timeleszの勢いが止まらない状況といえます。
timelesz『タイムレスマン』ゴールデン昇格🎊
— オリコンニュース (@oricon) 2026年2月16日
8人が記者発表に登壇
「僕たちらしくやっていけたら」
「全力でぶつかっていきたい」
ゴールデンに先駆け
3/20(金)にフライング特番も決定❗️https://t.co/rfkNozAxWO
#タイムレスマン @timeleszman_cx pic.twitter.com/qRZAloJ0sf
<ライブレポート>timelesz、経験も個性も異なる8人の成長と絆が結実した東京ドーム最終日 https://t.co/wbsGXPHArj
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2026年2月16日
timeleszは地上波レギュラー番組のうち『タイムレスマン』(フジテレビ)が4月から金曜22時台に移動し、いわば昇格した形です。また音楽活動においては、初のドームツアー『We're timelesz LIVE TOUR 2025-2026 episode 1 FAM DOME』を今月まで計6公演開催しています(上記ビルボードジャパンの記事はそのライブレポートとなります)。
勢いが止まらないといえる一方、音楽チャートでの動向はやや異なるというのが率直な私見です。

上記はビルボードジャパンによるソングチャートとアルバムチャートを合算したtimeleszのトップアーティストチャート、直近2月11日公開分までの60週分におけるCHART insight。こちらは有料会員が確認可能なもので、20位未満の指標順位も明示されています(ビルボードジャパンでは有料会員が知り得る情報の掲載を許可しています)。また、以下に紹介するCHART insightも同様に、有料会員が確認可能なものとなります。
timeleszは昨年2月、8人体制初の作品となる「Rock this Party」、およびSexy Zone時代の曲も含むコンピレーションアルバム『Hello! We're timelesz』にて、キャリア初となるデジタル解禁を果たしています。上記CHART insightではストリーミング指標が青で表示されますが、そのストリーミングが最初の盛り上がり以降比較的早く後退するも、アイドルやダンスボーカルグループの中では好調だったと読み取れます。
一方、黄色で表示されるフィジカルセールス指標の上位進出時にて、ストリーミングが呼応したとは言い難い状況です。フィジカルセールスはアルバム『FAM』そしてシングル「Steal The Show」の初加算時に上昇していますが、『FAM』のデジタル解禁はリリースからおよそ半年後に行われており、その遅れが影響したといえます。そして「Steal The Show」については、現時点でもデジタル解禁されていません。

アルバム『FAM』は初週フィジカルセールスが65万近くに達し、キャリア初となるハーフミリオンを達成。この点を踏まえ、オーディションによるメンバー拡充が勢いの増幅につながり、timeleszが"売れた"と捉える方は多いでしょう。一方で長きに渡りデジタルを味方につけなかったため、初登場の2週後には総合100位未満へ後退。音楽チャートにて継続的な人気に至らなかったといえます。
デジタルを味方につけるという点は、たとえば同じSTARTO ENTERTAINMENTに所属するTravis Japanの最新アルバム動向からみえてきます。


Travis Japan『's travelers』は初週フィジカルセールスがtimelesz『FAM』の23.1%と大きくはないものの、ストリーミング指標が好調をキープしています。この点についてはライブ開催中であること、またファンカム(観客の撮影映像)がYouTubeにアップされることでサブスク聴取につながっている可能性を、このブログでは指摘しています。
同様にツアーを実施したtimeleszも最新アルバム『FAM』がサブスクで安定しているとはいえますが、フィジカルセールスの規模にストリーミングが付いてきているとは言い難いと捉えています。
STARTO ENTERTAINMENT所属ではありませんが、M!LKとの比較からも見えてくるものがあるでしょう。

「イイじゃん」のバズで知名度を高めたM!LKは、続く「好きすぎて滅!」がロングヒットのフェーズに。来週のチャートではその「好きすぎて滅!」、そして「爆裂愛してる」をダブルAサイドとするシングルのフィジカルセールスが初めて加点されますが、そのタイミングでのストリーミングの推移に注目です。
M!LKのCHART insightにて重要なのは、赤で示される動画再生、そして緑のカラオケといった指標群。動画再生はストリーミングと比例する傾向にあるのみならず、アイドルやダンスボーカルグループでは特に強いとされる指標ですが、M!LKはこの指標での強さが際立っています。またカラオケは全体的に旧譜が強い傾向ながら、「好きすぎて滅!」のヒットに伴いM!LKは2週続けてこの指標がトップ10内にランクインしています。
他方、timeleszは昨年11月19日公開分を最後に動画再生指標が300位未満となり加点されていません。またカラオケ指標は昨年4月上旬に2週連続で加点されるも、以降は300位未満を続けています。timeleszと同様にオーディションを経て人気が高まったHANAとも比べれば尚の事、timeleszの状況が理解できるはずです。

timeleszはフィジカルセールス面で、STARTO ENTERTAINMENTの中ではSnow Man(が飛び抜けている状況ですが)に次ぐ地位を築いたといえます。地上波テレビ局で複数の冠番組を持ち、そのひとつがプライムタイムに昇格したこともあり尚の事、メンバーの菊池風磨さんが言い続けた"売れたい"という希望は大分叶ったといえるかもしれません。一方で音楽チャートにおいては売れたとして、売れ"続けている"とは断言できかねます。
現在の社会的ヒット作品は、ストリーミングや動画再生といった接触指標群がロングヒットし、複合指標から成る総合チャートにおいて年間単位で上位に進出することを指します。無論一週分での強さも好いことですが、複数週でみることの必要性については毎週土曜に掲載している"CHART insightからヒットを読む"カテゴリーのエントリー等にて紹介している通りです。
アイドルやダンスボーカルグループはカラオケ指標が強くない中、M!LKは「好きすぎて滅!」で大きく浮上。Snow Man「カリスマックス」やBE:FIRST「夢中」も加点されています。timeleszも「Rock this Party」で加点対象となりながら持続しなかったのは実に勿体無く、ストリーミング人気が高かった同曲を収録した『FAM』が早い段階でデジタル解禁されたならば、「Rock this Party」のカラオケ指標再加点もあり得たと考えます。
『FAM』を引っ提げたドームツアーの最中にストリーミング指標がそこまで大きく上昇しなかったのは、timeleszの作品をサブスクで聴くという意識が広く音楽ファンに浸透しているとは言い難いゆえではと感じます。オーディションを経て熱心なコアファンが一気に増えた状況ではありますが、そのコアファンが気軽に聴くことができ、そしてコアファン候補となるライト層を育てるためにも、サブスクの意識付けは必要でしょう。
そして動画再生指標の未加点が3ヶ月続く状況は気掛かりです。動画が好調でもカウント対象となるISRC(国際標準レコーディングコード)が付番されていない(外れた)可能性もありますが、だとすれば早々に気付くべきでしょう。そしてYouTubeで公開するミュージックビデオが短尺版("YouTube Ver.")であることも、動画の継続的な再生につながりにくい一因と考えます。
先述したTravis JapanやM!LK、そしてSnow Manは公式YouTubeチャンネルの中でバラエティ要素の強い動画を定期的に公開しています。また最新2月11日公開分ビルボードジャパンアルバムチャートで総合100位以内に返り咲いて以降10週連続ランクイン、且つ返り咲き後最高位に至ったMAZZEL『Parade』については、個々の活動のみならず公式YouTubeチャンネルのバラエティ動画における話題も反映されたものと捉えています。

timeleszが自らの音楽作品をライト層やグレーゾーンへと拡げるには、そしてコアファンにもサブスクを介して聴き続けてもらうには、公式YouTubeチャンネル(→こちら)にてバラエティ的な動画を用意することも必要ではと感じた次第。ビルボードジャパンソングチャートにおける動画再生指標のみならず、動画再生とリンクしやすいストリーミング指標の強化にもつながるはずです。またカラオケのニーズ拡大にも至るでしょう。
地上波テレビ局で冠番組を持つこと、フィジカルセールスが増加することは勿論素晴らしいのですが、今の時代においてはサブスクやYouTubeの活用が、ムーブメントを常態化させるための大きな役割を果たすと考えます。timeleszは個々の活動も多忙を極め、そのような時間は持てないかもしれませんが、サブスクやYouTubeを経ての人気拡大は音楽チャートに波及し、今後真の社会的ヒット作品を生む可能性も高めるはずです。