最新の4月15日公開分ビルボードジャパンソングチャート(集計期間:4月6~12日)では、モナキ「ほんまやで☆なんでやねん☆しらんけど」が12位に初登場。ビルボードジャパンはチャートハイライトにて、同曲を挙げています。
【今週のJAPAN Hot 100ハイライト】
— Billboard JAPAN(ビルボードジャパン) (@Billboard_JAPAN) 2026年4月15日
モナキ「ほんまやで☆なんでやねん☆しらんけど」
総合トップ20に初登場🌟
デビュー前からSNSで話題沸騰
CD・MVの2指標がトップ10入り pic.twitter.com/ZcKxCT9Fqk
フィジカルセールスで4位を記録したモナキ「ほんまやで☆なんでやねん☆しらんけど」は、オリコンにおいてはシングル(セールス)ランキング3位および合算シングルランキング4位を記録しており、ビルボードジャパンの順位は低いように映るかもしれません。しかしながら演歌歌謡曲ジャンルの曲として、今回のチャートアクションは極めて異例であり、注目すべきことと断言可能です。
<モナキ「ほんまやで☆なんでやねん☆しらんけど」
チャート動向からみえてくること>
チャートアクションにおける注目の指標
モナキ「ほんまやで☆なんでやねん☆しらんけど」の、4月15日公開分ビルボードジャパンソングチャートにおけるCHART insightはこちら。

(上記CHART insightは有料会員が確認可能なもので、20位未満の指標順位も明示されています(ビルボードジャパンでは有料会員が知り得る情報の掲載を許可しています)。また、以下に紹介するCHART insightも同様に、有料会員が確認可能なものとなります。)
ビルボードジャパンのハイライトにあるように、モナキ「ほんまやで☆なんでやねん☆しらんけど」はフィジカルセールス(XではCDと表記 CHART insightでは黄色で表示)が4位、動画再生(MV/赤)が9位と2指標がトップ10入り。またダウンロード(紫)が26位、ラジオ(黄緑)が62位を記録したほか、ストリーミング(青)は100位未満ながら300位圏内となり加点対象となっています。
特に注目すべきは、演歌歌謡曲におけるデジタル接触指標群の加点です。ライト層(歌手のファンではないが曲が気になる方と定義)の継続的な支持が所有指標以上に反映されやすいこの指標群、とりわけストリーミングはロングヒットの柱となり、そして社会的ヒット曲の要となるものです。
デジタル接触指標群の加点は演歌歌謡曲界では異例
演歌歌謡曲界はフィジカルセールス主体に考え、フィジカルリリースにて複数種での販売を複数回行うことで売上増強につなげているのが現状です。主要ファン層の年齢上昇、CDショップ(実店舗)の減少、そしてユニークユーザー数(売上枚数に対する実際の購入者数)の多くなさという問題をジャンル全体が抱えていることを懸念し、その打破の意味でも”デジタルに明るくなる”ことが演歌歌謡曲界の重要点ではと提案してきました。
デジタル、特に接触指標群のロングヒットを重視した設計を行っているといえるビルボードジャパンのソングチャートが社会的ヒットの鑑となったことで、演歌歌謡曲ジャンルの作品がますます置いていかれている状況を踏まえれば尚の事です。
では、実際に演歌歌謡曲ジャンルの作品はビルボードジャパンソングチャートでどう推移したでしょう。以下、2025年度以降このチャートで1週以上総合100位以内に登場した曲のCHART insightを押さえます。
<2025年度以降のビルボードジャパンソングチャート
演歌歌謡曲ジャンルにおける100位以内エントリー一覧>
※ 100位以内の初登場順に掲載
・CHART insightの説明
[色について]
黄:フィジカルセールス
紫:ダウンロード
青:ストリーミング ※
黄緑:ラジオ
赤:動画再生
緑:カラオケ
濃いオレンジ:UGC (ユーザー生成コンテンツ)
(Top User Generated Songsチャートにおける獲得ポイントであり、ソングチャートには含まれません。)
ピンク:ハイブリッド指標
(BUZZ、CONTACTおよびSALESから選択可能です。)
※ 2025年下半期/第3四半期の集計期間初週以降、ビルボードジャパンはソングチャートおよびアルバムチャートのストリーミング指標にリカレントルールを導入しています。Streaming SongsチャートおよびStreaming Albumsチャート(後者は未公表)を指標化する際、ソングチャートは総合100位以内に52週、アルバムチャートでは同26週ランクインした作品に対し翌週以降減算処理を実行するというルールの導入に伴い、総合チャートにおいてロングヒット作品が上位に進出しにくくなっています。)
[表示範囲について]
総合順位、および構成指標等において100位まで表示
(CHART insight無料会員は総合および各指標20位まで表示。ビルボードジャパンは有料会員のみが知り得る情報の掲載等を許可しています。)
[チャート構成比について]
累計における指標毎のポイント構成
・山内惠介「北の断崖」
ビルボードジャパンソングチャート 最高74位 (2025年3月5日公開分)
初登場時におけるフィジカルセールス 15,047枚
ソングチャート100位以内滞在 1週
・SHOW-WA「外せないピンキーリング」
ビルボードジャパンソングチャート 最高7位 (2025年4月9日公開分)
初登場時におけるフィジカルセールス 53,892枚
ソングチャート100位以内滞在 1週
・風輪「天使と悪魔の愛し方」
ビルボードジャパンソングチャート 最高97位 (2025年4月23日公開分)
初登場時におけるフィジカルセールス 14,717枚
ソングチャート100位以内滞在 1週
・純烈「二人だけの秘密」
ビルボードジャパンソングチャート 最高92位 (2025年6月18日公開分)
初登場時におけるフィジカルセールス 10,522枚
ソングチャート100位以内滞在 1週
・SHOW-WA & MATSURI「僕らの口笛」
ビルボードジャパンソングチャート 最高4位 (2025年6月25日公開分)
初登場時におけるフィジカルセールス 95,341枚
ソングチャート100位以内滞在 2週
・新浜レオン「Fun! Fun! Fun!」
ビルボードジャパンソングチャート 最高56位 (2025年9月17日公開分)
初登場時におけるフィジカルセールス 18,425枚
(フィジカルセールス指標初登場時における売上 13,687枚 (2025年4月23日公開分))
ソングチャート100位以内滞在 1週
・MATSURI「アガベの花」
ビルボードジャパンソングチャート 最高9位 (2025年10月15日公開分)
初登場時におけるフィジカルセールス 65,065枚
ソングチャート100位以内滞在 1週
・SHOW-WA「東京ジャンクション」
ビルボードジャパンソングチャート 最高4位 (2026年1月14日公開分)
初登場時におけるフィジカルセールス 107,371枚
ソングチャート100位以内滞在 1週
・山内惠介「この世は祭り」
ビルボードジャパンソングチャート 最高86位 (2026年3月4日公開分)
初登場時におけるフィジカルセールス 11,331枚
ソングチャート100位以内滞在 1週
・モナキ「ほんまやで☆なんでやねん☆しらんけど」
ビルボードジャパンソングチャート 最高12位 (2026年4月15日公開分)
初登場時におけるフィジカルセールス 28,949枚
ソングチャート100位以内滞在 1週
・真田ナオキ「陽が沈む前に…」
ビルボードジャパンソングチャート 最高83位 (2026年4月15日公開分)
初登場時におけるフィジカルセールス 10,661枚
ソングチャート100位以内滞在 1週
また、昨年の『NHK紅白歌合戦』(NHK総合ほか)に出場した演歌歌謡曲ジャンルの歌手における、今年リリースのフィジカルシングル表題曲動向はこちら。
(フィジカルシングルのリリース順に掲載。なお2026年において、新浜レオンさんは現時点までにフィジカルシングルをリリースしていません。)
・三山ひろし「花とサムライ」
ビルボードジャパンソングチャート未ランクイン
フィジカルセールス指標初登場時における売上 1,842枚 (2026年1月14日公開分)
・氷川きよし「ほど酔い酒」
ビルボードジャパンソングチャート未ランクイン
フィジカルセールス指標初登場時における売上 3,670枚 (2026年2月4日公開分)
・天童よしみ「旅路」
ビルボードジャパンソングチャート未ランクイン
フィジカルセールス指標初登場時における売上 1,038枚 (2026年2月4日公開分)
・純烈「ありがとう」
ビルボードジャパンソングチャート未ランクイン
フィジカルセールス指標初登場時における売上 2,906枚 (2026年2月11日公開分)
・坂本冬美「遠い昔の恋の歌」
ビルボードジャパンソングチャート未ランクイン
フィジカルセールス指標初登場時における売上 796枚 (2026年3月11日公開分)
・水森かおり「恋の終わりの名古屋にひとり」
ビルボードジャパンソングチャート未ランクイン
フィジカルセールス指標初登場時における売上 4,038枚 (2026年4月8日公開分)
・石川さゆり「日々呉々と」
ビルボードジャパンソングチャート未ランクイン
フィジカルセールス指標初登場時における売上 不明
(2026年4月15日公開分にて初ランクインも、50位未満(97位)につき枚数は未開示)
演歌歌謡曲界のCHART insightをみると、フィジカルセールス指標の乱高下が目立ちます。先述した複数種×複数回リリースもさることながら、キャンペーンの開催も影響しているものと思われますが、一方でそのフィジカルセールスは若手ほど高い傾向にあることも(売上枚数も含めて)みえてきます。
一方で、モナキ「ほんまやで☆なんでやねん☆しらんけど」以外の作品で動画再生指標が300位以内に入ったことがあるのは山内惠介「北の断崖」のみであり、それも100位未満に1週のみとなっています。そしてストリーミング指標においてはモナキ以外いずれも加点されたことはありません。接触指標群の動向ひとつをとっても、「ほんまやで☆なんでやねん☆しらんけど」が異例の人気となっていることが解るでしょう。
デジタルを味方につけることの、音楽チャートへの結実
モナキ「ほんまやで☆なんでやねん☆しらんけど」は”デビュー前からSNSで話題沸騰”と、ビルボードジャパンがハイライトにて紹介しています。この点についてはSNSの施策等、プロモーションの方針(転換)が大きかったことが下記記事から読み取れます。
レコード会社の担当者は「運です」と謙遜するが、酒井の構想では「純烈ではあまりやってこなかったデジタル戦略をやってみよう」という狙いがあったという。SNSの活用に長(た)けたスタッフをチームに加え、キャンペーンでのミニライブの動画撮影、SNS投稿をOKにしたところ純烈ファンが投稿したパフォーマンス動画がTikTokで火がついた。
そして、デビュー日における施策についてはこのブログで紹介しています。CDとデジタルの同日リリース、YouTubeでのコール講座公開とデビューイベントとの連動等、”フィジカルとデジタル” ”ネットとリアル”の合致がチャートアクションに結実したといえるでしょう。
TikTokでの人気曲が必ずしも総合ソングチャートでヒットするわけではないため、この動きはやはり特筆すべきと考えます。
次週のチャート動向が重要
モナキ「ほんまやで☆なんでやねん☆しらんけど」においては、次週総合100位以内に登場を続けるかが重要ポイントと捉えています。先述した2025年度以降における演歌歌謡曲ジャンルのチャート動向をみると、SHOW-WA & MATSURI「僕らの口笛」のみ通算2週ランクインしているものの非連続であり(初の100位以内エントリーの4週後に97位に再登場)、連続での100位以内登場がロングヒットの点にて最低条件に成ると考えます。
最後に:紅白はどうなる、そして演歌歌謡曲界はどう動く
気が早いことは承知で、しかし演歌歌謡曲界での話題曲登場が久々と考えれば、モナキの『NHK紅白歌合戦』(以下”紅白”と表記)への出場は十分あり得るでしょう。フィジカルセールスではSHOW-WA、MATSURIおよび2組のコラボレーション作品に初動では及ばないものの、昨年の同ジャンルにおける出場歌手に比べても十分な成績を収めています。ロングヒット、そしてNHKへの貢献(出演等)が今後重要に成るものと考えます。
なおチャート成績において、M!LKが昨年「イイじゃん」で紅白初出場を果たした一方で同曲の初出場アナウンス時におけるビルボードジャパンソングチャートの最高位は45位となっていました。SNS人気と総合ソングチャートとの乖離も考えられますが、M!LKの出場からは紅白側がネットでのバズも考慮に入れていることが証明されたといえます。そう考えれば尚の事、モナキの出場はあり得るはずです。
そうなった際、先輩である純烈等と出場枠を競う形になるか、もしくは演歌歌謡曲の枠が純増となる可能性も考えられます。後者ならばたとえばアイドルやダンスボーカルグループの枠が減ることも想起可能ゆえ、他のジャンルが枠数を確保するためには社会的ヒットを輩出することが必要となるでしょう。
そして、モナキ「ほんまやで☆なんでやねん☆しらんけど」のヒットについて、演歌歌謡曲界がどう考えるかを注視しています(尤も同曲の次週以降の動向も注視が必要ですが)。この曲のヒットを特殊と一蹴するならば、このジャンルでのデジタル重視姿勢は生まれないでしょう。演歌歌謡曲ジャンルを音楽ファンに広く浸透させ将来のコアファンに成り得るライト層を掴むためにも、デジタルに明るくなることは必須です。

















