今月、2週に渡り開催されたコーチェラ・ヴァレー・ミュージック・アンド・アーツ・フェスティバル(以下”コーチェラ・フェスティバル”と表記)のヘッドライナーを務めたサブリナ・カーペンター、ジャスティン・ビーバーおよびカロルGの作品が、1週目の初日を集計開始日とする4月25日付の米ビルボード各種チャートで上昇しています。
Justin Bieber Lands Most Albums of His Career on Billboard 200, As Sabrina Carpenter & Karol G Also See Coachella Chart Bumphttps://t.co/Bjl6r3NIl0
— billboard (@billboard) 2026年4月21日
そのうちアルバムチャート(Billboard 200)の動向については上記記事でまとめられています。ジャスティン・ビーバー『Swag』やサブリナ・カーペンター『Man's Best Friend』がトップ10内返り咲きを果たしている中、注目したのはジャスティン・ビーバー『Journals』の”初登場”です。
ジャスティン・ビーバーによる旧譜の上昇はヘッドライナーを務めたのみならず、『コーチェラ・フェスティバルにて4月11日に披露され、ライブ演奏とYouTubeから直接再生された初期ヒット曲の動画を組み合わせたセットが話題となったこと』が契機に。『』内は最新の米ビルボードによる米およびグローバルソングチャートトップ10記事の翻訳エントリーからのものですが、そこではライブで披露した「Beauty And A Beat (feat. ニッキー・ミナージュ)」のグローバルチャートトップ5入りについても紹介しています。
そして、先述したように『Journals』が最新の米ビルボードアルバムチャートで111位に入り、200位以内に初登場を果たしています。この点のみに着目した記事も登場しています。
Justin Bieber’s 12-Year-Old ‘Journals’ Album Debuts on Billboard 200 After Coachellahttps://t.co/8PtUalp7FA
— billboard (@billboard) 2026年4月21日
ジャスティン・ビーバー『Journals』は元々2013年12月23日にiTunes Store限定でリリースするも、売上はルミネイト(当時はニールセン・サウンドスキャン)に報告されなかったため総合アルバムチャートへ反映されませんでした。後に同作品の限定解禁が解除され、最新チャートにてコーチェラ・フェスティバルのバズが影響したという形です。
ジャスティン・ビーバー『Journals』は『2013年に"New Music Monday"として毎週新曲を発表してきた楽曲をまとめたアルバム』(ジャーナルズ[CD] - ジャスティン・ビーバー - UNIVERSAL MUSIC JAPANより)。R&Bをメインとする作品でラッパーのゲストも目立つのですが、注視したいのはこのアルバムにR. ケリーが参加しているということ。R. ケリーは性的虐待事件に伴い、表舞台では二度と活躍できないとみられています。
『Journals』ではR. ケリーとの作品も収録されていますが、一方で『Journals』と同じ年にリリースされたアルバム『Artpop』からレディー・ガガがR. ケリーとの共演曲を削除したという事例もあり(レディー・ガガ、R.ケリーとのデュエット曲を削除。 | Vogue Japan(2019年1月14日付)参照)、事件の判断は歌手によって分かれるといえるでしょう。
そしてR. ケリー自身の作品は、少なくともSpotifyでは削除されていません(R. ケリーの歌手別ページリンク先はこちら(Spotifyでは”R・ケリー”と表記))。プレイリストを介して耳に入るという可能性を避けるべく公式プレイリストへのリストインを控えていると伺ったことがあるのですが、一方で能動的な聴取行動についてはユーザーに判断に委ねているというのがSpotifyのスタンスではと捉えています。
日本では問題行動を起こした歌手の作品を即座に販売/配信停止等に処する措置は少なくなってきましたが、直近では重大問題を起こした者が率いた組織の所属者に対しメディアが一定期間(ある程度解決するまで)起用しなかったという例がありました。その判断を100%間違いだと断言することはしませんが、止めるよりも大事なのは同種の問題や事件が二度と生まれにくい社会に改善すべく、問題等から学び動くことでしょう。
しかしながら、たとえば直近の関西方面で起きた事件に対するメディアの過熱を見る限り、日本に熟考の気配はみられにくいというのが厳しくも私見です(そのようなワイドショー型報道の視聴率が高い(ゆえにメディアが連日報じる)ならば市井の態度にも疑問を抱きます)。自ら考える気概を持つことを願うと共に、そう成ることではじめて今回紹介したSpotifyのスタンス(として筆者が推測した内容)に納得が行くのではと考えます。