テイラー・スウィフト「Opalite」のミュージックビデオが本日公開されます。注目は、その公開先にYouTubeがないことです。
#テイラー・スウィフト の楽曲「Opalite」 が最新シングルとして正式発表💎✨
— テイラー・スウィフト News (@TSwiftNewsJP) 2026年2月5日
🎬 ミュージックビデオは
現地時間 : 2/6(金)8:00
日本時間 : 2/6(金)22:00
Spotify Premium / Apple Music にて公開✨
現在、テイラー・スウィフト公式サイト(https://t.co/gHPNzY4gj1)… pic.twitter.com/7MOEwq3gF7
💃❤️🔥✨ Head over to https://t.co/oDFq1tG5lB and count down to the release of the Opalite music video on @Spotify Premium and @AppleMusic! And don’t forget to shop the new Opalite blue pearlescent 7-inch vinyl (available to pre-order until 2/6 at 7pm ET or while supplies last) pic.twitter.com/MtVctL8YpZ
— Republic Records (@RepublicRecords) 2026年2月5日
テイラー・スウィフト「Opalite」のミュージックビデオ公開先にYouTubeがないということは、所属するリパブリックレコード発のポストでも同様です。ミュージックビデオはSpotifyの有料会員、そしてApple Music(そもそも無料会員なし)で公開する旨を発信しています。そしてこの件を報じた米ビルボードの記事に注目です。
Swift’s decision to premiere the video first on Spotify and Apple Music follows YouTube’s December announcement that it was withdrawing its streaming data from all of Billboard‘s charts.
(テイラー・スウィフトがミュージックビデオをSpotifyおよびApple Musicで先行公開する決断は、YouTubeが12月にビルボードの全チャートからストリーミングデータ提供を停止すると発表したことに続く動きです。)
Don’t You Sweat It, Baby: Taylor Swift ‘Opalite’ Music Video Is On the Wayhttps://t.co/pjR7poxFCe
— billboard (@billboard) 2026年2月5日
※ ( )内はDeepL翻訳を用いて訳したものを、一部訂正したものです。
米ビルボードが1月2日集計分(1月17日付チャート)以降にストリーミングのウエイトを上げるチャートポリシー(集計方法)変更を発表した直後、YouTubeはデータ提供の引き上げを決定。ストリーミングのウエイトは上げる一方、サブスクサービス有料会員による1回再生が無料会員のそれより大きくなる状態が(ウエイト上昇率は後者がより高いながら)続くことを"時代遅れ"と称し、1月16日集計分(1月31日付)以降袂を分かっています。
その経緯は上記エントリーでまとめていますが、結果的にストリーミング全体の数値が後退したのみならず、YouTubeに強いJ-POPのグローバルチャートにおける後退も目立っています。これはK-POPも同様の模様ですが、音楽チャートに意識的なコアファンの集合体となる(と弊ブログで定義している)ファンダムによる視聴はテイラー・スウィフトにおいても多いものと思われ、YouTubeのデータ提供停止は痛手だったはずです。
そのテイラー・スウィフトが「Opalite」のYouTube公開を遅らせるという措置は、今後の音楽チャート再変更につながりかねないと捉えています。アルバム『The Life Of A Showgirl』からの第一弾シングル「The Fate Of Ophelia」(YouTubeはこちら)が公開からわずか4ヶ月で2億6千万回再生を記録しているゆえ次作も高い再生回数が期待される中、テイラーはそのYouTubeでの公開を後回しにするという選択を採ったわけです。
音楽チャートの施策は、コアファンに過度な物理的または精神的(もしくはその双方)の負担を強いるものでなければ自由だというのが私見です。
— Kei (ブログ【イマオト】/ポッドキャスト/ラジオ『imaoto on the Radio』) (@Kei_radio) 2025年11月2日
ただし他の歌手の作品と条件を揃えることが大前提であり、デジタル未解禁やアルバムでの単曲ダウンロード禁止等、制限を伴うものには強い違和感を抱きます。
尤も、音楽チャート分析者としては上記の考えに基づき、一部ストリーミングサービス(YouTube含む)で公開する/しないを分けることには違和感を抱くというのが率直な見方です。テイラー・スウィフトは近年、施策実施時にこの"一部に制限を施す"ことが少なくなく、その姿勢を”サブスク解禁は行わず、ダウンロード販売のみにとどめる”テイラー・スウィフトの施策をあらためて問う(1月23日付)にて批判したばかりでした。
今回の「Opalite」ミュージックビデオにおける公開範囲限定、YouTube外しともいえる措置は、SpotifyやApple Musicにおいてユーザー数を広める機会に成り得るものでしょう。実際、Spotifyはこちら、Apple Musicはこちらのポストにてミュージックビデオ公開について訴求しています。そしてそのプレミア公開効果が大きいほど、YouTubeは疎外感を味わい、ともすれば米ビルボードへのデータ提供を再開するかもしれません。
テイラーはかつて、Spotify無料会員(有料会員になった直後の無料期間含む)による再生分が歌手の利益になっていないとして同サービスから音源を引き上げたことがありましたが(Spotify、レーベルには20億ドル以上支払った──テイラー・スウィフトの楽曲引き上げにコメント - ITmedia NEWS(2014年11月12日付)参照、近年の施策を踏まえるに今回は"音楽チャートで得にならないことはしない"という考えに基づくのかもしれません。
それでも、「Opalite」ミュージックビデオ公開におけるYouTube除外は大きな出来事でしょう。デジタルプラットフォームの区別なく公開することが必要ですが、YouTubeの姿勢如何では「Opalite」に倣いミュージックビデオの公開先を限定する動きが今後出てくるかもしれません。その推移を注視しつつ、YouTubeが米ビルボードにデータ提供を再開することがやはりマストだというのがチャート分析者としての考えです。