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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

稲葉浩志によるカバーの影響でカラオケ急浮上の岩崎良美「タッチ」、デジタルアーカイブを充実していたならば

最新3月18日公開分ビルボードジャパンソングチャートでは、稲葉浩志「タッチ」が2位に上昇。このチャートアクションについては、下記エントリーにて紹介しています。

稲葉浩志さんによるカバーバージョンの今後の動向も注目ながら、オリジナルバージョンである岩崎良美「タッチ」の盛り上がりについても捉える必要があります。

 

テレビアニメ『タッチ』(フジテレビ)のオープニングテーマ曲として1985年3月21日にリリースされた岩崎良美「タッチ」は、当時オリコンで最高12位を記録。その後も長く支持された同曲は昨年3月、ダウンロードが25万に達しています(2025年3月度ダウンロード認定~nobodyknows+「ココロオドル -original version-」がダブル・プラチナ認定 | 一般社団法人日本レコード協会のプレスリリース - PR TIMES(2025年4月18日付)参照)。

岩崎良美「タッチ」はカラオケでも長くヒットしているのですが、当週は大きく上昇しています。

(上記は岩崎良美「タッチ」における、直近60週分のCHART insight。カラオケ指標は緑で表示されます。)

ビルボードジャパンがソングチャートにカラオケ指標を組み込んだ2019年度初週以降、(コロナ禍での同指標集計休止期間を除き)カラオケが常時300位以内に入り加点され続けていた岩崎良美「タッチ」は、最新3月18日公開分にて同指標53→28位に上昇し、初めて40位以内に進出。稲葉浩志さんによるカバー効果といえるでしょう。さらにオリジナル版は当週、ダウンロードや動画再生指標も300位以内に入り加点されています。

岩崎良美「タッチ」においては、NHKから動画を貸与しレコード会社側の公式YouTubeチャンネルで公開した効果が動画再生指標に表れたといえます。この指標はISRC(国際標準レコーディングコード)が付番された動画がカウントの対象となりますが、ISRCは音楽パートナーと位置付けられたチャンネルのみが付番可能であり、テレビ局や番組、アニメ制作会社等の公式チャンネルでは付番できません。違法アップロードも同様です。

 

人気のカバーバージョンがオリジナル版の注目度上昇に寄与するならばそのカバー版リリースまでに、いやいつ何時でもブレイクする可能性を踏まえてデジタルアーカイブをきちんと充実させるのが重要だということが、上記施策から理解できるはずです。アニメ作品とのコラボレーション動画をそのアニメ制作会社や放送/上映サイドではなく歌手側のチャンネルで発信し、音楽チャートに活きた事例も少なくないゆえ尚の事です。

デジタルアーカイブの充実は音楽チャートで有利になるという意味でも重要ですが、今回においては”カバーバージョンを経てオリジナル版を探る傾向にある”という人間の心理を踏まえ、尚の事必要だったと考えます。選抜高等学校野球大会が始まり応援歌として「タッチ」が使われる機会も増えるならば、今回のように岩崎良美さんのパフォーマンス映像を公開したり、アニメとのコラボ動画を用意するのも好かったはずです。

 

 

そのようなデジタルアーカイブの充実が前もって行われていたならば、岩崎良美「タッチ」はビルボードジャパン総合ソングチャートで100位以内に入った可能性もゼロではなかったと捉えています。しかし施策は今からでも遅くはありません。今その種を蒔くことで、たとえば高校野球の話題の度にオリジナルバージョンの「タッチ」が上昇し、且つその上昇度はこれまで以上に高くなることでしょう。