イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

BTS『ARIRANG』収録曲の日本におけるチャート動向、そして米での「SWIM」2週目予想について

最新4月1日公開分(集計期間:3月23~29日)のビルボードジャパンソングチャートでは、BTS『ARIRANG』収録の14曲すべてが100位以内にエントリーを果たしています。下記は同日公開分チャートに基づくストリーミング表となります。

4月1日公開分のビルボードジャパンソングチャートでは『ARIRANG』のリード曲である「SWIM」が17→3位、冒頭を飾る「Body to Body」が80→17位に上昇したほか、残る12曲が100位未満から100位圏内に上昇。牽引しているのはストリーミングであり、指標の基となるStreamimg Songsチャートでは92位まで、指標化後は62位までにいずれもランクイン。ストリーミングの好調が総合アルバムチャート2連覇にもつながっています。

 

一方、ストリーミング表に掲載した主要サブスクサービスでは順位に違いが生まれています。尤も各サービスで集計期間に違いがあることも影響しているとして、『ARIRANG』リリース日を集計期間初日とするSpotifyでは65位まで、また日本で最大のシェアを有するとみられ且つビルボードジャパンと集計期間を同一とするApple Musicでは94位までに全曲が登場。総合100位以内エントリーの礎となっています。

一方で注視したいのはLINE MUSICの動向です。このチャートの集計期間初日が『ARIRANG』リリース6日目であることも影響しているかもしれませんが、週間100位以内登場は8曲と多くありません。加えて「SWIM」と他の曲とで順位に大きな開きがあることも特徴です。

BTSは「SWIM」にてLINE MUSIC再生キャンペーンを開催し、対象期間はアルバムリリース日から本日いっぱいとなっています。再生回数ハードルは700回および1,000回に設定されており、このキャンペーンの存在がLINE MUSICにおける「SWIM」と他の曲での乖離の要因といえるでしょう。

更に注目は、上記ポストが長い間Xにて固定化されている模様であること。注目を集めやすい場所に置くことでキャンペーンの参加を促すのみならず、キャンペーン未参加の方に対してもBTSの音楽チャートに対する意志を伝えることができるという働きを担っているのかもしれません。米ビルボードソングチャートにおける意志については下記エントリーで記していますが、日本のチャートも意識しているのではと感じた次第です。

 

 

ではその米チャートはどうでしょう。BTSは米ビルボードによる最新4月4日付アルバムおよびソングチャート(集計期間:3月20~26日)を制していますが(上記エントリー参照)、次週においても上位をキープするものとみられています。

次週4月11日付(集計期間:3月27日~4月2日)の米ビルボードアルバムチャートについては、HITS Daily Doubleが『ARIRANG』の2連覇を発信しています。

さらにはソングチャートにて、BTS「SWIM」はダウンするもトップ3に入るのではとみられています。予想精度の高さで知られるXアカウントのTalk of the Chartsは現時点で最終予想を発信していませんが、初期段階では9位としていた「SWIM」について、中間予想では3位に繰り上げています。

予想順位を中間段階で上げた背景には、デジタルダウンロードの追加が影響しています(Talk of the Chartsのポストを参照→こちら)。この施策がダウンロード指標を押し上げ、総合でも上位をキープするものと考えられます。

 

ただ、サブスクサービスで展開している『KEEP SWIMMING』はアルバム(EP)として販売されていません。iTunes Storeにて”KEEP SWIMMING”と入力しても当該作品は登場せず、またBTSのiTunes Storeでもこのアルバムは販売されていないことが見て取れます(後者については上記ポスト内キャプチャを参照)。

この点から、単曲での販売がソングチャート向けの施策だと理解できる一方で”なぜまとめて販売しないのか”という思いは拭えません。

 

今回の施策からは、リミックスをサブスク解禁せずダウンロード販売にとどめたテイラー・スウィフト「The Fate Of Ophelia」のそれを想起した次第です(後述するエントリー参照)。尤もBTS『KEEP SWIMMING』とは内容が異なるとして、しかしダウンロードとストリーミング、また単曲とフルでのダウンロードにて差を設けることを憂慮しています。

米ビルボードに対してはダウンロード解禁/サブスク未解禁の曲、また歌手のサイトで販売されながら発送日が未記載のフィジカルが今後出てくるならばその盤について、計算から除外すべきか議論することを願います。

”サブスク解禁は行わず、ダウンロード販売のみにとどめる”テイラー・スウィフトの施策をあらためて問う(1月23日付)

どの歌手による実行かに関係なく、違和感のある施策についてはチャートポリシー(集計方法)の再考が必要と考えます。音楽チャート管理者にはそれを求めると共に、最終的に変更に至ったならばその旨を明記することを願います。