イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

アルバム3作品同時リリースのドレイク、ビルボードジャパンにおける初週動向を確認する

来週発表される米ビルボードアルバムおよびソングチャートでは、5月15日金曜0時(米東部標準時)にアルバム3枚を同時リリースしたドレイクが他を圧倒するものとみられます。その3枚のリリース(施策)については以前採り上げました。

そして次週の米ビルボードアルバムチャートでは、『Iceman』『Habibti』および『Maid Of Honour』がトップ3を占めるとの予想が登場しています。

 

Hits Daily Doubleによるアルバムチャートは米ビルボードアルバムチャートの予想という点でも意味を持つものと捉えています。実際、米ビルボードソングチャートの予想制度が高いXアカウントのTalk of the Chartsも、このHits Daily Doubleのデータを基に米ビルボードアルバムチャートトップ3独占の可能性を示唆しています。

 

仮に『Iceman』が米ビルボードアルバムチャートで46万ユニットを記録するならば、2026年度の週間ユニット数ではBTS『ARIRANG』(4月4日付 641,000ユニット)に次ぐ2番目の数値に。一方で『ARIRANG』は初週ユニット数のうち532,000がセールス(うちフィジカルは516,000を記録)ゆえ、ストリーミングのアルバム換算分(SEA)では『Iceman』が他を圧倒するでしょう。なおHits Daily DoubleではSEAが446,036と紹介されています。

また、英アルバムチャートではドレイク『Iceman』が首位初登場。さらには『Maid Of Honour』が6位、『Habibti』が7位に入り、こちらでも3作品同時トップ10入りを果たしています。

 

 

では、日本はどうでしょう。日本の音楽チャートはビルボードジャパンそしてオリコンも月曜が集計期間初日となります。K-POPを除く洋楽(主に米発のリリース)の基本的なリリース日は金曜午前0時(米東部標準時)となり、サマータイム期間中は日本で金曜13時に解禁。それゆえ、日本の音楽チャートにおいては洋楽の初登場時における加算対象が2日半弱となり、不利になる点は否めません。

その状況下、5月11~17日を集計期間とする5月20日公開分のビルボードジャパンアルバムチャートではドレイク『Iceman』が総合30位に初登場を果たしています。一方で『Habibti』および『Maid Of Honour』は100位以内に登場していません。

ドレイクによるアルバム3作品は、ダウンロード指標(CHART insightでは紫で表示)では『Iceman』が43位、『Habibti』が75位そして『Maid Of Honour』が77位を記録していますが、ストリーミング指標(青)は『Iceman』のみ30位に入り、300位以内に登場したため加算対象となっています。

(上記CHART insightは有料会員が確認可能なもので、20位未満の指標順位も明示されています。ビルボードジャパンでは有料会員が知り得る情報の掲載を許可しています。)

 

ドレイクによる3作品は日本で大きな差が生じていますが、これは先述した集計期間もさることながら『Iceman』以外の2作品がサプライズリリースだったことも要因とみられます。その中にあって、対象期間2日半弱でストリーミング指標、総合共に30位初登場を果たした『Iceman』の動向からは、このブログにて以前紹介した日本でのヒップホップ人気(きちんと聴かれていること)があらためて読み取れるのではないでしょうか。

K-POPを除く洋楽はソングチャートで強くはなく(ただしラジオ指標の強さに伴い総合100位以内に登場することが最近増えている印象)、ヒップホップジャンルの曲は邦楽であってもそこまで強くはないと捉えていますが、アルバムチャートをみるとWatson『Soul Quake 3』が登場12週目にして23位をキープし、またヒップホップを採り入れたBTSやHANA等による作品もロングヒットに至っています。

 

 

初の1週間フル加算となる次週のチャートでドレイクの3作品がどのように推移するかを見極める必要はありますが、『Iceman』の初週動向からは日本におけるヒップホップの人気があらためて可視化されたものと捉えています。その勢いをさらに高めるにはソングチャートでの進出が欠かせないものと考えるに、日本のレコード会社はどの曲をどのように推すかを重点的に探ることが必要ではないでしょうか。