自分がスタッフのひとりとして携わる『わがままWAVE It's Cool!』(FMアップルウェーブ 毎週日曜17時)。今日の音楽特集では、【ギターと私】というテーマで、ギター弾きのシンガーソングライターの楽曲をお届けします。担当するDJ陣の卒業記念となる今回の特集、どうぞお楽しみに。
さて、今自分がハマっている曲があります。ギター弾きとは全く関係ないのですが、音楽ライターでDJの細田日出男氏のツイートを機に知った曲…それがシンプリ・ホイットニーの「The Best」。下記リンク先でフル試聴可能です。
もしくはiTunes Store / Apple Musicで、アルバム『Ryze Of The Phoenix』もチェック出来ます。
「90sなサウンドに80sな旋律」という細田氏の例えがしっくりきますね。歌い出しはSOSバンド「Just Be Good To Me」を想起させ(といっても出だしの一音だけですが)、90年代前半の瑞々しいアレンジにピッタリです。
この「The Best」を聴いて思い出したのが、『UK/US/ドイツなど各国のインディペンデント・レーベルからドロップされたR&B曲の中から、これはと思われる傑作を厳選、曲の並びに至るまでこだわりにこだわった』(ライナーノーツより)R&Bコンピレーションアルバム、『SOUL ESSENTIALS』シリーズ。2000年から2006年までリリースされた人気コンピレーションでした。
・コンピレーション|Soul Essentials|ローチケHMV(現在はすべて販売終了となっています)
R&B/ヒップホップ専門誌『bmr』(現在は休刊)の中で紹介されていたシングル(レコード)の中には、インディ発ゆえ手に入りにくい作品も多く、加えて当時のアメリカR&Bシーンはメロディよりもオケ重視でメロディが軽んじられた傾向があった(ように思われた)ゆえ、クラブ向きで心地良いメロディが多く収められたコンピレーションアルバムは貴重な存在だったのです。例えば第一弾作品に収められたデイジー・ヒックス「Match Made In Heaven」の心地良さはまさにこれからの季節にピッタリだったり。それゆえシリーズの大半の作品を愛聴していました。
(※イントロ部分がCD収録版と異なります)
今ではインターネットを介してインディの作品を容易に手に入れられるようになりました。が、情報が溢れる一方で、”この作品がお勧め”と提示してくれるコンシェルジュ的な役割を果たす人や媒体が減ったように思えてなりません。『bmr』が雑誌形態をやめたことで新譜レビューや先述したシングル紹介などがなくなり(新譜レビューはホームページで時々掲載されますが、毎月行っているわけではないんですよね)、どの作品を買えばよいかが見えにくくなったように思います。それゆえ、『SOUL ESSENTIALS』のような時流を反映した良曲コンピの存在は今の時代にこそ重要な役割を果たすのではないかと考えます。