ビルボードジャパンによる主要3つのチャートのうち、ソングチャートとアルバムチャートを合算したトップアーティストチャートではマイケル・ジャクソンが当週8位に上昇。2021年度初週に始まったこのチャートでキャリア初のトップ10入りを果たしています。この歌手別チャートについては弊ブログにて、木曜19時に"記事化"エントリーを用意しています。
今回は、主要チャートにおけるマイケル・ジャクソンの動向を確認します。
最新6月24日公開分のビルボードジャパンアルバムチャートでは、マイケル・ジャクソンのアルバム7作品が100位以内に登場。そのうち1982年リリースの『Thriller』が11→4位に上昇しており、ビルボードジャパンは"ハイライト"と称して伝えています。
【今週のHot Albumsハイライト】
— Billboard JAPAN(ビルボードジャパン) (@Billboard_JAPAN) 2026年6月25日
マイケル・ジャクソン
『スリラー』
自身初のビルボードジャパントップ10入り⚡
映画『Michael/マイケル』は
興行収入27億円を突破 https://t.co/8rfYXiyNmp pic.twitter.com/n0lJiB9Gqt
総合100位以内に入った作品の指標構成には特徴があります。
<ビルボードジャパンアルバムチャート マイケル・ジャクソンの作品における推移>
・11→4位 『Thriller』(1982)
(フィジカルセールス23位、ダウンロード12位、ストリーミング3位)
・45→14位 『Bad』(1987)
(フィジカルセールス47位、ダウンロード21位、ストリーミング14位)
・68→23位 『Michael/マイケル』サウンドトラック (マイケル・ジャクソン名義)
(フィジカルセールス14位、ダウンロード4位、ストリーミング28位)
・76→38位 『Off The Wall』(1979)
(フィジカルセールス41位、ダウンロード27位、ストリーミング41位)
・100位未満→59位 『Dangerous』(1991)
(フィジカルセールス85位、ダウンロード37位、ストリーミング57位)
・100位未満→90位 『The Essential Michael Jackson』(2005)
(フィジカルセールス100位未満、ダウンロード15位、ストリーミング99位)
・100位未満→95位 『HIStory: Past, Present and Future, Book I』(1995)
(フィジカルセールス94位、ダウンロード34位、ストリーミング100位)
2024年最終週にストリーミング指標が組み込まれて以降、アルバムチャートではそのストリーミング指標が上位進出そして安定という双方における大きな原動力となっています。ゆえに総合順位とストリーミング指標のそれとが比例する傾向にあるのですが、マイケル・ジャクソンの場合は多くの作品でストリーミング指標より総合の順位がわずかに上回っているという状況です。
今月のアルバムチャートでは、先月末に活動を終了した嵐の旧譜が大挙上昇したのですが、6月10日公開分で100位以内に登場した作品の大半にて、ストリーミング指標より総合の順位がわずかに下回っていました。最新チャートにおけるマイケル・ジャクソンとの違いは所有指標の動きにあり、マイケルにおいてはダウンロードのみならずフィジカルセールスも上位に登場していることが解ります。
無論店頭在庫の差等もありますが、マイケル・ジャクソンにおいては映画『Michael/マイケル』を観たかつてのファンが作品をフィジカルで買う(買い直す)という行動が想起されます。
最新6月24日公開分のビルボードジャパンソングチャートでは総合100位以内にマイケル・ジャクソンによる4曲が登場しています。
<ビルボードジャパンソングチャート マイケル・ジャクソンの楽曲における推移>
(掲載するCHART insightは有料会員が確認可能なもので、20位未満の指標順位も明示されています(ビルボードジャパンでは有料会員が知り得る情報の掲載を許可しています)。また、以下に紹介するCHART insightも同様に、有料会員が確認可能なものとなります。)
・50→32位 「Beat It」(1983)
・61→37位 「Billie Jean」(1983)
・100位未満→84位 「Thriller」(1983)
・100位未満→96位 「Bad」(1987)
ビルボードジャパンは総合50位までのポイントを可視化しており、前週および当週共に50位以内に登場した「Beat It」はポイント前週比128.5%であることが判明しています。

当週100位以内に登場したマイケル・ジャクソンの4曲における指標構成からはダウンロード(CHART insightでは紫で表示)の高さが見て取れ、先述した買い直すという行動が想起されます。また「Beat It」および「Billie Jean」ではストリーミング(青)が高く推移していますが、「Thriller」や「Bad」でもこの指標が100位未満ながら加点対象に。そして動画再生指標(赤)では「Billie Jean」以外の3曲が100位以内に登場しています。
筆者は映画未見につき、各曲がどのような形で登場するかは解りかねます。そのシーンが印象的であるほど、またミュージックビデオの再現度が高いほど動画再生指標が伸びるのではないかと推測しますが、同時にマイケル・ジャクソンのミュージックビデオが高画質化(アップコンバート)したこともプラスに作用したものと考えます。この高画質化がチャート施策の側面を持つということについては、以前紹介しています。
そしてソングチャートにおいては、ラジオ(CHART insightでは黄緑で表示)がひと足早く動いていたことが解ります。たとえば映画『Michael/マイケル』の日本での公開日を集計期間に含む6月17日公開分では、マイケル・ジャクソンによる7曲がラジオ指標100位までに登場していました。既に公開されていた海外での反応やマイケルによる作品の海外チャートでの好調を紹介する等においてラジオが積極的だったことが推測されます。
アルバムおよびソングチャートの好調を受け、マイケル・ジャクソンは6月24日公開分のビルボードジャパントップアーティストチャートでキャリア初のトップ10入りを果たしています。映画『Michael/マイケル』の公開4日目以降を集計期間とする当週はラジオが1→5位に下がるもフィジカルセールス(CHART insightでは黄色で表示)が20→14位、ダウンロード5→4位、ストリーミング16→8位、動画再生18→9位に上昇しています。

この点について、トップアーティストチャートの"記事化"エントリーにて次のように紹介しています。
(中略)
ソングチャートでも4曲が総合100位以内に登場したマイケル・ジャクソンは、歌手別チャートにてダウンロード4位、ストリーミング8位、ラジオ5位および動画再生9位となり、4指標がトップ10入り。このチャートで他に4指標以上トップ10入りを達成しているのは嵐、Mrs. GREEN APPLE、米津玄師、M!LKおよびサカナクションであり、彼らの安定したチャート動向を踏まえればマイケルも今後ヒットが継続するかもしれません。
マイケル・ジャクソンのヒットは映画『Michael/マイケル』の動向に負う部分が大きいとはいえ、しばし安定する可能性が十分考えられます。日本の最新6月26日付Spotifyデイリーチャートでは「Billie Jean」が50位以内に初めて登場したこともあり、さらに伸びるかもしれません。今後の推移に注目です。




