリンピックの当事者の皆さんには彼らを見習い、自信を強く持ち、責任ある行動、責任を持った決定等でオリンピックやパラリンピックを真の成功に導いてほしいと強く願います。そして第三者には、自信とは関係のないジャンルを指摘するなとまでは言わないものの、その指摘表現こそ変えるべきであり、真に成功を願うならばどうすべきかを提言し、ただ混迷に陥れて嘲笑うというストレス解消のネタとみなすならば、(「ガラパゴス」のライムを借りるなら)”ピーチクパーチク”は言うな、と。そういう人の言葉、そして言っているときの表情は正直いって全く美しくなく、または伝染するゆえ、近づかないのが身のためです。