イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

全楽曲をサブスク解禁したKAT-TUNのチャート動向と、そこからみえてきた更なる解禁の必要性について

ソングチャートとアルバムチャートを合算したビルボードジャパンによるトップアーティストチャート、最新4月1日公開分(集計期間:3月23~29日)ではKAT-TUNが82→12位に上昇しています。

このトップアーティストチャートについてはビルボードジャパンにて記事が用意されていないため、勝手ながら弊ブログにて毎週木曜19時に”記事化”。最新4月1日公開分については以下のように記しました。

トップ10未満をみると、KAT-TUNが82→12位に急上昇を果たしています。これはデビュー20周年記念となる3月22日に全曲のサブスク解禁を実施し、当週初の1週間フル加算となったことが反映されています。ソングチャートでは「Real Face」(46位)等2曲、アルバムチャートでは『10TH ANNIVERSARY BEST "10Ks!"』(10位)をはじめとする5作品が、総合100位に登場。いずれもストリーミングが牽引しています。

 

(上記CHART insightは有料会員が確認可能なもので、20位未満の指標順位も明示されています(ビルボードジャパンでは有料会員が知り得る情報の掲載を許可しています)。また、以下に紹介するCHART insightも同様に、有料会員が確認可能なものとなります。)

最新4月1日公開分のソングチャートでは「Real Face」が46位、「Keep the faith」が96位に。前週の集計期間最終日に(既に配信されていた以外の作品が)デジタル解禁され、前週はダウンロード指標主体に登場、そして当週は初の1週間フル加算に伴いランクインしています。累計ポイント構成比をみると、青で表示されるストリーミング指標の存在が目立ちます。

そして最新のビルボードジャパンアルバムチャートではベストアルバム『10TH ANNIVERSARY BEST "10Ks!"』が10位に入ったほか、計5作品が100位以内に登場。このベストアルバムについてはビルボードジャパンもハイライトとして発信しています。

注目は構成3指標の動向。『10TH ANNIVERSARY BEST "10Ks!"』はフィジカルセールスが300位未満、ダウンロードは26位、そしてストリーミングは9位となっています。ストリーミングの上昇は1週間フル加算であることもさることながら、KAT-TUNの全作品サブスク解禁に伴い気軽にチェックできるようになったことで、コアファンおよびライト層の双方から歓迎されたことの証明といえるでしょう。

他にランクインした4作品の総合および各指標の順位は『Best of KAT-TUN』(総合19位/フィジカルセールス300位未満/ダウンロード34位/ストリーミング17位)、『cartoon KAT-TUN II You』(24位/300位未満/84位/22位)、『KAT-TUN III QUEEN OF PIRATES』(43位/300位未満/77位/40位)、『Break the Records-by you & for you-』(72位/300位未満/85位/71位)となっており、いずれの作品もストリーミングが大きな役割を果たしています。

 

デジタル解禁後初の1週間フル加算であること、またその解禁がデビュー20周年記念日であることを踏まえれば、KAT-TUNの作品群は当週がチャート上でのピークになるかもしれませんが、今回の上昇からはデジタル、特にサブスク解禁の意義の大きさが解るはずです。またデジタルで聴かれるという導線ができたことで、今後何かしらのきっかけで再浮上する可能性が高まったともいえるでしょう。

 

 

さて、注目したのはストリーミングだけではありません。「Real Face」においては当週、動画再生指標が35位に登場しています。この順位は同曲におけるストリーミング指標(54位)を上回るものです。

「Real Face」には3人体制での「Real Face#2」が存在し(フィジカルシングル「Ask Yourself」の通常盤に収録)、同曲のライブパフォーマンス映像が3月22日夜に公開されています。しかしながら、トップアーティストチャートの動画再生指標においてこのバージョンがカウント対象になっていないことが下記CHART insightから見て取れます。

考えられるのは、このライブパフォーマンス映像に付番された動画が「Real Face#2」ではなくオリジナルバージョンである可能性(動画再生指標はISRC(国際標準レコーディングコード)が付番された動画をカウント対象とします)、そしてKAT-TUNの音源等をまとめている”KAT-TUN - トピック”の公式YouTubeアカウント(→こちら)に掲載されたオーディオの再生回数の大きさが動画再生指標の加点につながっただろうということです。

そしてここから、ミュージックビデオを解禁すれば動画再生指標や総合チャートでも伸びた可能性が考えられます。所属先のStorm Labelによる公式YouTubeチャンネルではKAT-TUNの公式映像集がプレイリスト化されていますが(→こちら)、現時点で「Real Face」等のミュージックビデオはありません。他方、3月22日に公開された「Real Face」オーディオ動画の現時点での再生回数はプレイリスト動画集に肩を並べつつあります。

サブスク解禁を知り、ミュージックビデオの解禁も行われたと捉えた方が少なからずいらっしゃるかもしれません。結果的に解禁されていないと知り愕然としつつ、YouTubeでオーディオ動画に触れた方の存在が今回のチャート動向から可視化されたのではないでしょうか。

 

 

そのニーズを踏まえれば尚の事、KAT-TUNのミュージックビデオ解禁は必須でしょう。そしてデジタルアーカイブの充実は以前STARTO ENTERTAINMENTに所属していた歌手、またデジタル解禁を始めながらその後もフィジカル優先姿勢を続ける同事務所所属歌手においても、同様に必要と考えます。

 

 

最後に。今回のKAT-TUNデジタル解禁を踏まえ、日本に蔓延る”反省と更正に対する考え方”が変わることを願うという意味で以前記した内容を再掲します。

なお本日KAT-TUNによる全曲がサブスク解禁されていますが、番組でこのようなことを発信したばかり。ゆえに尚の事、解禁に安堵しています。

 

ラジオ番組『imaoto on the Radio』#025 放送後記 (OA楽曲一覧掲載)(3月22日付)より