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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

2026年度第2四半期のビルボードジャパンソングチャート、首位曲が毎週入れ替わったことについて考える

ビルボードジャパンは当週5月27日公開分の各種チャート(グローバル関連は5月28日公開分)が2026年度上半期の最終週となり、6月5日金曜午前4時に上半期チャートを発表します。このブログでは同日午前7時公開分にて上半期チャートの主要トピックを採り上げると共に、ポッドキャスト番組『Billboard Top Hits』(通称:ポッドチャート)では同じく6月5日金曜13時過ぎに上半期チャート紹介回を配信します。

 

 

さて、主要チャートのひとつであるソングチャートの首位曲一覧をみると、第2四半期はアイドル/ダンスボーカルグループによる楽曲が毎週入れ替わっていることが解ります。なお下記表においては2026年3月4日~5月27日公開分が第2四半期に該当します。

 

第2四半期においては所有指標に強いアイドルやダンスボーカルグループの楽曲が、所有指標であるフィジカルセールス(フィジカルリリースがない場合はダウンロード)の初加算に伴い首位に到達しています。一方でその所有指標加算2週目となる翌週には嵐「Five」を除きトップ10未満へ後退、またポイント前週比は嵐「Five」においても5割を下回っています。

なおSnow Man「BANG!!」はフィジカルセールス指標加算2週目に首位に立っていますが、これは5月13日公開分の集計期間初日にデジタルが(フィジカルリリースから遅れる形で)リリースされ、ダウンロードやストリーミング指標が初加算されたことに伴う動きです。

 

2026年度ビルボードジャパンソングチャートにおける週間1~5位獲得曲一覧をみると、特にフィジカルセールス指標の強い曲がその加算2週目に総合チャートで大きく後退する傾向にあると解ります。他方、第1四半期最終週にてフィジカルセールス指標初加算に伴い総合首位に立ったM!LK「爆裂愛してる」は、その後上半期最終週までトップ10内をキープ。アイドル/ダンスボーカルグループ曲における理想の動向といえるでしょう。

 

(上記CHART insightは有料会員が確認可能なもので、20位未満の指標順位も明示されています。ビルボードジャパンでは有料会員が知り得る情報の掲載を許可しています。)

そのM!LK「爆裂愛してる」はデジタル先行リリース時から最終週までストリーミング指標(上記CHART insightでは青で表示)が常時5位以内に登場し、3月25日~5月13日公開分においては8連覇を達成。この指標の基となるStreaming Songsチャートでも、同日公開分まで8週連続で首位を記録しています。

一方で「爆裂愛してる」のStreaming Songsチャートにおける週間再生回数は、初めて制した3月25日公開分における8,162,114回が最高となっています。同週は2026年度のStreaming Songsチャートにおいて首位曲の再生回数が初めて900万を下回り、そして「爆裂愛してる」が最後にこのチャートを制した5月13日公開分における6,520,423回が今年度の首位曲で最も低い再生回数となります。

直近2週はサカナクションによる2012年リリースの「夜の踊り子」が首位に立ち、再生回数は7,351,979→7,879,504回と推移しています。他方、Streaming Songsチャート10位登場曲の推移をみると、上半期最終週となる5月27日公開分にて記録した4,193,873回がこの順位における最低再生回数に該当します。

第1四半期はStreaming Songsチャート首位曲の再生回数が2月18日公開分まで毎週1千万回を突破しながら、第2四半期においては嵐「Five」初登場時(3月11日公開分)における12,396,029回が唯一の週間1千万回超えとなります。これが、2026年度ビルボードジャパンソングチャートの首位曲において『第2四半期はアイドル/ダンスボーカルグループによる楽曲が毎週入れ替わっている』と冒頭で記した、その一因といえるでしょう。

 

Streaming Songsチャート1位および10位の再生回数、および総合ソングチャート1~5位および10位のポイント推移をグラフ化したものを上記に。2025年6月4日公開分を起点に設定したのは、2025年度下半期初週である同週にてビルボードジャパンがストリーミング指標に対するリカレントルールを導入し、ロングヒット曲の上位進出が難しくなったためです。

この期間は米津玄師「IRIS OUT」が、Streaming Songsチャートでは2025年9月24日~2026年1月14日ならびに2026年1月28日~3月4日公開分、総合ソングチャートでは2025年9月24日~11月19日、2025年12月10日および2025年12月24日~2026年1月14日公開分において首位を獲得しています。上記グラフの推移や先述した順位表を踏まえれば、極端な物言いかもしれませんが「IRIS OUT」クラスの楽曲が出ていたならば2026年度第2四半期において総合首位獲得曲の連覇等は十分考えられたかもしれません。

 

先述した「爆裂愛してる」等におけるM!LKの動向について、ストリーミングのみならず他指標も強いことで総合的にヒットしているとの見解を今月記しました(上記リンク先参照)。一方で、ビルボードジャパンソングチャートにおけるロングヒットの要となり、社会的ヒット曲においてポイント全体の半分以上を占めるストリーミングがもう少し強かったならば、第2四半期にて「爆裂愛してる」が再度首位を獲得したかもしれません。

無論、ストリーミングがもう少し強かったならばという仮定はM!LK「爆裂愛してる」に限らず、他の歌手の楽曲にも当てはまることです。そして同時に、所有指標の大きさに伴いその初加算時に総合ソングチャートで上位に進出する作品がストリーミングでも強くなったならば、その後のチャートにおける上位安定、ならびにポイント下落幅の縮小につながるはずです。

 

 

YOASOBI「アイドル」、Creepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」、Mrs. GREEN APPLE「ライラック」そして米津玄師「IRIS OUT」といった特大ヒットがほぼ毎年登場し、その勢いは1クール以上継続すると捉えています(なお「ライラック」のチャート動向が他と異なるという点についてはビルボードジャパンでもストリーミング53週連続トップ3入り…Mrs. GREEN APPLE「ライラック」の強さについて(2025年5月11日付)にて紹介しています)。そのような社会的ヒットが2026年度第3四半期以降に登場するか、そしてアイドルやダンスボーカルグループの楽曲がストリーミングに強くなるかを注視していきます。