一昨年夏以降再開したこのエントリーですが、タイトルを”前週トップ10初登場曲の最新動向”とした上で、副題を新たに設けています。前週の内容はこちら。
ビルボードジャパンソングチャートの動向を分析する者として、真の社会的ヒット曲とはロングヒットする、年間チャートで上位に進出する作品と考えます。週間単位で上位に入るのは好いことですが、他方で所有指標が極度に強い曲は加算2週目に、また接触指標が所有指標的な動きをなぞる曲(主にLINE MUSIC再生キャンペーン採用曲)はキャンペーン終了後に指標が大きく後退し、総合でも急落することが少なくありません。
この急落は毎週のようにみられます。ソングチャートのトップ10は多いときで5曲程度が毎週入れ替わり、ロングヒットするか否かが極端に分かれます。主にライト層の支持が反映されるストリーミングがロングヒット曲では強い一方、急落する曲はコアファンとライト層との乖離が大きいのですが、これらを1週分のチャートの順位およびポイントのみで判断することは、現状では難しい状況です。
そのため、このブログエントリーではビルボードジャパンに対しチャートポリシー(集計方法)の改善も提案していますが、あくまで自分なりのと前置きしつつもチャートの見方を提示したいと考えたのが、エントリー掲載の理由です。
<2月18日公開分 ビルボードジャパンソングチャート
前週初めてトップ10入りした作品の、前週および当週におけるCHART insight>
※CHART insightの説明
[色について]
黄:フィジカルセールス
紫:ダウンロード
青:ストリーミング
黄緑:ラジオ
赤:動画再生
緑:カラオケ
濃いオレンジ:UGC (ユーザー生成コンテンツ)
(Top User Generated Songsチャートにおける獲得ポイントであり、ソングチャートには含まれません。)
ピンク:ハイブリッド指標
(BUZZ、CONTACTおよびSALESから選択可能です。)
[表示範囲について]
総合順位、および構成指標等において20位まで表示
[チャート構成比について]
累計における指標毎のポイント構成
・Snow Man「STARS」
2月11日公開分 1位→2月18日公開分 17位
また、前週トップ10内に再浮上した作品の当週動向はこちら。
・Snow Man「カリスマックス」
2月11日公開分 10位→2月18日公開分 12位


当週のストリーミング表はこちら。



前週はSnow Manによる新曲「STARS」が初登場し、そのタイミングでロングヒット曲「カリスマックス」が再浮上を果たしています。2曲について紹介した前週のエントリーでは、このような内容で締めくくっています。
「STARS」のリリースやヒットに伴い、当週のソングチャートでは「カリスマックス」がトップ10内に返り咲いています。ポイント前週比は99.3%となり前週をわずかに下回るものの、他のランクイン曲に比べればかなり好い数値です。新曲が過去曲をフックアップするという動きが表れたと考えるに、「カリスマックス」を含むアルバム『音故知新』が未だデジタル解禁されない状況は機会損失ではないかと捉えています。
『新曲が過去曲をフックアップするという動きが表れた』と記しましたが、新曲の登場は旧譜全体もフックアップする可能性が高いことが以下から判ります。

(上記CHART insightは有料会員が確認可能なもので、20位未満の指標順位も明示されています(ビルボードジャパンでは有料会員が知り得る情報の掲載を許可しています)。また、以下に紹介するCHART insightも同様に、有料会員が確認可能なものとなります。)
ソングチャートとアルバムチャートを合算したビルボードジャパントップアーティストチャート、Snow Manの直近11週分のCHART insightを上記に。「STARS」初登場の2月11日公開分(CHART insightの272週目に該当)ではダウンロードが27→1位、ストリーミングが21→15位、ラジオが300位未満→2位、動画再生が5→4位、カラオケが70→68位に上昇。新曲の勢いに因る部分は大きいものの、旧譜の上昇も影響したと捉えています。
他方、フィジカルセールス指標は28→29位と後退していますが、最新アルバム『音故知新』は現時点でもデジタル解禁されていないため(「カリスマックス」は単曲でデジタルリリース)、仮にアルバムをきちんと解禁すれば新曲がアルバムもフックアップし、所有行動を採る方の中にフィジカルを選択するという流れも生まれたのではと考えます。
さて、新曲の登場が旧譜全体もフックアップするという流れは、M!LKから強く感じています。最新2月18日公開分のビルボードジャパンソングチャートでは「爆裂愛してる」が6位に初登場、また「好きすぎて滅!」が5位をキープしていますが、後者はポイント面で前週超えを果たしています。

M!LKのトップアーティストチャート、直近11週分におけるCHART insightをみると構成6指標はほぼすべて上昇していることが解ります。ダウンロードは13→6位、ストリーミングは11→7位、ラジオは79→45位、動画再生は5→4位と上昇、カラオケは9位をキープし、そしてフィジカルセールスも100位未満→96位と推移しています。このフィジカルセールスについては、旧作アルバムの上昇も影響していると捉えています。
M!LKは新曲「爆裂愛してる」がソングチャートで6位に初登場したこともあり、歌手別チャート構成6指標はカラオケ以外すべて上昇、またカラオケも前週の順位をキープしています。さらにメジャーデビュー以降のアルバム2作品がアルバムチャートで上昇しています(『M!Ⅹ』(2025)は42→38位、『Jewel』(2023)は46→39位)。ストリーミングの強さもさることながら、フィジカルセールスが緩やかに伸びている点にも注目です。
次週は「爆裂愛してる」にフィジカルセールス指標が初加算され、売上は前作を超える可能性も考えられます。その際、旧譜人気がさらに高まったならば(フィジカルセールスが上昇すれば尚の事)、歌手の人気拡大が見て取れるでしょう。
当週のビルボードジャパンアルバムチャートでは『M!Ⅹ』のフィジカルセールス指標が100位未満→97位と推移しています。他方『Jewel』はこの2週続けてフィジカルセールス指標300位未満ながら『M!Ⅹ』共々ダウンロード指標が上昇しており(『M!Ⅹ』は71→48位、『Jewel』は79→31位に)、フィジカルセールスも再浮上する可能性が考えられます。
フィジカルセールスが上昇することは、曲が気になるものの歌手のファンではなかった方々が高い話題性を経てコアファンに昇華した、その最大の証明と捉えていいはずです。このタイミングで新たなフィジカルシングル「爆裂愛してる」をリリースし、さらに同曲では施策も徹底していることから、次週は新曲のチャートアクションは勿論のこと、旧譜の動向、特にフィジカルセールスがどう推移するかに注目です。

